ささやかな飯テロ 24:肉を焼こう
やきまるII
調理器具が主役の回。
やきまるIIは、岩谷産業いわゆるイワタニが発売している家庭用焼き肉グリルだ。
お家焼き肉は、後片付けや調理面積までを総合的に考慮すると、どうしてもホットプレートに分があるのは否めない。
実際、我が家も長らくそうであったが、何というか、脂は飛ぶは、煙は上がるわ、それなりに手間がかかる一方で、肝心の焼き肉本体(?)が「こんなものか」という感じで、手間と味が釣り合っていない気がしていた。
卓上だけでなく、床や家具、主要な部分を新聞紙で覆い、それなりの厳戒態勢で望んでも、結局、そこそこ焼き肉臭い部屋が出来上がる、そんなイメージだ。
結局、後片付けをアウトソースするために焼肉屋に行くしかないのか、と思う一方で、たいてい、ファミリー店は行列必須、高級店は、高級店、はて?高級店?あるのか、豊田市内に?という感じで、需要と供給と距離と予算が合っていない。
いや、もっと気軽にお家焼き肉を食べたいし、食べたらゴロ寝したいんだよ。
そう思いつつ、長年、色々と情報を集めてみると、イワタニの『やきまる』に辿り着く話が多いことに気付いた。
イワタニの実力は皆が知ることなので、詳しく書く必要もないが、ネットの記事が、頭ごなしに信用出来ないことと、焼き肉自体が発する脂と煙は、避けて通れない道だと思っていたので、懐疑的に眺めていた。
むしろ、ホームセンターでお家焼肉用のダクトでも作るか、と思っていたのだが、せっかくなので買ってみようと思ったところから始まる。
いや、買って、使って、良かった、と書けば済む話だが、『やきまるII』、中々、売られていないのだ。
どうやら、常時人気で品薄らしい。
無印とIIの違いは、本体がフッ素加工しているかどうかで、どうせならIIと思って探していたが、Amazonで転売ヤー物件意外見当たらないという状況は、そういうことだろう。
時期も悪かった。
いわゆるコロナ渦で外出自粛が叫ばれていた頃なので、中食需要も高かったのだろう。
ようやく見つけた時点で即買いしたが、ここまで調理器具1つを心待ちにするなんて、人生で何回あるだろう。
さて、やきまるIIだ。
思ったより小さい、下手すりゃ1人焼き肉でも良い、というサイズ感だ。
ただ、焼き肉において、仕切り役が親の敵のように肉を並べ、さあ食え、やれ食えとばかりに炭を生産するスタイルは自分の作法と反するので、自分の分を1~2枚、じっくりと面倒見ながら焼く、というスタイルがちょうどよいやきまるIIサイズ感は悪くない。
そして、驚くことに脂が飛ばないし、煙も出ない。
もちろん、皆無とは言わないが、機構上、鉄板下に張った水に脂が落ちるため、それらが焼かれて煙になることがないし、余分な脂が落ちるので、飛び跳ねる量も格段に少ないのだ。
これは、「いくら何でも、これくらいは出るだろう」という想像の範囲を大きく下回り、正直驚いたポイントと言って良い。
さらに、カセットコンロなのでガスの炎だ。
電気じゃない安定感があるし、ブレーカーの心配をする必要もない。
直火で炙らないようになっているため、その火力は弱め、とのことだが、実際のところ、点火つまみをいっぱいに回した状態で焼くと、炭火レベルの火力が得られる。
自分の分を1~2枚、じっくりと焼くスタイルでも、待ちわびてひもじくなることのないスピード感で肉が焼ける。
最近、子供が肉を焼くことを覚えたので、我が家の家訓に従い『自分の分を自分で焼く』をやらせてみた。
このスタイルなら、ちいさなやきまるIIでも、3~4人で十分に楽しめる。
気付けばウェルダンになっている火力なので、生焼けを食べることはないので安心だ。
ただ、注意すべき点もある。
1人あたりの焼きスペースが、四分の一の扇形だ。
肉を乗せるならそれでも良いが、比較的、面積の大きな焼き野菜は、正直、乗せる場所に困る。
まず、もやしやキャベツなどは、脂を落とすための穴があるため、微妙なところがある。
斜め切りしたナスやカボチャといった大きめ野菜を食べたいのであれば「一旦、お肉タイムは終了でーす。今から、野菜タイムでーす。」と交代制にすれば良いかも知れない。
外周ギリギリの部分は空いているので、こちらに厚切りしたイモやにんじん、ナスを乗せておくのが良いかな、というところだろう。
ただ、そんな無理をするより、いっそ、焼き野菜を諦めるという方が簡単かも知れないという結論に至っている。
野菜はサラダ的なもの、もしくは、漬物など箸休め的なものでカバーし、鉄板は肉を焼くのに徹する。
焼肉コースじゃなくて、お家焼き肉なんだから、たまには、そのバランスが偏っても良いだろう。
これ、育ち盛りになったら1人1やきまる、という家庭もあるのかなぁ?
そんなアホなことを思いつつ、美味しく食べるポイント。
それは、お肉に強いスーパーを見つけよう、というところ。
食肉売り場なんてどれも同じじゃんと思っていても、よく見ると、焼き肉メニューが充実しているお店があったりする。
また、高級そうな焼肉のタレを選んでみるのも良いだろう。
同じ容量で、どうしてこんなに価格差が、という商品も、お店に行ったと思えば決して高くない(笑)
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