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フランシュシュがリベンジを果たした日

2月27日に『ゾンビランドサガ』のライブイベント「ゾンビランドサガLIVE~フランシュシュ LIVE OF THE DEAD “R”~」が開催されました。
前回のライブ開催が2019年7月のことなので、1年半ぶりぐらいですね。今回こそは現地!といきたかったのですが、ちょっと事情があって現地参加は出来ず……。
ただここ最近のライブイベントらしく有料配信(アーカイブあり)が行われていたので、そちらで見ていたのですが、素晴らしかったですね。
1stライブよりも佐賀凱旋が、佐賀凱旋よりも今回の方が断然良い。
ダンスも揃っているし、声の伸びも良く、ところどころで振りから外れてキャラクターらしさを出す部分もあって見ていて本当に楽しかった。「佐賀事変」や「輝いて」といったアルバム収録曲もある。
「To my Dearest」はピアノ版で終わってからフランシュシュ版につなぐことで、「出会わせてくれてありがとう」の意味合いが「フランシュシュとの出会い」のようにも感じられるのが本当に素晴らしくて、アーカイブで見ても良かったんですが、特に良かったのは全体を通して「リベンジ!」という気持ちを出してきたことですね。

ライブ開催のリベンジ

そもそも。
今回のライブは2020年3月7日に開催される予定だったものなんですよ。
会場は幕張メッセが設定され、フランシュシュ単独としては一番大きく、一番大勢の人達の声援を浴びながらライブをやる予定だった。
しかしながら2月末に新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令を受けて、ライブはほぼ同時期に開催を予定していた舞台「ゾンビランドサガ Stage de ドーン!」共々開催自粛に。
幕張メッセで『ゾンビランドサガ』のライブ!の夢は儚く散ることとなり、現地参加の予定だった私は「仕方がない」と自分に言い聞かせ、時間が無念さを癒やしてくれることに期待するしかありませんでした。

それから約一年ほど過ぎて。
2021年1月1日に『ゾンビランドサガリベンジ』が4月より放送開始の発表。続けて翌日1月2日にはライブの開催が告知。そのライブ名が「リベンジ」の「R」をつけた「ゾンビランドサガLIVE~フランシュシュ LIVE OF THE DEAD “R”~」となることも合わせて発表されました。

このようにしてリベンジまでの道筋はしっかりと準備されたわけなのですが、ただ私があの時の無念さに「リベンジ」出来るかどうかについてはライブが始まるまでは分かりませんでした。
なぜなら、今と「開催予定だった頃」とではあまりにも事情が違うから。
「見る」と決めていたものだし楽しみにしていたけれど、あの時の無念さに「リベンジ」を突きつけられるかどうかは本当に分からない。出来ないかもしれない事を考えると不安だったのですが、今回のライブの演出はまさにその「リベンジ」に焦点を当てていて無念さを吹き飛ばしてくれました。
特に素晴らしかったのは合間に挿入されたドキュメンタリー風動画ですね。
フランシュシュとしてステージに立つ6人に「ライブが中止になったこと」「キャラクターとしてステージに立ってパフォーマンスをすること」「今回のライブに対する意気込み」を尋ねる事で、「キャストも中止になった事を悲しみ、無念に思っていたんだ!」と共感することが出来ましたし、ライブに対する意気込みもまさしく「リベンジ」で。
そこでキャストとファンの思いを一つに束ねてからの源さくら役本渡楓の無音で溜めてからの「蘇れ!」から始まる「ヨミガエレ」は、あの無念さも後悔も中止になった悲しみも吹き飛ぶような凄いパワーがあった。

あれを見ることが出来ただけで、今回のライブを見た意味があったとすら思いました。

ゾンビランドサガから、ゾンビランドサガリベンジへの道

また今回のライブは『ゾンビランドサガリベンジ』への弾みをつけてくれたイベントだったんじゃないでしょうか。
一期の放送開始は2018年10月で1stライブは2019年3月、佐賀凱旋ライブと二期である『ゾンビランドサガ』の制作決定発表が2019年7月の出来事なので、ライブ中止によって『ゾンビランドサガリベンジ』の表立っての大きな動きは一年以上停滞していたことになる。
水面下で色々動いていたことは間違いありません。
でなければ、でんぱ組.incとのコラボ楽曲が制作されたことも、今回のライブも、4月からの放送開始も、あの激動としか言いようがない一年間の中で準備することは出来なかったでしょう。
ただ一期終了後から二期である『リベンジ』への流れってやっぱりライブ中止で一旦途切れちゃっている。
その流れをつなぎ直すようなものが必要だったと思うのです。

「ヨミガエレ」の後はそんな「流れ」を繋ぎ直し、二期への期待をふくらませるような熱いライブでした。
特に二期EDの初披露は熱かったですね。
今回披露されたのはEDに使用されるショート版ですが、「二期のOPとEDはこういうタイトルだよ」ということを発表してからの披露ですからね。「これが合う作品になる」という事を最初に見せられたので、もう期待を持たざるを得ないですよ。
80年代から90年代ぐらいまでのアイドルソング風サウンドの「夢を手に、戻れる場所もない日々を」が合う作品だと思える日が待ち遠しいです。
OPの「大河よ共に泣いてくれ」もね。種田梨沙が「クソかっこいい」というのも分かる。

今回のMVP

今回特に良かったのは座長でもある源さくら役本渡楓でしょうか。
彼女がフランシュシュの中心にいる存在として自覚し続けてくれたから「ヨミガエレ」の歌い出しも綺麗に嵌ったし、ライブ全体も安定感と安心感に溢れていたと思いました。
また二階堂サキ役の田野アサミは「精神的支柱」として凄かったですね。
『ゾンビランドサガ』ではキャラクターのパフォーマンスは可能な限り再現されるものですが、「ダンスとキャラ表現の両立」って難しいことで。そこで悩んでいるメンバーに「全く同じでなくていい」「私だったらこうする」と自分の中に落とし込むやり方をアドバイスしている話は、今回のライブでもされていましたが、ところどころでちゃんと二階堂サキらしいパフォーマンスをしているのが本当にリーダーだな!と思いましたね。
またゆうぎり役の衣川里佳さんはライブ冒頭の「佐賀事変」での堂々としたパフォーマンスと、最後の捌けていく時のゆうぎり姐さんらしい挨拶が良かったですね。

個人的には紺野純子役の河瀬茉希が髪も染めて、見た目から純子に寄せに行ったところや、二度のライブ経験も経て「昭和の伝説のアイドル」らしいパフォーマンスになってたのが好きでしたね……。

余談ですが、冒頭のメンバー紹介の巽(宮野真守)がただのプロレスのレスラー入場アナウンスのパロディで死ぬほど笑いました。

リベンジのその先へ

今回のライブはこれからリベンジに挑もうとしている『ゾンビランドサガ』らしいライブだったんじゃないでしょうか。
昨年出来なかったライブのリベンジを果たしつつ、『ゾンビランドサガリベンジ』へとバトンを繋いだ。その中にちゃんと「ここでしか見れないもの」もあって満足度が非常に高かったです。本当に見てよかった。
ただここまで「リベンジ」を語られてしまうと、もう次を期待したくなるのもやむを得ないことでしょう。
まだでんぱ組とのコラボ楽曲とか、旧アイアンフリルとか、二期のOPやEDは今回のライブでやってないわけですし、リベンジのその先にそれらの楽曲が登場するライブがあるのなら、私はそれを見てみたい。
二期まであと一ヶ月。長いようで一瞬だと思いますが、リベンジのその先に広がる景色のために生きたいですね。

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。