マガジンのカバー画像

感想文

21
映画、漫画、アニメ、とにかく一言書きたくなった作品を妄想を大きく羽ばたかせて徒然なるままに感想を書いたものです。
運営しているクリエイター

#映画レビュー

才能を持ってしまった者達の悲哀と運命。フェイブルマンズ感想

スピルバーグの自伝的映画。フェイブルマンズ(複数形になっていることに注目されたい)。幼少期から青年にかけて、彼の一家に起こったとりとめのない出来事を一本の映画にしていく。いかにして映画人スティーヴン・スピルバーグは完成したのか。その軌跡を描く。 この映画はスピルバーグ少年がカメラを回し、編集し、みんなに見せるという場面の繰り返しで進む。とりとめのない日常の出来事。映画を編集するかの如く彼の少年時の家族の生活を撮り、編集し、観客に見せる。その営みがメタ的に一本の映画になったの

あの頃最強だった俺たちの青春賛歌~かぐや様は告らせたい ファーストキッスは終わらない~

人は羽化した状態で生まれてくる。子供のころは自由に飛び回れる超能力者だったが、辛すぎる現実をやり過ごすために、心の内に繭を作り、いろんな物を背負いこむうちに背中が曲がり、いずれは老いて惨めに這いつくばる芋虫となり、無念の内に死ぬ。 社会性と引き換えに、飛び方を忘れる哀れな生き物。それが人間だ。 さて、『かぐや様は告らせたい』は三期アニメ化された漫画原作アニメだが、最新シリーズが特別上映として映画館で放映された。文化祭でウルトラロマンチックな初キスを遂げた白銀とかぐやだったが

映画「帰ってきたヒトラー」がここ最近で一番面白かった

ナチス式敬礼(右手上げるやつね)するだけで逮捕される現代ドイツで、ヒトラーの恰好したおっさんが無双するヤバイ映画。こんなにそっくりな人よく見つけてきたな。話し方とか演出がかなり似てるんじゃないかな?あのネットミームで有名なシーンも劇中でパロってあるぞ!? 以下、ネタバレ。見てない人は今すぐ見よう。 時は現代ベルリン。地下壕で一人拳銃自殺を図ったはずのヒトラーが時を超え、21世紀に蘇った。初めは連合軍の凝った情報戦と思ったが、新聞を見ることでどういうわけか2010年台にタイ

シン・エヴァンゲリオン劇場版、観覧感想、考察

騙して悪いが、シン・エヴァンゲリオンは考察は必要ない。次々明かされる真実で長年の疑問はほぼ全て解けた。要るとしたら解説だけ。解説ならパンフレットを買おう。普通、人気の劇場版だと売り切れが当たり前だが、めちゃくちゃ刷ってるみたいで余裕で買えた。 本作を一言で表すなら「大人の」エヴァンゲリオン。これはあらゆる意味を内包する。全ての子供達に→全ての大人達に(TVシリーズからの経過を考えるとね、みんなもう大人になっちゃったね・・・) 当然、従来のエヴァの魅力は本作でも健在である。