『スナイパーの意外な使い方』
「本当に無かったの?」
インドの女性首相・ニシャは秘書に尋ねた。
「申し訳ありません。不注意で在庫を切らしておりました」
「今すぐ買って来て!」
「小間使いは既に出しましたが、もう時間が……」
ニシャは眉間に皺を寄せたが、明晰な頭脳ですぐに妙案を閃く。
「護衛隊にスナイパーがいたわね」
「はい、おります。それがいかがなさいましたか」
「すぐに彼を呼んで。頼みごとがあるの」
定刻になり、ニシャは慎重な動きで演壇に立った。三万の民衆が彼女に注目している。ニシャは緊張しながら演説