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【リプレイ】『仮面のウサギを追え!』

この文は「ローグライクハーフ」の自作シナリオ『仮面のウサギを追え!』(作:寝子)のリプレイです。
出てくるキャラ:えり


基本ルール ↓

シナリオ↓

◇◆◇

水無月えり レベル10 僧侶
技量点1 生命点8 幸運点6 従者点7
手1:片手武器(打撃) 手2:木盾 鎧:鎖鎧
特殊技能:【防衛】【そらし】【祝福】
持ち物(MAX8):①ランタン
金貨3 食料2
戦い慣れていない駆けだし冒険者。
料理が好きだが、つい作りすぎてしまう。
たまたま通りがかったイイダさんに食べさせたところ、気に入られた。

相棒(動物):イイダ(E)
技量点1 生命点8 筋力点4
手1、手2、鎧:なし
特殊技能:【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
大柄なノウサギ(または小柄なダイオウウサギ)。
「俺の名は『E』だ」と名乗ったところ「イイダさん?」と勘違いされてしまった。

◇◆◇

読者の皆さん、こんにちは。水無月えりです。
……いきなり「読者」とか言うな? すみません。他の主人公と差別化したくて……。
私は今、ナンカアの森のすぐ近くの街にいます。……変な名前とか言わないでください。古代の言葉で何かしらの意味があるんじゃないかと言われているんです。ないかもしれませんけど。
街にひどく焦った様子の女性がいたので(イイダさんが)声をかけたところ、泣きそうになりながら、仮面のウサギに大事なものを盗まれてしまったと教えてくれました。最近、仮面のウサギに物を盗まれたという話をよく聞きます。キラキラ光る物は狙われやすいとか。女性のペンダントにも綺麗な石がついていたそうです。
「大切な人にもらった宝物なの! お礼はするから、探すのを手伝ってくれない!?」
困っている人を見捨てることはできません。というか、ここまで話を聞いておいて何もせず立ち去ることは私にはできません。元々断ることは苦手なのです。
仮面ウサギは森の方へ逃げたというので、ナンカアの森に入って探すことにしました。

森の中は少し暗いけれど、昼間なので周りは見えます。これが夜だったら、きっとランタンが必要だったことでしょう。

①出目32 トノサマウサギ
茂みから、服を着たウサギが3匹のノウサギを引き連れて現れました。服を着たウサギにはちょんまげのようなツノが生えています。
「ありゃあトノサマウサギだな」
イイダさんが小声で教えてくれました。

反応→【敵対的】

トノサマウサギは不機嫌そうな顔をしました。ひそひそ話が気に入らなかったのかもしれません。
「じろじろと見るでない! 不愉快ぢゃ!」
トノサマウサギが前足を振ると、周囲のノウサギが一斉に襲ってきました。
「来るぜ、嬢ちゃん!」
「えっ、あっ!?」

第0ラウンド
えり【防衛】 幸運点6→5

杖を握りしめて祈ります。イイダさんをお守りください……!

第1ラウンド
【防御ロール】 全て成功
【攻撃ロール】 えり:クリティカル、成功 イイダさん:成功

「ごめんなさいっ!!」
襲ってきた1匹を杖で叩くと、後ろにいたもう1匹にぶつかって2匹とも目を回して倒れました。
イイダさんもうまく倒せたみたいです。
「なんぢゃと!?」
トノサマウサギは信じられないというように目を丸くしています。正直私も同じ気持ちです。

第2ラウンド
【防御ロール】 成功
【攻撃ロール】 えり:失敗 イイダさん:成功

第3ラウンド
【防御ロール】 失敗(かばう成功)
【攻撃ロール】 えり:失敗 イイダさん:成功

トノサマウサギがツノを突き出して突進してきます。
怯んでしまった私に代わって、イイダさんが体当たりしてくれました。トノサマウサギは目を覚ましたノウサギたちを連れて逃げていきました。
「おい、嬢ちゃん」
イイダさんが前足で手招きします。
「見ろよ、綺麗だぜ」
金色に輝く四葉のクローバーが落ちていました。持っていると運気が上がりそうです。

②出目21 ヒメノウサギ
4匹の小さなノウサギ──ヒメノウサギが戯れています。

反応→【劣勢なら逃走】

ヒメノウサギたちはこちら(特にイイダさん)を見ると、慌てて逃げていきました。
「……いじめちゃだめですよ」
「俺ぁ何もしてないぜ!?」
ヒメノウサギたちがいたところには小さな宝石が落ちています。
「持っていこうぜ」
「これじゃあ脅して奪い取ったみたいじゃないですか」
「違ぇよ、もしまた会ったら返してやれるだろ? ……また逃げられるかもしれないが」
取り敢えず拾っておきます。

③出目23 ティモスィ
「……おっ」
不意にイイダさんが立ち止まりました。
「こいつはティモスィだ。ウサギ族はみんなこれが大好きなのさ。……好みだから例外はあるだろうが」
「ヒメノウサギさんたちも好きでしょうか」
「たしかに、持っていけば心を開いてくれるかもしれないな」
生えている草を少し持っていくことにしました。

④中間イベント
魔女のような帽子を被った黒いウサギが寝ています。
「あれはヨルウサギだ……寝起きは機嫌が悪いことで有名だから、なるべく起こすなよ」
「はい……」
静かに通り過ぎようとしていると、足元の小石を蹴飛ばしてしまいました。
「あ……っ!!」
小石はヨルウサギには当たりませんでしたが、私の声が思いのほか大きく、ヨルウサギは目を覚ましてしまいました……。
「……ヨル起こすの、だれ」
「あわわわ……」
「ヨル起こすの、おまえか?」
「すみません、わざとではないんです!!」
「おまえ、こえ、うるさい!」
ヨルウサギは呪文を唱え始めました。

第0ラウンド
えり【防衛】 幸運点5→4
【対魔法ロール】 成功

第1ラウンド
【攻撃ロール】 えり:クリティカル、失敗 イイダさん:失敗
【対魔法ロール】 えり:成功 イイダさん:ファンブル

氷の塊をギリギリで避けます。
「いって!!」
「イイダさん!!」
「平気だ、嬢ちゃん! 気にすんな!」

第2ラウンド
【攻撃ロール】 全て成功
【防御ロール】 全て成功

第3ラウンド
【攻撃ロール】 えり:失敗 イイダさん:成功
【防御ロール】 全て成功

第4ラウンド
【攻撃ロール】 成功

ヨルウサギはまだ少し寝ぼけているようで、時折木に向かって体当たりを仕掛けるので避けるのは案外簡単でした。
最後に杖で叩くと、ヨルウサギは「ヨルは寝る……もう起こすな」と言って木の下に移動しました。
「やったな」
「そうだ、イイダさ──」
「しっ。取り敢えず移動しようぜ」
ヨルウサギから離れたところでイイダさんに「怪我の具合は」と聞くと、「大したことはねえよ。嬢ちゃんは心配性だな」と笑われました。
「でも……」
「大丈夫だから。先に進もうぜ」

⑤出目33 ドロドロ小道
道はだんだん水っぽくぬかるんできました。

【器用ロール】 成功

「足元気をつけろよ。若い娘さんは泥まみれになるの嫌だろ」
「イイダさんは」
「俺はウサギだからよ。構わねえよ」
私よりもイイダさんの方が気になります。おなかまで泥がついていますが平気なのでしょうか……。

⑥出目31 ビリウサギ
泥の小道を抜けると、どこからかバチバチと音がします。
「なんでしょう……」
音のする方を覗き込むと、薄黄色のウサギたちと目が合いました。数秒の後、彼らはこちらに突っ込んできます!
「ティモスィ出せ!!!」
イイダさんの声にハッとなり、慌ててティモスィを突き出しました。
「っ!?」
ウサギたちは突然動きを止めました。
「投げろ!!」
言われるがまま、ウサギたちに向かってティモスィを投げつけます。彼らは私たちへの興味を失ったようで、一心不乱にティモスィを食べ始めました。急いでその場を離れます。
「びっくりしました……」
「あれはビリウサギ。縄張り意識が強いから気をつけろ」
「すみません……」
「まあ、知らなかったなら仕方ねえわな」

⑦出目11 職人ウサギ
ハチマキを巻いたウサギが4匹います。店を開いているようです。

反応→【友好的】

「おう。見ていくかい?」
「お客さん、いいところに! ただ今セール中なんですよ! この丸盾とかどうです? 通常価格金貨15枚のところ、今ならお姉さんの木盾をくれれば金貨5枚で売りますよ!」
「えっ……!?」
新しい盾を売ってくれるだけでなく、いらなくなった古い盾を回収してくれるなんて!
「買います……!!」
「はいよ!」

⑧最終イベント
森の奥まで来ました。なんとなく嫌な感じがします。誰かに見られているような……。

【器用ロール】 失敗

視界の端で何かが動いたと思ったら、目の前に仮面をつけたウサギがいました。その前足には私が持っていたはずの宝石が! 恐ろしい早業で盗まれてしまいました。
「返してください!! 宝石はともかく、ペンダントを!!!」
「話し合いでどうこうできると思うな嬢ちゃん! やるぜ!!」

第1ラウンド
【攻撃ロール】 えり:ファンブル イイダさん:成功
【防御ロール】 ファンブル(かばう失敗)

私の攻撃はまるで当たらず、それどころか反撃をくらってしまいました。
「嬢ちゃん!!」
「私のことはいいので、イイダさんは攻撃を!」

第2ラウンド
【攻撃ロール】 えり:成功 イイダさん:クリティカル、成功

私たちの攻撃を受けた仮面ウサギはばたりと倒れました。さっき盗まれた宝石と、水色の石がついたペンダントがその場に落ちます。仮面ウサギは最後の力を振り絞り、よろよろと逃げていきました。
「逃がしちまったな」
「取り敢えず依頼は達成したわけですし。戻りましょう」

街まで戻り、女性にペンダントを渡します。彼女はぱあっと笑顔になりました。
「本当にありがとう!! これはお礼ね」
彼女がくれた袋には金貨がたくさん入っています。30枚くらいありそうです。
「こんなに!?」
「いいのいいの! ペンダントに比べればずっと安いし。これはどれだけお金を出してでも取り返したかったから。……もっと欲しい?」
首を横にぶんぶん振ります。
「嬢ちゃんは欲がねえなあw」
「とにかくありがとう!」
無事に依頼を達成できてほっとしました。
振り返ると私、全然攻撃を当てられていないような……?
……。
後方支援型なんですようんうん!!

◇◆◇

報酬
黄金の四葉(トノサマウサギ) ヨルウサギの【氷槍】に対する【対魔法ロール】で2回使用、消失。

小さな宝石(金貨15枚分の価値)(ヒメノウサギ) 冒険終了後、売却。

金貨11枚(ヨルウサギ)

金貨30枚(依頼報酬)

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