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【全文無料】白単メタビート概説 第4回:白単メタの構築


1.はじめに

 こんにちはミズノエです。今回は第4回、構築編です。第2回、第3回を先に読んだ方が内容がわかりやすいと思うので是非、ご覧ください。
 早速ですが手始めに、構築の超基本についてポイントを2つ説明します。

構築の超基本
①デッキパーツは「メタクリ」「ドローソース」「補助札」の3種
②構築は環境に対応させる

「知ってるよ…」という方も多いと思います。
とりあえず、もう少し掘り下げていきましょう。

2.デッキパーツ3種について

 今回は説明のため、デッキパーツを「メタクリ」「ドローソース」「補助札」の3種に分類してみましょう。

メタクリ・・・相手の動きを止める札
ドローソース・・・自分の手札を増やす札
補助札・・・上2つ以外の役割を持つ札

 カードによっては性質上これらの分類を複数併せ持つこともありますし、メタと補助については割とガチで曖昧な部分もあるんですが…とりあえず便宜上のものとしてざっくり理解してください。

それぞれの分類についてさらに詳しく説明していきます。

〇メタクリーチャー

 【白単メタビート】を銘打つ以上、メタクリーチャーは必ずデッキに採用されているでしょう。時代を超えてDMには様々なメタクリーチャーが登場し網羅性を向上させている反面、同時に一般的なデッキパワーも向上しています。「刺さる」メタクリを選び取り、構築に採用することはプレイング以上に重要かもしれません。

以下2項目について触れます。
・メタクリの選び方
・採用枚数の考え方

・メタクリの選び方
 「環境を読んで刺さるやつを採用しろ」以上!でもいいのですが…もう少し詳しく。前回の記事で説明した通り、【白単メタビ】で重要なことは「相手に合わせたメタクリを選び取り」「テンポよく自分の札を展開させていく」ことです。帰結として、(枚数比率の意味で)デッキが綺麗なマナカーブを描けるよう、特に2コストのカードを多く採用することになるでしょう。
 筆者はメタクリの採用を吟味する際、次のような判断基準を持っています。

メタクリの採用基準
①環境上位のデッキに広く刺さるパーツ
 ⇒対面デッキの動きに「間に合う」コスト感か?
②環境(上位の)の特定のデッキタイプに致命的に刺さるパーツ
③自分の動き(テンポ)を阻害しないコスト感

①環境上位のデッキに広く刺さるパーツ
 上位デッキを理解したうえで、採用候補のそれぞれについて何がどれに、どう刺さるかを分析しましょう。(第3回2章ポイント③メタクリーチャーの種類(重複性と賞味期限)を意識する、も参照)。ここでの吟味がそのままデッキの腐るカードを減らすことにつながります。ちなみによくわからないデッキは≪ミクセル≫≪手輝≫≪オソニス≫あたりがあれば勝手に沈んでくれますので、下位デッキに対してメタを意識する必要はほぼありません。下位デッキは他デッキですら採用するタイプのメタカードに巻き込まれて負けるので下位なんです。

 そして、さらにここで「対面の動きに間に合うか?」の吟味が入ります。先手後手の場合分けも加味してください。まぁ割と間に合わないことを承知で採用せざることも多いのですが…。この理論(だけ)で行くと≪タスリク≫よりも≪プーンギ≫の方が優先度が高い、ということが導けると思います。
 余談ですが環境(強いデッキ、母数比率等)が変われば構築も変わることは言うまでもありません。情報は常に確認してください。

 同時に「なにが要らないか?」について考えることもここで触れておきましょう。極端な例を挙げますが、この世にSTが≪デーモンハンド≫しか存在しない場合、【白単ゴルギーニ】にわざわざ≪ジャミング=チャフ≫を撃つ必要はなくなります。ビートダウン相手に≪ドラン=ゴルギーニ≫のタップフリーズと≪綺羅Star≫のブロッカー付与だけで対抗し、わざわざメタクリを採用しない…という可能性も一応…あります。つまり、プレイングで対策する路線と言うものをこの段階で考えることも必要なのです。決して妄信的に、楽をするためだけにメタクリーチャーを採用することが無いようにしてください。

②環境(上位の)の特定のデッキタイプに致命的に刺さるパーツ
 あるデッキにしか刺さらないけれどもガン刺さりするパーツがたま~にあります。【サガ】や【ネバーループ】に対する≪オーリリア≫や【JO】その他のために≪メスタポ≫なんかが採用されているリストを見かけることがありますよね。

③自分の動きを阻害しないコスト感
 何度も何度も書いていますがこのデッキはテンポアドバンテージ命です。メタクリが手札でジャムらないようにしてください。デッキのマナカーブは常に意識しましょう。

 デッキに採用するメタクリをある程度考えた時、同時に対策できるデッキ、が頭の中で整理できる状態になっていると思います。ここで、同時に対策できないデッキ…いわゆる「割り切るデッキ」についても言語化しましょう。経験として「デッキの動きが特異」「高い対面除去性能」「爆発的なマナブースト」が可能なデッキは相性が悪いため割り切った方が早いことが多いです。【アポロ】【デッドダムド】、先攻≪メンデルスゾーン≫をブチ決めてくるデッキとか…。
 もちろん、デッキタイプごとの対策度合いは一定でなく、常にグラデーションを形成します。「割り切るデッキ」を用意するという考え方は、本来勝てるデッキにしっかり勝ち切るために必要でもあります。

・メタクリの採用枚数について
 どこまで行っても採用したメタクリを引き込めなければ意味が無いので、基本的には最大枚数(4枚)投入したいところです。そのうえでメタクリの性質、重複性と賞味期限(第3回2章ポイント③メタクリーチャーの種類(重複性と賞味期限)を意識する参照)、を意識しましょう。
 採用枚数を考えるにあたり、役割が近いカードを代用品として5枚目以降として採用することがあります。≪ミクセル≫と≪妨鎧≫、≪プーンギ≫と≪タスリク≫のように重要度・効果の重複性がある札を中心に、3枚目以降はパワーの高い3コスト枠として採用することが自分は多いです(5枚目以降の役割を兼ねさせていると言った方が近いかも)。勿論環境によっては≪オリオティス≫、≪シャマリ‐1≫のように同じように扱いやすい2コストを増やした方が良いこともあります。特に≪ミクセル≫系統は種類が多いので吟味してみると面白いです。
 3コスト、4コスト帯のメタクリーチャーは効果の重複性も、効果の賞味期限も無いものが多く、盤面に1枚と控えが用意できれば仕事量が変わらないことが殆どです。最速で出す必要が無い場合は3枚あれば十分でしょう。デッキ構築の最後に枚数調整でいじるのはここら辺のパーツが多くなると思います。

〇ドローソース

 ドローソースは時代ごとに固定されることが多いため、あまり吟味されることはないかもしれません。とりあえず性質と特徴を整理しておきましょう。ここでは「通常型」と「システム型」と区別します。

・通常型
 クリーチャーなり呪文なり、使ったときに条件に合った枚数カードを一気にドローすることができるタイプのもの。【白単メタビ】に採用されるドローソースのほとんどがこれに当たる。≪サザンルネッサンス≫≪シェケダン≫≪ジャストラビリンス≫≪コアクアンのおつかい≫など。

・システム型
 バトルゾーンに出し、条件を満たすたびにドローすることができるタイプのもの。≪ミストリエス≫≪龍装者バーナイン≫などがこれに当たる。

 もちろん一長一短ですが評価としては基本的には 通常型>システム型 かなぁと思います。理由は通常型の方が一気にドローすることでその後の展開に選択とプレイングの反映を行いやすくなるためです。呪文が良いのか?クリーチャーが良いのか?などその他の基準は時代によりけり。クリーチャーが付いてきたほうがお得なことが多いですが、呪文はデッキの動きの中で踏み倒しが行えると強力です。
 採用枚数は…4~8枚くらいのことが多いです。7、8枚あると嬉しい。引けなければ勝てないけれど、引きすぎると動けない。調整の難しい所です。

〇補助札

 その他全てをこう呼んでいるので非常に対象が広いのですが、よくあるものを紹介します。

よくある補助札
・コスト軽減(例:≪一番隊≫≪アシスター≫系)
・展開札 (例:≪ドラン=ゴルギーニ≫≪綺羅Star≫)
・耐性付与 (例:≪ドラン=ゴルギーニ≫≪イマムーグ≫)
・小さなドロー(例:≪ゲラッチョの心絵≫≪タイム1ドレミ≫)
・防御札(例:≪ライデン≫≪メメント守神宮≫≪光速の星騎士≫)
・フィニッシュ(例:≪ミラダンテⅫ≫≪ファイナルストップ≫)

 補助札は展開とフィニッシュに深く関係しています。ですから枚数はデッキによりけりです。
 メタクリーチャーの項で少し触れましたが、採用には「本当に必要か?」は意識した方がいいです。なくてもいいなら入れない。相手のテンポを奪えるか、相手のテンポ以上に自分の動きを強くできるかがポイントです。 

 ただ、持論としてここで挙げた「防御札」に対しては採用のハードルが他のパーツより一段階高く設定するべき(よほどの理由が無ければ採用すべきでない)と考えています。手札からメタクリを選択して出す、という本来の動きを薄めシールドの運要素に注力するのは構築とプレイが乖離していると言えるためです。攻めっ気の強い対面がこちらのメタを貫通するような構築で、シールドから返すしか方法が無い場合に初めて受け札として採用を考えるイメージです。≪光速の星騎士≫を採用している構築をよく見かけるのですがそれでなければいけない理由がよくわからないので、上手な使い方を誰かこっそり教えていただけると嬉しいです。

3.おわりに

 簡単ではありますが構築編は以上です。
 並びに、シリーズ『【白単メタビート】概説』はここで一区切り。はじめから読んでくださった方はお付き合いいただきありがとうございました。以降更新されるシリーズ記事は番外編ないしオマケですので、興味のある方は引き続き確認してくださると嬉しいです。
 シリーズ冒頭でも述べましたが【白単メタビート】は決して「強い」デッキではありませんし、このシリーズはその強さを保証しません。トーナメントに切り込むならトップメタを握った方がいいです。もしこのデッキが好きで、このデッキで勝ちたい人がいるときは、一緒に頑張っていきましょう。ご意見、ご質問、アンチコメントはTwitter(@mizunoeikuta1)まで!いただけると励みになります。
 それでは、また機会があれば!!

2023年6月25日 ミズノエ


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