あたたかさは血液が運んでいるという話

木々の葉が黄色や赤に色づいて自然界は秋の装いとなり、私の住む地域は気付けば手袋が必要な季節になりました。

外気温が下がって手足が冷たいなぁと感じることもしばしばなのですが、仕事帰りの道、寒いにもかかわらず手足があたたかくなった、と感じたことがありました。寒いのに、暖かくなった。理由として思いたることがあり、人間の身体というのは本当におもしろいなぁと思ったので、今日はそれについて書いてみたいと思います。

そもそも手足が冷たくなる、というのは、身体の先の方まで熱が届いていないということです。熱を届けてくれるのは体中をくまなく巡る血液で、血液が通うことであたたかさが保たれるわけなのですが、人間は寒いときに皮膚を流れる血液の量をぐっと減らし、身体から逃げる熱を減らして体温を保とうとします。皮膚を流れる血液の量がぐっと減ることで、大事な臓器のある身体の内部の温度は保たれ、生命が維持される、というわけです。シンプルで合理的な仕組みです。

手足の先など末梢を流れる血液の量が減るのは寒い時ばかりではなく、ストレスにさらされたときにも血流がとどこおります。交感神経が優位となって末梢血管が収縮するからです。ストレスフルな状態を何とかするために、身体の末端よりも重要な場所に優先して血液が送られ、血流の減った手足は冷たくなります。

その日の私の場合、寒い場所に出たのに手足がポカポカし始める現象が起こりました。そして、手足があたたかくなったことで、それまでかなり冷えていたことに気付きました。冷えていることをあまり意識できないまま冷え続けていたのだと、あたたかくなることで理解できたわけです。

つまり、私の手足が冷たかったのは、寒さよりも緊張の影響が強く、そうとう緊張状態にあったために、手足の先の血流が減って冷え切っていたんですね。

緊張して、血液の流れが滞って、血液が指先にあたたかさを運べなくなっていて、外に出てストレスを感じる場所から遠ざかり、緊張から解放されたら、寒いのに暖かくなるとは。外の寒さよりも身体を冷やす緊張状態。この緊張は身体によろしくありません。なんとかしようといろいろ考えてはいたものの、のんびり考えすぎました。早急に手を打って対処をする必要があると感じた、秋の夜だったのでした。

身体のすみずみまで血液があたたかさを運ぶには、身体だけでなく心のゆるやかさとしなやかさが必要ということなんだなぁ、と思います。ちなみに、どのように手を打ったら身体はどのように変化したのか、それはまた、後日報告することにしたいと思います。


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