【リプレイ】混沌たる魔の宴

シナリオ、基本ルールの紹介
この文は「ローグライクハーフ」のプレイヤー作シナリオ『混沌たる魔の宴』(作:東洋 夏)のリプレイです。
出てくるキャラ:リナちゃん、ねこちゃん

基本ルール ↓

シナリオ購入先↓

キャラクター(PC)紹介
リナ レベル10
技量点1/生命点9/筋力点5/従者点0
手1、手2:両手武器(斬撃)/鎧:板金鎧
スキル:かばう、全力攻撃、全力防御
持ち物(MAX9):①ランタン
金貨10/食料2

寝子 レベル10
技量点2/生命点7/器用点3/従者点0
手1:軽い武器(斬撃)/手2:ランタン/鎧:革鎧
スキル:察知、宝物の獲得
持ち物(MAX7):①スリング
金貨10/食料2

この2人は別のリプレイでも出てきますが、あまり気にしてはいけません。
単に「動かしやすいから」というだけの理由で今後も色々な冒険に駆り出され、その度に違う能力値になっていると思います。

冒険の始まり
穏やかな朝。今日は特に予定もないし、ベッドで昼までごろごろするのも悪くない……
……バタバタバタ!
足音が近づいてくる。
バァン!! と、ドアが荒っぽく開けられる音。
「リナちゃんリナちゃん、今そこのそのあれで聞いたんだけどにゃ!? レ……ナントカってとこでええっとにゃんだっけ!!!」
「なになになに!? ねこちゃん、落ちついて!?」
勢いよく部屋に入ってきたねこちゃんを落ちつかせて話を聞く。
「レ……ナントカ村の近くの迷宮にやばそうなバケモノが現れて、ソイツを倒したら報酬がガッポガッポってウワサにゃ!! 今すぐ行くにゃよ!!!」
「分かった、分かったから、取り敢えずごはん食べていい?」

のんびりごはんを食べていたせいか。
レ……ナントカ村につく頃には既にバケモノは倒され、宴の真っ最中だった。
「完全に出遅れたにゃあ〜……ワタシの報酬〜……」
「ごめん……ちょっと食べすぎちゃったかな……」
「いやあ、この様子じゃあ それだけの問題じゃなさそうにゃあ……ここはさりげなくゴチソウをいただくにゃよ」
「あたしさっき食べたとこなんだけど……あれ?」
どことなく不審な女がうろついている。宴に参加している人たちの荷物を触っているようにも見える。
盗人ぬすっとにゃ? この『泥棒寝子』サマの前で盗みとは許せんにゃ……」
ねこちゃんは よく分からない怒り方をしている。
不審な女が静かに酒場を出ていくので、2人で後をつける。女は村を出て、岩に隠された扉の奥へと消えていった。
「なんにゃアレ!! お宝の気配!?」
「どうする?」
「そんなモン、行くに決まってるにゃ!!」

①出目22 炎の柱
対象:リナ、寝子
【器用ロール】2人とも成功

女を追って扉を抜ける。女の姿は既にない。
「なんにゃろ。変わった模様にゃね」
床には紋章が刻まれている。紋章……なんとなくカッコイイ。
近づくと、突然炎の柱が噴き出した。
「あわわわわっ!?」
「なんっにゃあ!?!?」
幸い2人とも当たらなかった。……ねこちゃんは毛先が少し焦げた。
「びっくりしたあ……」
「長居は無用にゃ、早く先に行くにゃ!」

②出目23 冒険者・縞蛇しまへび
次の部屋に入ると、1人の冒険者に声をかけられた。縞蛇と名乗った彼は、近くの井戸に沈んだ貴重品を引き上げるのを手伝ってほしいと言ってきた。
「……アヤシイ気がするにゃ!」
ズビシッ! と、ねこちゃんが縞蛇さんを指さす。
「本人の前で堂々と言う??? そういうのは、せめて小声で話そ??? あと、指ささないで」
「ワタシたちは急いでいるにゃよ!」
「でも、困ってるみたいだし……ねこちゃんが失礼なこと言ったし。あたしが手伝うよ。それならいいでしょ?」
「むぅ……やめといた方がいい気もするけどにゃあ……」

【器用ロール】リナ:成功

何を象っているのかよく分からない、小さな像を引き上げた。
「へえ……本当に取ってくれるとはな」
「え??」
「こっちの話だ。ほらよ」
縞蛇さんから金貨を8枚受け取り、ねこちゃんと半分こする。
「リナちゃんが手に入れたお金にゃ? けど、くれるって言うならもらっとくにゃ!」
先へ進む。

③出目31 カルネーの愛猫
出現数:2 レベル:5

次の部屋には、猫のようなカタチの蠢く肉塊。

【幸運ロール】寝子:成功、リナ:失敗

「なにアレ……(引)」
「んー……猫じゃにゃい? じっと見てると、なんとにゃくカワイイ……?」
「ええ……どこが……???」

反応→敵対的

ヒソヒソ話していたのが気に入らなかったのか、肉塊たちが襲いかかってきた。
見た目に動揺したあたしは肉塊の鋭い爪に切り裂かれたが、ねこちゃんは冷静に避けた。そして肉塊を斬り伏せる。1体倒したねこちゃんはそのまま2体目にも斬りかかったが、逃げられてしまった。
「……まあいいにゃ。リナちゃん、平気にゃ?」
ねこちゃんは、逃げていった肉塊が落とした1枚の金貨を拾いながら心配してくれた。なんでそんなに冷静なの???
あたしの様子を見たねこちゃんは、何を思ったのか突然「ここでひとつ、手品を披露しようと思うにゃ!」と言い出した。
「ここに1枚の金貨があるにゃろ? よーく見ておくにゃ? はあああああ……!!」
何やら気合を入れながら、手に持った金貨をもう片方の手で隠す。手をどけるとそこには……
「どうにゃ! 1枚だった金貨が3枚に!! ……おかしいにゃ、偶数にするつもりにゃったのに」
すごい。増えた。
こちらに2枚差し出してくるので「ねこちゃんが2枚でいいよ」と言って1枚だけ受け取った。今回あたし、何もしてないし。

リナ生命点9→8
寝子器用点3→2

④中間イベント 混沌で遊ぶ者
〈カルネー信者の錬金術師〉
レベル:4 生命点:6

だいぶ奥まで来た。部屋に入ると、盗人(仮)の女が何やらやばそうな実験をしていた。瀕死のクリーチャーの体に、何かを押し込んでいる。
「あの人……!」
「うん……?」
女はこちらに気づくと「邪魔者は歓迎しないが、被験者はいつでも歓迎だ」と言った。
「じゃあ歓迎はされないね、ヒケンシャなんて嫌だし!!」
「そんなことを言わずに協力してくれ。このカオスマスターの破片を植え付けるんだ。なあに、すぐに馴染むさ」
「自分の体でやってなよ!」
「仕方がないな……」
女が呪文を唱える。

【対魔法ロール】寝子:成功、リナ:失敗

突然の頭痛に顔をしかめる。気絶しそうなくらい めちゃくちゃ痛い。攻撃どころじゃない。
「うにゃあ!!!」
「くっ……!」
ねこちゃんは平気だったようだ。ねこちゃん攻撃が女の集中を乱したらしく、頭痛は消えた。
「ぎにゃっ!?」
ねこちゃんが反撃を食らったようだ。
女はあたしにも攻撃してきたがうまく避けられた。さっきは攻撃に参加できなかったけれど、もうだいぶ動ける。
それからあたしたちの攻撃を1回ずつ受けた女は両手を上げて降参した。まだ余裕の笑みを浮かべている。
「それよりも村に戻った方がいいよ。カオスマスターの匂いを擦りつけてきたから、今ごろ混沌が押し寄せてきているはずさ」
「うぇっ!?」
「仕方にゃい……戻るにゃリナちゃん!」
「この人置いてっていいの?」
「どうこうしてるヨユーはないにゃ! 行くにゃ!」
「……ああ、そうだ」
「なんにゃっ!?」
のんびりした女の声に、ねこちゃんは苛立った声を上げる。
「君たちにこれをやろう。私にはもう必要ないものだ」
「指輪……?」
よく分からないけど受け取っておく。
「リナちゃん、早く!」
変な実験に使ったモノだったらちょっと嫌だな……なんて思いながら来た道を戻る。

寝子生命点7→6
指輪(金貨6枚分)

⑤出目21 スネージの長の息子
黒エルフの青年がいた。彼はランタンやトンファーを見せて、もし困っているならこれらを売ってもいいと言った。
「もうしわけにゃいけど、ワタシたちは今急いでいるにゃよ……取り敢えず今のところは大丈夫にゃ」
「ああ あと、あっちの部屋にはちょっとキケンな女がいるから、気をつけた方がいいよ!」
彼はあたしたちの様子を不思議に思ったようで、何をそんなに急いでいるのかと聞いてきた。
「正直お喋りしている暇はにゃいんだけど、奥の部屋にいる女が村に混沌を呼んだみたいでにゃ? 早く戻らにゃいと大変にゃの!」
ねこちゃんの言葉に彼は目を見開き、あたしたちの武器に目をやった。
「混沌には斬撃より打撃が効くというのはご存知ですか? もし打撃の武器を持っていないようなら、このトンファーが役に立つと思います」
「そうなの!? ええ、でも……慣れてない武器で戦えるかなあ……」
「ワタシはランタンを持たなきゃにゃから、リナちゃんが決めるにゃ。……なるべく早く」
「うーん……正直使いこなせる気がしないから、気持ちだけもらっておくよ。多分大丈夫! ありがと!」
お金もそんなにないし、と心の中で付け加える。
「……あー、ところで……出口ってどっちにゃっけ?」
教えてもらった部屋へ入る。

⑥出目32 こなごなキノコ
出現数:4 レベル:3
反応→動かない(中立と同様)

人間の子供くらいの大きさのキノコが並んでいる。
「……こんにゃの、さっきあったかにゃ?」
「なんか……こうして並んでるとお地蔵さまみたい……」
「リナちゃん! ワタシたちはまだキョウには行ってないにゃ! この地にお地蔵さまはないにゃよ!」
「なんか発言がメタいよ、ねこちゃん!? あのほら、あたしたちは別大陸出身……的な!?」
「たしかに……キャトルドにはお地蔵さまあったもんにゃ。すまんにゃ」
「さらっとオリジナル地名出てきた!!」
「リナちゃんの発言もなかなかにメタいにゃ!」
ギャーギャー言いながら次の部屋に進む。

⑦出目12 混沌避けの火種
最初の部屋に戻ってきた。行きは床の紋章に気を取られて気がつかなかったけれど、よく見ると壁に何か描かれている。

【幸運ロール】寝子:失敗(ファンブル)、リナ:成功

「なんだろ、これ?」
絵の下に文字が刻まれている。命が惜しければ紋章には近づくなという注意書きの横に、ナゾのボタンと矢印。……え、これは押せってこと? 押すなってこと??
「…………」
押した。
ゴゴゴ……と床が動き出す。
「リナちゃん!? 何したにゃ!?」
「分かんない、ごめん!!」
音が止むと、床の紋章はなくなり、代わりに大きめの石が乗った台座が出てきた
台座には『混沌避けの火種』と書かれており、石の使用方法も刻まれていた。要するに投げつけると燃えるらしい。
「混沌避けってことは、混沌に効くってことだよね?」
カバンにしまって迷宮を出た。

⑧最終イベント レドナント村の決戦
村の方から人々の叫び声が聞こえる。
村の門には多くの混沌が押し寄せていた。これを全部倒すのかと武器を構えた時、ねこちゃんが別の方向を指さした。
「あれを見るにゃ。アイツだけめちゃくちゃ大きいし、なんとにゃく他のヤツらを指揮してるように見えにゃい?」
「アイツがボスってこと?」
「小さいのは他の冒険者に任せて、アイツを倒すにゃ!」

〈統率型混沌〉
レベル:5 生命点:6

ボス個体はまだこちらに気づいていない。混沌避けの火種をボスに向かって投げつけた。

投擲……失敗!

ボスを狙ったつもりだったが、近くの小さい混沌に当たって燃え上がった。ボスがこちらを向く。
「リナちゃん……」
「ごめん」
ねこちゃんが残念な目で見てくる。
ねこちゃんの攻撃を躱したボスは身体の一部をカマキリの鎌に変えて、ねこちゃんと、武器を構えるのにもたつくあたしの両方を切り裂いた。
こちらの攻撃は、刃が滑ってしまってなかなか通らない。やはり黒エルフの青年が言うようにトンファーを買っておくべきだったのだろうか。
「ぎにゃッ!!」
ねこちゃんがまた切り裂かれた。庇おうにも距離がある。
「ねこちゃん、そこだと庇いきれないから、もうちょっとこっちに──」
その時。
犬のような吠え声が聞こえたと思ったら、どこからか馬のような、いや、長毛犬のような? よく分からない生き物が駆けてきた。それはボス混沌を睨みつけると、ボスに向かって火を吐いた。ボスが燃え上がる。
「なんにゃ!? また敵にゃ!?」
「いや……多分この子、味方だよ!」
生き物がドヤ顔(?)でこちらを見るので撫でてみる。
「リナちゃん、撫でるのは後にして攻撃〜!」
「あっ、ごめん!」
攻撃するタイミングを完全に逃してしまったあたしをボスが切り裂く。痛い。
ボスの攻撃が生き物……仮に、『ふ〜ちゃん』にも向いたのを感じて咄嗟にふ〜ちゃんを突き飛ばす。ボスの鎌があたしとふ〜ちゃんの間に突き刺さる。
「ごめんね、大丈夫!?」
ふ〜ちゃんは「大丈夫!」と言うように元気に吠えた。
そしてボスに向き直る。特大の火球がボスを焼き尽くした。

「リナちゃん、大丈夫にゃ!?」
ねこちゃんが駆け寄ってくる。どちらかというと、ねこちゃんの方が心配だ。
「ごめんね、庇えなくて……」
「まったくにゃ。……冗談にゃ」
周りを見ると、ボスを失った混沌たちは逃げ出そうとしていた。
他の冒険者たちと協力して最後の1体まで倒しきる。
ふと見ると、さっきまで近くにいたはずの ふ〜ちゃんがいない。探しながら歩いていると、少し離れたところで本来の飼い主らしき男性に撫でられるふ〜ちゃんを見つけた。
「勝手に飛び出してどこ行ってたんだ、フレイムサンダードラゴイヌ」
……ふ〜ちゃんの本名はなかなかすごかった。
「あ、あの……」
「ん? 君は……さっき活躍していた子だね?」
「あはは……でも実際は、殆どその子がやっつけたようなものなんですよ」
「そうなのか!? やるな、フレイヌ!」
ふ〜ちゃんたちと別れてねこちゃんの元へ戻る。
「どこ行ってたにゃ? ほら、これ見るにゃ! おっきな宝石!!」
「わあ、綺麗……!」
「これは手品を使うまでもなく素晴らしい価値があるに違いないにゃ!」
不意に、安心したのかおなかが鳴った。
「……」
ねこちゃんのおなかも鳴った。
「……取り敢えず、何か食べるにゃ?」
「そうだね、疲れちゃった」
今回の冒険は、これで終わり。

最終結果
ねこちゃん 生命点:3 器用点:2 金貨:16
リナちゃん 生命点:6 筋力点:3 金貨:15
手に入れた宝物:指輪(金貨6枚分)、大きな宝石(金貨60枚分)

感想
ふ〜ちゃん強い!!
ふ〜ちゃんが4点のダメージを与えたので、本来のエンディングと違って多分今回の宴の主役はふ〜ちゃんです(笑)
今回のリプレイではいつもと違って「第〇ラウンド 攻撃成功」みたいなのを書かなかったのですが、あった方がいいのか ない方がいいのか……
それは置いといて、楽しかったです!! 東洋さん、素敵なシナリオをありがとうございました!!
最終イベントで助っ人やお助けアイテムなどがあるのは親切で、非常に助かりました。ふ〜ちゃんがいなかったら勝てたか分からない(笑)

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