Sシリーズのブラックボディ
レンジファインダーのカメラってのは高級ないし、高価なイメージがある。
事実、有名な機種は大体高い。ちょっとした月給だ。ライカのM3がいい例だろう。真っ当に動くって安心感込みで買うなら20万はくだらないと思う。レアリティの高いものだともう一桁上がるのもザラにみる。
やもすると中古のマンション買えちゃうのも見たことがある。段付きとかブラックボディとか。物によって新築のマンション買えそうなのもある。
つまりそう言う物なんだ。
何度か話しているNikonS3のオリンピックモデルってのを10数年前に見たって話。あれは200万とかそう言う値段だったと思う。新品未使用ってのがすごかった。
で、ヘッダーになっているNikonS2。出来心で買ってしまった。
本当はSPのブラックボディが欲しかったんだけど、心惹かれる出物がなくて、貯金はミラーレスでも買おうと思っていた。
で、いつものカメラ屋に置いてあるS2に手を出してしまったわけだ。
なぜかS2のブラックボディは高い。SPより高い。そもそも台数が少ないというのもあるだろう。56000台超の生産台数の内、1000台程度らしい。ちなみに後塗りなら20万しない程度の値段で出回っている。
実際、使われて残っているのはそうもないはずだ。まぁ篦棒な値段ですよ。当時のカメラのブラックボディは高いんだ。F3まではクロームボディがスタンダードだったわけで。
そんでこのS2。このレンズは一応、ニコンのマウントらしいがコンタックスのレンズがつく。ニコンが作ったレンズだからニコンの描写なわけだが、コンタックスのゾナーもつけられる。これは楽しいことだと思う。ニコンのレンズは非常にキレのいい写りをする。でも、つくってならゾナーの50mmが欲しい。SPとかM3のようにフレームは変わらない。
レンジファインダーの宿命というか中心にしかピントは合わない。で、50mmのフレームしかないファインダーで、結構見やすい大きいファインダーなんです。ただ焦点移動があるんだとか。そもそもこのカメラでグイグイ寄り込んで撮ることなんてないから気にしていない。二重映像式で黄色の像が一致すればピントは合致する。それよりフォーカシングギアに慣れるまでが時間かかるんですよ。エルマーと違って絞りは構えたまま調整がきく。でも、フォーカシングギアで人差し指が痛いの何の。ロックだけ外してピントリングって手段もあるけど、レンズに負担がかかると言う噂があります。苦心して購入したので実験しようとは思いませんが。
シャッター音はこもったような、空気の抜けるような、「シュボッ」って言う感じの、某社のライターのような等と形容される音がします。同時期のM3と比較すると大きい音に思えます。バルナック系のピシャッというのとも、レンズシャッター系のスッとしたのとも違う、NikonS系のシャッター音というか。布幕とチタン幕でも音が違うとか。チタン幕のシャッター音を知らないので深くは言えません。
巻き上げレバーが短いとか。後年の一眼レフと比較すると確かに短い(ヤシカエレクトロ35GTの記憶と比較)し、一眼レフより有利だと言えるほどシャッター音が小さいとも思えない。シャッターボタンの位置がバルナックっぽい位置にある。どう考えても人差し指がアクロバティックな動きをする。フォーカシングギアといいシャッターボタンといい。NikonSシリーズは人差し指を虐めてくる。どうしてだ。っていうかSPにプリズムとミラーを挟んだNikonFも手前にシャッターボタンがあったと思う。つまり、NikonF2が出るまでニコンは人差し指をいじめる会社だったわけだ。
というかバルナック型に範をとった時点でいじめられる運命だったわけで。ちなみにライカを買うならバルナック型がいい。指で挟んでコロコロさせてフイルムを巻き上げる感じがたまらない。
フラッシュやモータードライブもあるらしいですが、コレクターズアイテム状態なので考察に値しない気がします。どうせ手にいれることはないでしょうし、お目にかかるとも思えないのでw
あとフイルム装填は裏蓋が剥がれるアレです。歩きながらフイルム装填できると一目置かれます…と聞きました。できるようになりたいですねw
ロゴは旧ロゴですね。4つか5つくらいの機種に使われたって話ですね。NikonF5の限定モデルもこのロゴでした。どこかで実物を見たことがあります。当時はガキンチョで「なんだこのニコン?」くらいにしか思ってませんでした。今更ですがアノF5、親父にねだっておけばよかったか。
フイルムカウンターは自分で戻しますね。勝手に戻ってくれないし、撮影中に触ろう物なら残数は記憶の彼方に消え去ります。現場でやろうモノなら悲惨です。
こうして見てみるとM3が発表されて焦った開発陣、すごい努力をしたのが至る所で見られます。NikonSの改良版みたいな状態で出そうとしたところでM3が発表。どこが改良されたのかは分かりませんが、使ってみると感動します。ニコンの技術者はやはり世界に冠たるニコンですね。
多分コイツも壊れない。
こう言う信頼感ってのはカメラには重要だと思う。そして、そんな事に思いを馳せながら使っているとワクワクする。カメラってのは使うワクワクというか高揚感というか。使って興奮しないカメラはよくない。
実に楽しい。多分これからシバき倒す勢いで使う事でしょう。
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