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【リプレイ】『写身の殺人者』

前回の冒険↓


この文は「ローグライクハーフ」の公式シナリオ『写身の殺人者』(作:ロア・スペイダー、監修:杉本=ヨハネ)のリプレイです。
出てくるキャラ:ヘル、ふぃあ

基本ルール ↓

シナリオ↓
(※現在は公開が終了しています。書籍化したらまた更新します、覚えていたら……)

◇◆◇

ヘル レベル15 魔術師
技量点2 生命点8 魔術点6 従者点7
手1:片手武器(斬撃) 手2:なし 鎧:革鎧
特殊技能:【氷槍】【気絶】【武具創造】
持ち物(MAX8):①聖水、②金貨100枚
故郷カラメールに預けた荷物:軽い武器(打撃)、両手武器(斬撃)、ランタン、金貨100枚
金貨100 食料2
南に行ったり北に行ったり忙しい冒険者。

相棒(動物):ふぃあ
技量点1 生命点8 筋力点4
特殊技能:【かばう】【全力攻撃】【全力防御】
ヘルの相棒。

◇◆◇

「突然だけど家を借りようと思う」
「家はここにゃ、何言ってるにゃ?」
ねこちゃんが頭大丈夫かみたいな目で見てくる。やめて。
「そうなんだけど! なんていうか……こう、ゲーム上の処理……的な?」
「ああ。それなら、家賃として金貨20枚をくれれば荷物を預かるにゃ」
「話が早い!!」
それこそ何を言ってるんだと言われるかと思ったら、あっさり受け入れられた。金貨を20+100枚と木の杖、大剣とランタンを渡す。
「じゃあ……行ってくるね」
「もう行くにゃ? ゆっくりしていくにゃ」
「いやあ……ふぃあがはりきってて」
「ああにゃ。じゃあ、気をつけるにゃよ」
…………。
……回想終わり!
え、今の回想だったのかって? そうだけど?
カラメールを出たあたしとふぃあは、特に理由はないけど北のサン・サレンへ向かった。めちゃくちゃ大移動だ。理由もなく行くような距離じゃない。
サン・サレンにつくと、連続殺人事件のウワサを耳にした。「なんか物騒だなー」と思いながらぶらぶらしていたら、サン・サレンの領主に呼ばれて犯人を捕まえてほしいと頼まれた。正直「なんであたしたち?」と思ったが、黄昏の騎士とセグラスを倒したことと、オウカンワシにさらわれた令嬢を助けたことで知られていたらしい。領主さま、さてはリプレイ読んだね? えりとイイダさんの冒険もオススメですよ。
そんな領主はやせ細り、目の下にひどいクマができていた。彼は要件だけ言うとふらふらと奥へ戻っていった。睡眠薬は体に悪いからハーブ・ティーで誤魔化しているのだと、宮廷医が教えてくれた。あたしが今飲んでいるこれだ。香りは独特だが結構イケる。
写身の殺人者と呼ばれる連続殺人者は、被害者の姿で夢に現れ襲ってくるらしい。領主も自分に殺される夢を見て眠れない日々を過ごしているのだとか。
大変だなあと他人事で依頼を受け、城で護衛をすることになった休憩中。ちょっと仮眠をと思ったら、剣を持った自分に襲われる夢を見た。嘘でしょ、なんであたしまで!?
体を揺すられる感覚に目が覚める。ふぃあが起こしてくれたようだ。
その時、領主の部屋から悲鳴が上がった。部屋の姿見から自分が這い出してきて首を絞められたという。実際、首には手の跡があった。
鏡を調べたが異変はないように思う。他の場所も調べようかと思ったが、宮廷医に処置をするからと追い出されてしまった。
自分も夢を見た以上いつまでも他人事ではいられない。ふぃあは夢は見なかったようだけど、時間の問題かもしれない。聞き込みでもしようと街へ向かった。

◇◆◇

①出目32 自称「殺人鬼」達
街へ向かったつもりだったが道を間違えて廃墟に来てしまった。話し声が聞こえる。
「私が写身の殺人者だ!」
「いいや、私が!」
「何を言う、私こそが!」
なんとなくだけど、そうやって言い争っているのは全部偽物のような気もする。分からないけど。
「きゅぅ〜?(ひそひそ)」
「どうしようね(ひそひそ)」
このまま立ち去るか、彼らから話を聞くか。
屈んでふぃあと話したあと、立ち上がったらふらりとよろけてしまった。柱に頭をぶつけて痛みにうずくまる。顔を上げると3人の自称殺人鬼がこちらを見ていた。
「「「……そうだ……あいつを殺した者が本物だ……」」」
どうしてそうなる!?

第0ラウンド
【防御ロール】 ヘル成功(クリティカル)

3人のうち1人が石を投げてきた。石はこちらに全く届かず、ちょうど中間くらいの場所に落ちた。全員の視線がそいつに向いて、そいつは恥ずかしそうに手で顔を隠した。

第1ラウンド
【攻撃ロール】 ヘル、ふぃあ成功
【防御ロール】 ヘル成功

石を投げたやつは無視して残りの2人を素早く倒す。一応殺してないつもりなんだけど、大丈夫だよね……?

第2ラウンド
【攻撃ロール】 ヘル成功

最後に石を投げたやつを剣の柄で殴り倒して戦闘は終わった。

②出目11 市場
広場まで戻ってこれた。多くの露天商が並んでいて、人も多い。

【魔術ロール】 ヘル成功

カバンに伸びる手を掴む。スリはまだ子供だった。
「あっ!」
「相手は選んだ方がいいよ? まあ、あたしも連続殺人鬼を探すので忙しいからね。今回は見逃してあげるよ」
「お姉さん、写身の殺人者を探しているの? 僕、見たよ。『写身の殺人者だ!』って声が聞こえて見たら、男が窓ガラスを殴ってたんだ。で……そのまま割れた窓に自分から突っ込んで首元をぱっくりさ。窓ガラスの向こうには誰もいなかったよ」
トラウマになりそうな光景だ。
「……キミ、もしかして米花町出身だったりする?」
「???」
メガネもかけていないし、「あれれー?」とも言わないし、違うのは分かっているけどつい思ってしまった。人の死に慣れすぎでは??? この街では普通なのだろうか。写身の殺人者のせい?

手がかり 0→1

③出目22 被害者の家族
被害者の家を訪ねた。事件当時、被害者は奥さんと家にいたらしい。奥さんに話を聞こうと思ったが、彼女は思い出したのか、泣き出してしまった。

【判定ロール】 ヘル成功

「落ちついて。犯人はあたしが捕まえるから。そのためにも、あなたの話を聞かせてほしいの」
彼女は泣きながらも事件当日のことを話してくれた。
被害者はその日、2階の寝室で休んでいたらしい。彼女が薬を買って家に帰ると、「やめろ! 窓を開けるな!」と被害者の声が聞こえたという。急いで寝室に入ろうとしたが鍵がかかっており、こじ開けて入る頃には被害者は既に窓から落ちてしまっていた。しかし部屋には誰もいなかったとのことだ。
犯人は窓から出て行ったのだろうか? うーん……。
そこまで話した奥さんは、綺麗な髪留めを渡してくれた。
「主人がくれたものです……どうか、これで仇を……」
「えっ、あっ!? でも大事なものなんじゃ……」
そんな大事なものをもらわなくたって、こっちはやる気満々なのだが。解決したら返しに行こうと決めて、一旦預かることにした。正直、調査中に何かあって壊れてしまうのが怖いのだが……。

髪留め(金貨5枚)

手がかり 1→2

④中間イベント
次は路地裏を捜査してみる。スリの少年が見たというのはどこなんだろう。もっとちゃんと聞いておけばよかった。
突然、水たまりに写った自分が不気味に笑った。そしてそこからあたしと同じ姿のナニカが這い出てくる。
「きゅっ!?」
声に振り返ると、窓ガラスから、ふぃあのようなナニカが出てくるところだった。あ、自分のことでいっぱいいっぱいだったけど、ふぃあもいます。
もう1人のボク、いや、あたしが武器を構える。戦闘は避けられない……!

第1ラウンド
【攻撃ロール】 ヘル成功、ふぃあ成功(クリティカル)

あたしたちのニセモノ、姿は同じだが動きはまだまだのようだ。ふぃあとのコンビネーションも、こちらの方がずっと上だ!
「ふぃあ!」
「きゅっ!!」
あっという間に片づけた。ニセモノの体は崩れて消えた。……消えた!? 幻だったのだろうか……。
「……きゅ?」
ふぃあも感じたらしい。この独特の香りは覚えがある……。

⑤出目31 ごろつき
路地裏から出ようとした時、刃物を持った6人の男に道をふさがれた。ニヤニヤと笑みを浮かべている。
見た目で判断するのもいけないかと思い、少し様子を見ることにした。
「何か用?」

反応 中立

「用っていうか、な」
「女の子がこんな路地裏にいたら危ないぜぇ?」
「連続殺人犯がその辺にいるかもしれないからなあ」
「ま、俺らは違うけどな!」
「「がはははは」」
「……」
善意で忠告してくれているのだろう。誤解を招くので刃物はしまっておいた方がいいと思う。いや、彼らもあたしが殺人鬼じゃないか不安だったのかもしれない。
「ありがと。あなたたちも気をつけてね」
「おう」
「じゃあなぁ」
すれ違う時に襲われないかと警戒したが、本当にただの善意だったらしい。何もされなかった。

⑥出目23 教会
教会を訪れたが、連続殺人事件のせいでバタバタしている。
連続殺人の被害者の死体を検分したいと頼んだが、葬式の予約待ちで司祭は忙しいと言われてしまった。死体を見れば何か分かるかもしれないと思ったのだが……。
「……これで何とかならない?」
そっと金貨を10枚渡す。
「……分かりました、こちらにどうぞ」
話の分かる人でよかった。
墓を掘り起こし、裏路地で殺された被害者の死体を検分できた。死ぬ直前に「自分と同じ顔の奴が、愛用のナイフを奪って何度も刺してきた」と言ったらしい。たしかに体は傷だらけだが、腕や手は綺麗だった。防御を全くしなかったなんてことは あるだろうか?

手がかり 2→3

⑦出目33 石像カマキリ
広場に戻ってきた。露天商から少し離れたところに、サン・サレンの名産品であるドルツ石で作られた石像が並んでいる。女神やドラゴンに並んで、財宝の山に立つ大きなカマキリの像があった。思わず立ち止まる。

【魔術ロール】 ヘル成功

あたしはコイツの正体を知っている。これは石像に擬態するカマキリだ。
「きゅうぅ……!」
ふぃあも威嚇している。残念ながら、ふぃあの威嚇はまるで怖くない。むしろ可愛い。でもショックを受けるといけないから黙っておく。
あたしたちが気づいていることに気づいたのだろう。石像カマキリはゆっくりと動き出した。

第0ラウンド
【氷槍】 ヘル成功

まだ距離があるうちに【氷槍】の呪文を唱える。氷が命中し、石像カマキリは一瞬動きを止めた。

第1ラウンド
【攻撃ロール】 ヘル成功(クリティカル)、成功

その隙をついて素早く斬りかかる。石のようなのは模様だけなので、剣でも難なく倒せた。
石像カマキリの足元にあった財宝は本物のようだが、勝手に持っていくのもどうなのだろう。でも、あたしが持っていかなくても誰かが持っていくんだろうな。
「きゅきゅい!」
ふぃあが何かを見つけたようだ。

氷結液

⑧最終イベント
「ちょっといいですかい?」
突然声をかけられた。彼はアグピレオの薬局で働いているらしい。アグピレオって誰だっけと一瞬思ったけれど、宮廷医のことだった。そのアグピレオが呼んでいるから薬局まで来てほしいと言われた。言われるがままに薬局の、その奥の工房まで行くと、アグピレオが縛られて転がっていた。
「えっ!? なになに、なんで──」

【防御ロール】 ヘル成功

「きゅういっ!」
「……!!」
ふぃあの声で下働きの男の攻撃を避けることができた。
「いきなり何すんの!?」
「きゅっ! ……きゅきゅういっ」
ふぃあに「とりあえずその人を助けてあげて」と言われてアグピレオを解放する。
男は入口に鍵をかけ、自分が犯人だと言った。
「殺しに来た俺を、薬の効果で自分だと間違えて……ひゃははっ」
懐から取り出した薬を飲んで、だいぶ愉快に素敵にキマっている。
「邪魔をするなら……オレ……オマエ……コロス!」
飲んだ薬の効果なのか、男の筋肉が膨れ上がる。そして、近くの棚を引きちぎった!

第0ラウンド
【防御ロール】 ヘル失敗(ファンブル)、ふぃあ【かばう】成功、ふぃあ成功

男が引きちぎった棚を投げてくる。予想外の展開に棒立ちになってしまったあたしを、ふぃあがかばってくれた。投げられた棚を、短いあんよで蹴り飛ばす。ふぃあ、そんなことできるの!?
「ぐあっ!?」
声のする方を見ると、アグピレオが近くに落ちていた薬研を投げつけたようだった。男は痛みに悶えている。今がチャンスだ!

第1ラウンド
【攻撃ロール】 ヘル、ふぃあ成功

あたしたちの攻撃を受け、男は倒れた。殺すつもりはなかったのだけど、勢い余って死なせてしまった。手加減するのは難しい……。
その後、あたしたちは詳しい状況の聞き取りを受けることに、アグピレオは犯人の死体を検死することになった。

──────

……えー。ここで、突然の作者です。
ここまで書いたのはいいのですが、続きのメモが消し飛びまして。
もったいないので このまま出しますが、めちゃくちゃ中途半端で申し訳ない……。
クリアはしました。はい。記録は残っていないけど……。
あの、その……。
……次回もお楽しみに!!!(ヤケクソ)


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