『十三機兵防衛圏』の終わりが見えたので今の気持ちを述べておく

ようやく『十三機兵防衛圏』が終盤に差し掛かった。現在85%ほど。追憶編の未クリアは残り二人となった。
物語の結末まで残りわずかと思うと名残惜しく思う。だがそれ以上にプレイ開始した直後に感じたあの感覚は決して間違いではなかったんだと思うと、自分の直感を褒めてやりたくなる。
あの「絶対計算したコストの掛け方をしてない。最初からこのレベルを出してくるゲームにコスト管理の意識があってたまるか」という感覚は正しかったんだぞと。

『十三機兵防衛圏』はおかしい。全てにおいておかしい。
ゲームとして面白いのはもちろんそうだし、物語自体もゲーム以外では到底不可能な切り口で当然面白いのだが、素材一つ一つにかけられたコストが段違いなのだ。そしておそらくだが、それは管理されたものではない。制御もこれも憶測だがされていない。
「自分が満足できるまでやった」とかではない。「ゲームデザインから要求される品質水準が誰も分かってないので、『一応の完成』がなく、見た人の大半が満足するレベルまで作り込んでしまった」とかそういうレベルの代物である。そのおかげで動き1つ1つがもう面白いし、絶対他で使わないだろうアニメも多い。「一点物の展示会じゃねぇんだぞ!」と何回叫んだかわからない。
レイアウトも意図的に一枚絵のような決まったようにしないことで、プレイヤーに歩かせて「このシーンで見せたいものを見せていく」みたいなことをやっているのだが、序盤から終盤までずっとこの調子なのだ。
「なぜこのゲームが完成したのか分からない」「再現性皆無。このゲームと同じ作り方をするのは無理」「このゲームの全体像を把握している人間、このゲームの規模の割に一人ぐらいじゃないの」と何回言ったか分からない。
もはや執念である。「何が何でも完成させてみせる」という執念の産物である。
このゲームが完成したことはそれ自体が奇跡と呼んでも良い。
問題は本作が「完成した」と言う奇跡に留まらずあらゆるものが密接に絡み合い、時に並走しながら『十三機兵防衛圏』という極上のゲーム体験を作り出している事で、これはもうやらないこと自体が損失と言えるのではないかとすら思う。ごめんなさい。PS4版を買ったまま積んでました。Switch版でようやくプレイして、このゲームの真価に気づけたので許してください。

そんなわけで残り数話なので最後までしっかりとプレイしたい。
『ゼノブレイド3』にはどうにか間に合った……。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。