ささやかな飯テロ 23:スコーン、焼こう、パート2

スコーン


おじいちゃん、スコーンはこっち(ささやかな飯テロ 17:スコーン、焼こう)でもう焼いたでしょ?

もちろん覚えているし、何なら、自分で焼く時の参考にしてるくらいだ。
ネットに公開するレシピは、人のためじゃなくて自分の覚えのため、というか。
とりあえず、こちらのレシピで普通に焼けることは実証済み。
むしろ、材料のリストがあれば出来るので、実際のところ、レシピページの材料表だけ参考にしている感じだ。

ある意味、これが基本を身につける、ということなのだろう。
みそ汁などと同様、基本的な作り方が理解できれば、あとはお好きにどうぞ、というところ。
実のところ、ここからが料理の醍醐味というか面白さになる。

基本のスコーンが焼けるようになると、そこを基準に要望や欲望を乗せることが可能になる。
ほら、チョコレート味のスコーンを食べたいとか、ドライフルーツを入れたらどうだろうとか、バリエーションに対する欲望が出たり、牛乳の量が限られている中で、もう少しミルク風味を豊かにするにはどうしたら良いだろうか、という課題的な物も思いつく。

先日、焼こうと思って材料を集め始めたら、肝心の小麦粉が残りわずかの状態だった。
たまたま買い置きもない状態で、どうしようかと思ったが、薄力粉がなければ強力粉を使えばいいじゃないの、という代替案を思いついた。
そう、薄力粉の残りは少ないが、強力粉はあるのだ。
ここで、ネットで色々なレシピを眺める。
なるほど、スコーンは、薄力粉でも強力粉でも、どちらでも大丈夫そうだな、と理解する。
そう、誰も『大丈夫だ』と断言してくれないので自己判断になるが、その判断が下せるようになるのが、理解している、という状態なのだろう。

短期間で寿司職人を育成する専門学校があるという。
長年かけて修行しなくても寿司が握れるようになるそうだ。
個人的には、職人だからといって人に物を教えるのが上手だとは言えず、むしろ、下手くそなヤツが多いと思っている。
なので、そういうことをキチンとまとめて合理的に育成することに、特に違和感はない。
しかし、その促成栽培的寿司職人さん、寿司は握れるけど寿司屋としてやっていけるのか、という疑問は残る。
相応のカリキュラムが組まれているので、基本から応用まで幅広く教えてくれるだろうが、何となく、そのあたりが頼りなく、また心配になる部分じゃなかろうか。
経験至上主義ではないが、教科書に載ってないが通用するのは雇われ職人までであり、その先に行けるかどうか別の問題になる。

まぁ、寿司屋と一緒にしちゃいかんのだが、レシピの改造に対して、情報を元にして判断する能力は、そこそこ必要になる。
もちろん、個人の経験だし趣味であれば、多少の冒険をしても良かろうが、失敗して食べられないものが出来たら、何かもったいないじゃないか。

スコーンの場合、強力粉でも良さそうだ。
一旦、薄力粉の残り量を量ってみると 110gだった。
自分のレシピだと、小麦粉180gなので、70gを強力粉で補えば良い計算になる。
1:1くらいまで大丈夫そうだと思っていたので、これなら大冒険にならない範囲だろう。

一方で、そもそも、スコーンを焼こうと思った理由は、チョコレート風味のヤツが食べたいという欲望からだったりする。
加えて、家人がドライフルーツ入りのが食べたいと言いながら、大量のドライフルーツを購入してきたので、そちらも試したいと思っていた。
ということで、本題は、クランベリー入りのチョコレート風味スコーンだ。

チョコレート風味。
実際は、甘いものをイメージするが、その実、カカオを砂糖で練って甘く仕上げたものであって、原料となるカカオ自体、甘くない。
製菓用にはココアパウダーとして売られているので、これを使えば良さそうだ。
分量は、色々なレシピを見る感じ、大さじ2杯とか書いてあるものが多いので、今回はキチンと量って、小麦粉の約1割、15gとした。
色が黒くなることと風味が変わること以外、大きな影響を与えそうにないので、他の材料の量は基本レシピのまま、調整しないことにした。
そういう意味では、ドライフルーツも同様、単に混ざるだけなので、砕いたクランベリーを、キリよく40gとしてみた。

発酵するものであれば、それらの反応に何らかの影響を考える必要もあるが、ザクザクと混ぜて焼くだけなので、大きな問題にはならないだろう。
唯一違いが出るとすれば、ベーキングパウダーに影響を与えるかどうか。
膨らみが少なくなったり多くなったりする可能性があるが、多少、膨らみが悪くても食べられないものにはならないだろう。

ということで、今回の材料表はこちら。

  • 薄力粉:110g

  • 強力粉:70g

  • 全粒粉:80g

  • ココアパウダー:15g

  • ドライフルーツ:40g

  • キビ糖:40g

  • ベーキングパウダー:10g

  • 塩:少々

  • 無塩バター:80g

  • 牛乳:100cc

  • たまご:1個

  • 薄力粉:打ち粉(分量外)

その他の作り方は基本と同じだが、強力粉のおかげか、粉がまとまりやすくて便利だと思ったので、このミックスレシピは悪くないぞと感じた次第。
実際に焼いてみると、きちんとチョコレート味のスコーンになっていた。
クランベリーの風味も密度も悪くない。

iPhoneのカラーバランスが悪いのでやや青っぽいですが、キチンとチョコレートスコーンでした。

違いは、ざっくり感が多少減り、ややモッチリ感が加わった感じだ。
ちょうどよい例えだと、カントリーマームっぽいというか。
また、オリジナルメニューのスコーンは、ジャムを付けて食べる前提なので、やや甘さが控えめだが、見た目がチョコレート色をしていると、この甘さ控えめが物足りなさとなって感じることを知った。
まぁ、チョコレート=甘い、ですもんねぇ。
砂糖を増やすべきかどうか検討の余地はあるが、ジャムを付けて食べたら普通に美味かったので、その検討事項、今のところ、延期で良いやと思っている。

基本からのアレンジレシピ。
キチンと考えれば、大きな失敗なく、むしろ、満足出来ることが多い
いわゆる料理下手の一派では、何も考えずに「こうなるはず」と思いこんで適当に改変するから惨劇となるのだ。

お料理は科学です。


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