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【リプレイ】『廃城の秘宝』(1回目)

この文は「ローグライクハーフ」の公式シナリオ『廃城の秘宝』(作:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ)のリプレイです。
出てくるキャラ:ジョン、ノード



基本ルール ↓

シナリオ↓

元になった配信
水光 あんみつさん
https://www.youtube.com/live/DnJm4PvyKNw?si=qqTnS8cE79DhUx9D

手繰手 仁さん
https://www.youtube.com/live/3VmdrAjEz1U?si=L-8kBfI4aE8Ck5zo

◇◆◇

ジョン
レベル10
技量点0 生命点10 筋力点6 従者点1
手1、手2:両手武器(打撃) 鎧:板金鎧
特殊技能:【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
持ち物(MAX10):①ランタン、②ロープ、③片手武器(斬撃)
金貨2 食料2
デイビッドの兄弟。魔法の才能がなかったため筋肉で解決するタイプのバーサーカー。

ノード・ロップ
レベル10
技量点1 生命点7 魔術点6 従者点0
手1:軽い武器(斬撃) 手2:ランタン 鎧:革鎧
特殊技能:【氷槍】【気絶】【速撃】
持ち物(MAX7):なし
金貨0 食料2
動植物を採取して研究したり、売って金にしたりしている。珍しいクリーチャーとそうでないクリーチャーで対応が違う。

◇◆◇

今から20年前。ロング・ナリクの東の城が、動く植物トレントに占拠された。現王カール・ヴァロワの父であるロイス・ヴァロワがその際に命を落とした。
これはロング・ナリクの市民で知らないものはいない悲劇として、永く語り継がれている。

◇◆◇

ジョンとノードはロング・ナリクの城門前に来ていた。王宮を改築した王城だ。
王女の迎えである、槍を持った鳥人の騎士に声をかけられる。

「お待ちしておりました。こちらへ」

王の広間には、カール・ヴァロワの娘であるコーデリア王女が待っている。

「かづら森に埋もれた王城を、取り戻してほしい。かづら森のトレントたちを統率する者がいる。〈かづら森の主〉を討ち取るために力を貸してほしい」

トレントたちの主な戦力をナリクの兵士に任せて、2人が城に潜入するという作戦のようだ。
それから、コーデリアは配下の者たちを紹介する。騎士隊長トリスタンと大釜の魔女フィニステラ。そして、王が直接雇った冒険者のソール・オ・リエンス。弓の達人だという。

「城で見つけたもののうち、背負い袋に入るものは全て差し上げよう」

サンプル採取し放題じゃん、とノードは思い、頷く。
2人は動くツタの相手を兵士たちに任せ、城へと入っていく。

「よし、行くか!」

「言っとくけど、危なくなったら僕は逃げるからね」

「分かった、分かった!」

バシバシと肩を叩いてくる相方に、「こいつ、絶対分かってないな」とノードは思った。

◇◆◇

①出目53 コンピー

城に入ってすぐの部屋で、5体の小さな恐竜が走り回っている。

レア度判定→普通

「なんだ、どこにでもいるコンピーじゃないか」

反応→【ワイロ】(食料2個)

コンピーたちはヨダレを垂らし、物欲しそうな目で2人を見る。食料がほしいのだろう。

「なんだよ、やらないよ」

拒否したことが伝わったのだろう。コンピーたちは爪をギラつかせながらこちらに走ってくる。

第0ラウンド
【気絶】 成功
コンピー5→2 逃走

ノードは走ってくるコンピーに【気絶】の呪文を唱えた。3体のコンピーがバタバタとその場に倒れる。残りの2体は驚いて逃げ出した。
ジョンはカバンからロープを取り出し、気絶した1体を縛る。縛られたコンピーは目を覚ますと、観念したように うなだれた。

チャリン、という音にノードが目をやると、金貨が1枚落ちていた。ピン、とコイントスをしてそれをしまう。

「しけてんな……」

②出目13 王子の遊び部屋

ロイス王子の幼少期の遊び部屋と思われる部屋に入った。
積み木や揺り木馬にはツタが絡みついている。

「ここは……子供部屋かあ。めぼしいものはなさそうだなー」

【器用ロール】 ジョン ファンブル ノード成功

ノードは机の引き出しから1冊のノートを見つける。中を見ると、唯一神セルウェーの信仰に関して懐疑的な想いが綴られている。
ページの隅には「緊急停止用合言葉」という文字とともに謎の言葉が書かれていた。何を停止させるというのだろう?

手がかり0→1

ノードが振り返ると、ジョンは童心に帰って積み木で遊んでいた。

「お前はなに遊んでるんだ、行くぞ!」

③出目24 魔女フィニステラ

埃まみれの厨房にやってきた。
大釜から魔女フィニステラが出てくる。大釜を魔法の門とすることで遠方へ移動できるのだという。

「どこでも大釜ってことか」

「そんなひみつ道具みたいに言わないでちょうだい」

必要なものがあれば取り出せるという。もちろん金はかかるが。

「とりよせ大釜ってことか」

「どうしてひみつ道具にこだわるの?」

ともあれ2人は今、金がない。支援を受けるのは諦めて先へ進む。

④中間イベント

長い廊下に出た。左側の壁は崩れて外が見えている。その左側の外、城壁には巨大な花が咲いていて、ツタをうねうねと動かしている。

「あれは〈種吹きスミレ〉だね。種を飛ばして数を増やすんだけど、その種が高く売れるんだ」

「詳しいのだな」

声に振り返ると、王に雇われた冒険者がいた。追いついてきたのだろう。

「あんた、たしか……」

「ソールだ。ここを抜けるのなら援護しよう」

反応→【敵対的】

話している間に、スミレが種を飛ばしてくる。

第1ラウンド
【防御ロール】 全て成功
【攻撃ロール】 ソール成功
スミレ5→4

ノードは【氷槍】を使うか迷ったが、「やっぱやーめた。逃げるが勝ち!」と走り出した。隣でジョンが戦いたそうにしていたが、「お前は攻撃手段ないだろ!」と引っ張っていく。
後ろでソールの矢が5体のスミレのうち1体に命中した。

第2ラウンド
【防御ロール】 全て成功
【攻撃ロール】 ソール成功
スミレ4→3

第3ラウンド
【防御ロール】 全て成功
【攻撃ロール】 ソール クリティカル、ファンブル
スミレ3→2

走り抜ける2人に飛んでくる種の数が徐々に減っていく。ソールが数を減らしているのだろう。王に雇われただけあって、強い。
少し余裕が出てきた2人は、ソールの矢がスミレを射貫いぬくのを見た。見事 花の真ん中に矢が刺さる。そして素早く放たれたもう1本の矢は……動くツタに弾かれて落ちた。
ノードは「詰めが甘いタイプのイケメンかな」と思った。

「種拾ったら後で分けてー!!」

ノードの声は届いただろうか。

⑤出目56 武器庫のおどる剣

反応→【錆びついて起動しない】(逃走と同様)

暗がりから何かが飛び出す。2人は咄嗟に避け、ノードがランタンで照らすと……それは風でそよいだ蜘蛛の巣だった。

「なんだ……驚かせやがって」

部屋の中をよく見ると、そこは武器庫のようだ。錆びついた剣や盾、弓矢などがある。2人はその中からまだ使えそうな武器をいくつか持ち出すことにした。

⑥出目31 屋上

城の構造が分からない2人は屋上に出てしまった。見下ろすと、明らかに強そうなゴーレムがうろついているのが見えた。6本の腕それぞれにハンマーを持っている。
屋上には大型のクロスボウが設置されていた。ジョンは「撃ちたい!!」と近寄る。

【器用ロール】 ジョン失敗

矢はゴーレムからほんの少し離れたところに刺さった。ゴーレムはそのままどこかへ行った。

「惜しかったな」

「くそ、思ったより難しい……!」

ともかく先へ進む。

⑦出目42 絞首樹

赤褐色の大きな樹がそびえ立っている。黒いツタが絡みついていて、少し不気味だ。

【魔術ロール】 ノード クリティカル

近づこうとしたジョンの腕をノードが引っ張って止める。

「待った。あれは絞首樹って呼ばれてる。近づかないで先に行くよ」

ノードは絞首樹の生態について喋りながら歩き出す。ジョンはそれを聞き流し、「戦いたかった……」と何度も振り返りながら後に続いた。

⑧出目65 ヴァロワの鉄槌

屋上で見かけたゴーレムが向こうから歩いてくる。見るからに強そうだ。腕が6本ということは6回攻撃してくるのだろう。下手したらここで全滅しかねない。

「逃げるよ、ジョン!」

「なんでだ、るだろ!?」

「あんなのと闘ってられるか!!」

ゴーレムがハンマーを振り回しながら近づいてくる。その動きは思いのほか素早い。
攻撃を躱しながら、ノードは子供部屋にあったノートのことを思い出す。「緊急停止用合言葉」とはここで使うのではないか?

「なんだっけ……ええと……」

ハンマーが迫る。

「レマート!!!」

「パスワードを認証しまシタ」

ゴーレムはピタリと動きを止めた。

「た、助かった……」

ほっとしてからノードは思った。レマートって、「止まれ」を逆から読んだだけじゃないか。

ゴーレムの胸あたりに はめ込まれた宝石が、停止した衝撃か何かでゴトンと落ちた。ノードはそれを恐る恐る剣でつつき安全を確かめると、拾ってカバンにしまった。

⑨出目25 飛翔槍士

槍を持った鳥人の戦士が松明で手際よくトレントの残骸を燃やしている。

反応→【中立】

「根気強く焼き払っていくしかない。これも王城を安全な場所にするためだ」

こんな場所で、たった1人で作業をしているのだ。王女からは紹介されなかったが、かなり強いのだろう。
2人は軽く挨拶だけして先へ進んだ。

⑩最終イベント

大広間に辿りつく。ずらりと並んだ、ツタだらけの椅子の横を進んで部屋の奥にいくと、球根状の植物が2つ、天井からぶら下がっていた。
侵入者に気づいたのか、ツタが動き始める。先端部分はナイフの刃のように鋭利だ。

「そこのお前たち」

声をかけられて振り返る。赤髪の女性冒険者が立っていた。

ジョンは密かに「1人でここまで来るんだ、相当強いに違いない。……戦いたい!」と思ったが、それを口に出すより先に女性は「1体は私がやろう。もう1体は任せてもいいか?」と言いながら、剣を抜き、宿生木の片方へと行ってしまった。

「……あの人はオスの方に行ったね。なら僕たちが戦うのはメスだ。あの球根部分はなるべく傷つけるなよ」

「分かった、分かった」

第0ラウンド
【氷槍】 ファンブル

「こいつのサンプルはぜひとも確保したい……へっくし!」

ノードは【氷槍】を撃つ瞬間にくしゃみをしてしまい、氷塊は女性冒険者とオスの宿生木の方へと飛んでいった。

「……あ。やべ……」

奇跡的に氷塊は女性には当たらず、オスの宿生木に当たった。

第1ラウンド

【全力攻撃】 成功
【氷槍】 成功
宿生木 生命点5→2

ジョンの全力の一撃が宿生木を捉える。

「やばい! 筋肉が減ってきた! プロテインを飲まないと!!」

「お前の筋肉ってストック式だったの?」

ノードの【氷槍】が今度こそ当たり、ツタをまとめて切り飛ばした。

「球根は傷つけるなよ、価値が下がる!」

「うるせー!!」

【全力防御】 全て成功

「俺の筋肉が減ってきている! 乳酸が!!」

「筋肉が減るって、乳酸のことだったのか」

【防御ロール】 失敗(【かばう】成功)

ノードはジョンの筋肉の話に気を取られたのか、避けようとして転んだ。迫るツタをジョンが武器で叩き落とす。

「よくやった!」

第2ラウンド
【全力攻撃】 成功
【氷槍】 成功

ジョンの全力攻撃、そしてノードの氷魔法によって、宿生木は完全に沈黙した。その根本からは黄金色こがねいろの樹液が溢れだしている。女性冒険者はオスの宿生木から溢れる液体を皮袋に集めている。貴重なものなのだろう。ノードも近くにあった古い水差しに液体を集めた。ついでに、床に散らばっていた金貨も拾った。

「私は鋼剣のリュカ。ドラッツェン生まれ、ロング・ナリク育ちの剣士だ。こちらの敵にまで攻撃する余裕があるとは、強いんだな」

何か勘違いしているようだが、勘違いさせたままにしておく。

「僕はノード。こいつはジョン」

この冒険者もコーデリア王女からは紹介されなかった。だが、あの鳥人の騎士も特に紹介はなかったからな……。

ジョンが戦いたいと言い出すより先に、彼女は去ってしまった。随分あっさりしている。

森との堺にある陣幕に戻ると、兵士たちがうつむいていた。
話を聞くと、2人が城を攻略している間に「王の使い」を名乗る幽霊のような何かが現れ、「ここはロング・ナリクとかづら森の正当なる領主、ロイス・ヴァロワ王の居城だ、立ち去れ」と言ったらしい。
ロイス・ヴァロワといえば現王の父、先代メルム王の息子である。死んだはずの王子が生きていたなら、カール王の王位継承がさかのぼって取り消されることになるのではないか。

王女は立ち上がって、そうではないと告げる。

「ロイスが自我を持ったまま【アンデッド】になったのなら、闇の神オスクリードを信仰していることになる。ロング・ナリクの王はセルウェー神を信仰していなければならない。ロイスにはもはや、王位継承権はない!」

コーデリアは続ける。

「だが、ロイスの名前が出ることで、街の治安は乱れる恐れがある。ロイスが本当に城にいるなら、力を持って排除するしかない」

ジョンは難しい話を聞き流し、ノードは何にせよやることは同じだなと思った。

◇◆◇

以上、配信を元にしたリプレイ文でした。
ぜひ、お2人の配信も見てみてください!

元になった配信
水光 あんみつさん
https://www.youtube.com/live/DnJm4PvyKNw?si=qqTnS8cE79DhUx9D

手繰手 仁さん
https://www.youtube.com/live/3VmdrAjEz1U?si=L-8kBfI4aE8Ck5zo

GMを担当しました、寝子でした。

次回↓
時期未定。

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