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Sinking Time バックナンバー

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"沈思黙考" をテーマとする会員制メールマガジンのサンプル記事. 水述は編集長として編集・校閲を担当
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#言葉

2023のたほい屋 (水#11)

Written by 水述 諦 ごいりょくつよつよマンになりたーい♡            ◇          ◇ ほとんど毎週、知らない単語に出会っている。30歳近くになってもこんなに何も知らないなんて本当に世界は広すぎるし楽しすぎるな、としばしば思う。物知りになりたいが、知るべきものの夥しさはあまりに底知れず、知れば知るほど自分が完璧な物知りからは遠い存在であることを知る。いわゆる無知の知だ。知識人とは無知の知をどれだけ知っているかということであり、だからソクラテ

こん * は (淡#1)

written by 淡井蛍 初めまして、こん * は。蠱惑的小悪魔的文学美少女こと淡井蛍です。 誰かに挨拶をするとき、対面ならば時間帯が明確なので「おはよう」「こんにちは」あるいは「こんばんは」を区別することができますが、映像や文章のように挨拶がいつ受け取られるか明確でないような媒体においては、どう挨拶するのが正解なのか私にはわかりません。『Dr. スランプ アラレちゃん』には「おはこんばんちは!」なんてオールマイティな言葉が出てきますが、それを使ってしまうとじゃんけん

孤独は毒か (芥#4)

written by 芥田ほこり ▶ 孤独とは何か孤独という状態について考えてみる。 物理的に身体が他の人たちと離れている場合、たとえばエレベータの中に自分だけ閉じ込められた時には、その人はきっと大いに孤独を感じるだろう。しかし一方で、教室でクラスメイトに囲まれているにも関わらず孤独を感じてしまうような少年もいる。つまり、他人と物理的に大きく隔たっていることは孤独であることの必要十分条件ではない。単に身体が隔離されている状態には、孤立という別の名詞が宛がわれる。 それでは