見出し画像

『ウマ娘プリティーダービー』の育成シナリオで面白かったものについて

『ウマ娘プリティーダービー』を黙々とやり続けております。
「うまぴょい伝説」を見るのは、変なことやよっぽどの下振れをしなければ達成可能な状態となっているため、本当に「強いウマ娘を作る」ということだけが目標です。レジェンドレースも負けなしでここまでやってまいりました。
これだけ育成をやっていると今手持ちのウマ娘は一通りのシナリオを読み終わっている状態なので、面白かったものを書いておきます。

「最強のライバルであり続けるために」ビワハヤヒデ

『ウマ娘』二期では約一年ぶりにレースに出走するトウカイテイオーと一着争いを繰り広げ、(あと刃牙パロを唐突に始めた)ビワハヤヒデのシナリオですが、こちらは大方の予想通り、妹であるナリタブライアンとの関係性に焦点を当てた物語となっておりました。
面白かったのは、視点をビワハヤヒデに寄せ切っている点。
これは『ウマ娘』が「ウマ娘とトレーナーが二人三脚で歩んでいく」を基本コンセプトとしているためですが、その結果「ビワハヤヒデのストイックさの根底にあるもの」が想像よりも遥かに面白くて、びっくりしました。
端的に言えば、ビワハヤヒデにとってのナリタブライアンとは「よく出来た妹」なんですね。
だからビワハヤヒデは「妹の最大のライバルでありたい」と思っているし、その生き方で最後まで駆け抜けることになるという……。
エピローグではナリタブライアンからの視点が補完され、ナリタブライアンが引きたくなるので早くナリタブライアンを実装してください。

「運命のその先へ」ライスシャワー

ライスシャワーは「誰にも愛されないと思っていた少女が、仲間やトレーナーと一緒に走り続けることで周囲に認められ、皆のヒーローになる」という物語の筋がまず好きでしたね。
アニメではミホノブルボンの言葉を胸にメジロマックイーンを破って「いつかは愛される」と希望を持った終わり方をして、メインストーリーではそのメジロマックイーンに「勝者にしか見ることが許されない景色」を教えられたライスシャワーでしたが、育成シナリオだとミホノブルボンだけでなくハルウララも登場し、トレーナーも含めた体制になることで懸命に走る姿がより一層熱く感じられました。

また史実との折り合いの付け方も上手でしたね。
史実では95年の宝塚記念は阪神淡路大震災の影響により京都レース場での開催となり、そのレース途中に起きた転倒により骨折したライスシャワーはその場で……という「非業の死」としか言いようがない運命をたどりますが、育成シナリオだと「やむを得ないトラブルにより宝塚記念の開催は危ぶまれるも、ライスシャワーの意志によって京都レース場での開催となる」という展開となります。
これはつまり「非業の死を迎えた宝塚記念にライスシャワーが挑む」という構図になるわけですが、同時にライスシャワーの意志を介在させることにより「彼女自身の成長」を描くことにも成功している点も面白さを際立たせていたなぁと思います。

余談ですが、ライスシャワーのシナリオを読むたびに「守護らねば」と『刃牙』の本部以蔵が湧き上がります。守護らねばならないんですよ、ライスシャワーは。

ゴールドシップの奇天烈な冒険

競馬好きの友人からも「やる気になれば強い」「面白いエピソードは正直多すぎる」という言葉を多く頂いているゴールドシップですが、育成シナリオは他のウマ娘とは違って「ゴールドシップをどう扱うのか」という点が重要視されていたように思います。
ここでの「どう扱うのか」というのは「作劇上の注意点」という制作側のお話だけではありません。実際に読むことができるシナリオにおいても「ゴールドシップをどのようにして扱い、やる気になってもらうのか」が重要視されているのです。
他のウマ娘達は「夢を追いかける姿を隣で見ていく」なのに!ゴールドシップは「ゴルシにも頑張ってほしいから、何とかせねば」なのはどういうこと!?

そういうシナリオなので、ゴールドシップだけサイゲームスの奇天烈な部分が存分に発揮されていたように思いました。
立ちはだかるライバル達もゴールドシップにとにかくやる気になってもらうために色々考えながら動いているようですし、周辺人物たちもそうでした。そんな周囲の思惑に乗せられる形で突き進んでいくゴールドシップと、それに振り回されるトレーナー。
ああうん。コメディ。コメディですね、これ。なんかもう凄い。
ゴルシの快進撃に付き合うことで振り回されていたら、「なんか色々あったけど楽しかったな」で終わる辺りとか本当に凄いと思います。なんか一話完結の30分アニメみたいな感じでした。

結びに

『ウマ娘』には現在「帝王」「女帝」「皇帝」「覇王」と呼ばれたウマ娘達が実装されていますが、この辺りの描き分けも面白いところですね。
それぞれ違う王者の風格を感じさせるシナリオになっているので、意識して読んでみると面白いかもしれませんね。
明日からはナリタタイシンの実装が行われますが、彼女の物語になるのか楽しみですね。
またメインストーリーも実装されるのでこちらも期待しておきましょう。
ウイニングチケット、絶対面白いんですよね……。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。