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【全文無料】白単メタビート概説 第3回:白単メタのプレイング

1.はじめに

 こんにちは。ミズノエです。本シリーズも3回目、今回はプレイング編という事で、ゲーム中の流れと思考を序盤・中盤・終盤の三分割で解説していこうと思います。

2.序盤(~3.4ターン目まで)の考え方

 【白単メタビ】は往々にして序盤の動きが以降の全てのゲームを規定します。それほどまでに序盤の選択は重く、貴重なものです。本記事でもこの序盤の動きについて最もウェイトを置いて説明していく予定です。

序盤の動きで意識するポイントは以下の通り。

ポイント
①プレイはギリギリ先回り(↔構築相手のは後出し)
②起点(リソース源)は絶対に止めろ
③メタクリーチャーの種類(重複性と賞味期限)を意識する

これを、ターンの流れを追いながら解説していきましょう。

〇1・2ターン目
◆初手チェックと仮のプランニング
 これはどのデッキでも同じですね。大体の人が無意識にできていることだと思います。
 ・中盤使用するドローソースを確保できているか?
 ・手札から実現できるもっともテンポの良い動きは何か?
 ・相手のデッキは何か?(最重要)
  ⇒更に、相手のデッキの初動と切り札、受け札を整理する。
ここでの挙動がそのままポイント①プレイはギリギリ先回りにつながっていきます。言っていること自体は非常に基本的な事です。メタを張る以上相手の動きが予測できなければ適切な手を選択することができません。 
 まず情報収集というゲーム外のゲームに勝ってください。そして、相手がメタりたいカードを使うなるべく直前にそのメタカードをプレイしてください。なぜ直前か?特に中盤以降において相手のプランを崩壊させるためです。

そのうえで、「まず何をメタるか?」という問題解決の指針になるのが、
ポイント②起点(リソース源)は絶対に止めろです。

なぜ起点を止める必要があるのか?
答えは「テンポを奪う上での効率が最も良い」ためです。
この考え方は特に再序盤にマナブーストを行う相手にとって有効です。
DMのデッキはマナカーブを意識して構築されている場合が殆ど。「2→4→6」や「3→5」など、聞いたことのない人はもはやいないと思います。起点を奪うことで、相手がそのカードをプレイする1ターン以上の時間を稼ぎやすくなります。

≪フェアリーライフ≫≪お清めシャラップ≫に代表される初動ブースト
≪天災 デドダム≫
≪キユリのASMラジオ≫→盤面リソースの起点
≪T・T・T≫→手札リソースの起点
≪我我我・ガイアールブランド≫→攻撃の起点

 後手の場合、展開は先手よりも厳しくなりますが相手のデッキを特定しやすくなるためプレイ自体のミスは減っていきます。構築編でも後述しますが、しっかり相手に合わせたメタを手札から選び取り先んじて着地させることが最重要課題になる以上、少なくとも相手の3t目前には着地できる2コストのメタクリーチャーは十分に採用したいですね。

 先手の場合、特に1t目では相手のデッキが全くわからないタイミングでマナチャージをしなければなりません。この時、手札にあるクリーチャーの性質をよく理解し、その優劣をつける必要が出てきます。

 この時に考えるのがポイント③メタクリーチャーの種類(重複性と賞味期限)を意識する、です。

〇メタクリーチャーの種類①効果の重複性について
メタクリーチャーはその効果が重複するか/しないかの2つで区別する事ができます。
 具体例をもとに見ていきましょう。≪音奏プーンギ≫は相手が呪文を唱えるコストを1増やすカードです。

≪音奏プーンギ≫

 当たり前すぎて泣けてきますが、≪プーンギ≫が2体いれば相手の呪文コストは2増えます。同じタイプのクリーチャーが複数体並ぶことでその効果が重複されているのがわかりますね。

 同じように呪文を止める効果を持つ≪正義の煌き オーリリア≫はどうでしょう。2体いても相手が呪文を唱えられない効果に変わりはありませんね。

 ゲームごとに各メタクリーチャーが担う役割の重さは異なってくるためあまり断定的なことは言えませんが(※注1)、これを理解していれば「手札に≪プーンギ≫や≪タスリク≫が複数枚ある状況」と「手札に≪手輝≫や≪ダイヤモン星≫が複数枚ある状況」の違いがよくわかると思います。

※注1:仮に≪手輝≫が良く刺さる相手には除去された時用に2枚目以降の≪手輝≫を複数並べるないしキープする方が有効、という事はよくあります。

因みに、たまに勘違いしている方を見かけるので書きますが≪奇石ミクセル≫の効果は重複します。EXライフを超えて相手獣を処理できることがあるので覚えておきましょう。

〇メタクリーチャーの種類②効果の賞味期限について
 メタクリーチャーにはゲーム経過とともにその効力が少しずつ薄れていくものがあります。相手が潤沢なマナを手に入れた時、≪奇石ミクセル≫はその意味を成しませんし、≪音奏プーンギ≫でいくらコストを上乗せしようとその増えたマナコストをしっかり払って巨大呪文を撃つ相手はしっかり存在します。(注2)

※注2:白単系は基本的にマナを溜め込めるデッキに弱いのはそういう訳です。

 つまり、同じメタクリーチャーにも「序盤にしか活躍できない奴」がいるし、一度封殺した盤面も相手の展開が進むにつれて突破されやすくなるのです。これを私は「賞味期限」と呼んでいます。
 賞味期限がわかれば、相手の動きも予想が付きます。賞味期限は相手にとっては格好のチャンスです。限定された相手の動きを正しく予想してしっかり対策しましょう。

 ただし、賞味期限がある=弱いとするのは早計です。あくまで【白単メタビ】はテンポを奪うデッキ、序盤にしっかりとテンポを奪い、他のメタクリーチャーにつなげて展開を広げられるのであれば十分な強さを発揮していると言えます。だって≪ミクセル≫強いでしょ?

 以上、メタクリーチャーの重複性と賞味期限を意識することで、カツカツになりやすい序盤の展開を整理しやすくなります。

〇3・4ターン目
 ここでやることは
 ◆ひたすら相手のカードをケア(除去なども意識)
 ◆殴るプランについて考え始める
 ◆浮いたターンで自分の動きを伸ばし始める こんな感じです。

 序盤は船の水漏れを修繕するが如く相手の動きを抑え込むことに集中しなければいけません。徐々に相手の使うカードのパワーも増してきます。≪カツキング≫や≪パーフェクトダークネス≫等、今まで築き上げたこちらのアドをひっくり返す札をケアし続ける思考が必要になってきます。

 すこし話が前後しますが、相手のリソースの起点と除去札の関係ではその展開が逆になることもあります。例えば対面の【4c邪王門】では、初動のブーストの3コストよりも先に、2コストの除去札≪超英雄タイム≫がキャストされることがあります。先述のポイント①プレイはギリギリ先回りのおさらいでもあります。起点を抑えることが重要なのは変わりありませんが、もし余裕があるのならここら辺も意識しながらメタクリーチャーを展開してください。

 お互いが初動を終え、デッキのメインの動きを目指しつつあるこのタイミングで、また、相手のデッキが完全に特定できたこのタイミングで、そろそろフィニッシュ方法も頭の片隅に置いた動きが必要になります。

 なぜか? 
 そうでないと間に合わい相手がいるからだよ!!!
 これまで何度も何度も何度も書きましたが、弱い【白単メタビ】はただのバニラビートです。バニラビートが「溜めて殴る」なんて崇高でご丁寧なこと考えちゃいけないんですよ。
 最近で言うと【アナジャオウガ】などがその典型です。≪CLIMAXジャオウガ≫やその他デカブツが出た暁には盤面ぶっ壊されて負けます。昔で言えば【チェンジザドンジャングル】【モルネク】【ジョーカーズ】、カード単体で言えば≪鬼丸覇≫とかも割とそうでしたね。メタビはパワーカードに勝てないので、メタる対象をある程度相手の「受け札」に集中しながら早期に殴りきる必要があるのです。

 そしてメタクリの展開が上手く運ぶと、相手の動きが極端に止まることがあります。そうして初めて自分のリソースを伸ばす動きが許されるのです。中盤のゲーム展開に解説を進めましょう。

3.中盤(4ターン目以降)の考え方

 主に中盤にすること
 ◆ドローソースの使用
 ◆展開の拡大と増強
 ◆(場合によっては)攻撃の開始

 さぁ、いよいよ中盤です。稼いだテンポ差が生んだ隙でドローソースを回し、更に相手との間に超えられない壁を作っていきます。

◆ドローソースの使用
 このデッキを動かすうえで非常に強力な一手であることは間違いありません。デッキの動きの「立ち上げ」を終え、「拡大」へと移行するターニングポイントです。しかし、ドローソースは最速脳死で使えば良いものでも、使えば勝つものもありません。
 ドローソースの使用には弱点があります。それは基本的にどのカードをプレイしても1ターンを消費してしまうという事。テンポを消費する、という言い方が正しいかはわかりませんが、相手の拘束を重ねずに一度自分の息継ぎをするという点で隙を見せていることに変わりはありません。 
 これは自己流の考え方でまだしっかりと確立できていないのですが、肌感覚として、しっかりテンポを取り切れるまでドローソースはキープするべきだと考えています。
 
 ドローソースの使用に成功したらとりあえずゲーム展開はひと区切りです。引いた手札を確認しながら次の展開のプランニングをしましょう。主なチェックポイントは以下の通りです。

・追加のドローソースにアクセスできたか?
・相手の動きを更に抑えることができるカードを引けたか?
・フィニッシュ札(後述)にアクセスできたか?

 それぞれの項目と相手の展開予測、相手の受け札、こちらの打点を加味しながら「籠った方が良いか?」「殴った方が早いか?」を考えます。
 【白単ドラン=ゴルギーニ】では≪ドラン=ゴルギーニ≫や≪綺羅スター≫などの展開札が攻撃をその発動条件にしているため、今までよりも殴ることによって得られるメリットが大きく、自然と詰める速度が上がることが多いです。

◆展開の増強と拡大
 しばしばブン回りプランはこうなりがちです。ドローと展開を繰り返す強みは前回お話した通りですね。ここからはひたすらに負け筋をつぶしていきましょう
・打点の更なる増強
・除去札のケア
・(ある場合は)フィニッシュ盤面の形成→終盤の動きで解説

◆攻撃の開始
 ほとんどの【白単メタ】デッキが殴りきることでゲームの勝利を目指します。前述「◆ドローソースの使用」の内容の繰り返しになる部分もありますが、このデッキは最終的に殴らなければ勝てないのです。そしてデュエマはメタを絡めなくても、相手にダイレクトアタックを決めればゲームに勝つことができます。
 そして、この攻撃開始のタイミングこそが【白単メタ】におけるもう一つの重要なプレイングであると言えます。他のメタビートと異なり、腰を据えたロングゲームがしやすい分、強力な攻め手がこのデッキにはありません。ある程度見切りをつけた攻撃の開始が必要になるケースもたびたびある事は何度も記述した通りですよね。
 
「負けない状況になったら殴る」「負ける前に殴り勝つ」

矛盾している2つの考え方を捌ききるのは経験です。
ただ一つ言えるのは攻撃にはリスクが伴う≠攻撃しない方がいいという事。
デッキの構築にもかかわってきますので、ゆっくり理解してください。
(ちょっと自分でも言語化が難しい部分です。すみません。)

4.終盤(フィニッシュ)の考え方

 最後は終盤。デッキが上手に回転し、展開が広がってゲームを詰めに行く時の考え方を解説していきます。…実はあんまり書くことがありません。なぜかというと、フィニッシュの取り方はそのデッキの構築に依存することが殆どだからです。 次回「構築編」でフィニッシュパーツの採用基準を考えていく予定ですので、そちらも参考にしてみてください。

 フィニッシュは対面のデッキの受け性能と常に隣り合わせです。
よくとられるプランは以下の通り。

採用されている受け札を使わせないカードを引き込み、使う
 例)≪ミラダンテⅫ≫、≪ミクセル/ジャミング=チャフ≫等

相手の受け札をメタり、機能不全に陥らせる
 例)≪ドラン=ゴルギーニ≫、≪ブルトゥーラD1≫
   また、≪邪王門≫に対する≪手輝≫など

≪クロック≫や≪ホーリー≫などで相手にターンが返っても負けない盤面を作る
 例)≪綺羅スター≫による殴り返しケア、他

 読んでわかる通りここら辺のフィニッシュの考え方はどのデッキを触るうえでも共通している部分が多いと思います。マジで大したことは書いてません。

5.おわりに

という訳で、以上プレイング編でした。
次回の構築編でまた、お会いしましょう。

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