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似た者同士の一人と一人が、一緒に夢へと走り出す瞬間『ラブライブ!スーパースター!!』

『ラブライブ!スーパースター!!』2nd Season四話が放送されました。
前回で新生Liella!の本格始動が終わりましたが、今回は今回で米女メイと若菜四季の加入と大きなイベントが用意されていて、「どこまでいくのだろう」と期待させてくれる一話でしたね。
同時にここまでの話でも一番一話でガツンとやられる一話でもあり、控えめに言って最高の一話だった気がします。

「誰が部長をやる?」と一期生二人の加入

今回は良かった点の前に凄かった点の話をするんですが、今回は「スクールアイドル部の部長は誰がやるの?」という話と「米女メイと若菜四季のスクールアイドル部加入」という作品全体に関わる大きなイベントを巧みに接続し、どちらも美しく昇華していた点が凄かったですね。
この二つの話って全然関係ない話じゃないですか。
「部長は誰がやるの?」はスクールアイドル部内の話で、「米女メイと若菜四季がスクールアイドル部に入る」は二人の内心の話。この二つを接続する事は普通なら出来なくはないですが、かなりの力技で無理矢理さ加減で全体をいびつなものにしていたはず。
しかし今回の四話はそんなことはなかった。
そんないびつな部分が見つからない、「美しい」とすら感じる物語になったのは、嵐千砂都を置いて「嵐千砂都と澁谷かのんの幼少期の話」と重ね、「自分の気持ちに適当な理由をつけても、自分の気持ちを誤魔化すだけ。だからできるかどうか分からなくてもやってみる事が大事」という経験を語り、「部長」という初めての役職に挑戦する姿を見せることで、二人の心に訴えかける話にしていたからでしょう。
嵐千砂都も「澁谷かのんが凄すぎて、自分はかのんみたいに凄いことは出来ない」と思いこんでいた時期があったし、澁谷かのんも「自分は嵐千砂都みたいに、自分のやってきた事に自信を持てない」と考えていた時期がありましたからね。
その自分で自分を慰めるような行為を嵐千砂都達が脱却できたのは、自分の本心に素直になったからこそでしょう。「やってみたい」と思ったからでしょう。
今回の嵐千砂都の部長就任はその延長線にある。
「理由をつけてやらない」ではなく「やってみたいからやってみる」。
それを実践する姿を後輩達に見せるために嵐千砂都は部長になったんですよ。そしてその姿を見たからこそ、米女メイも若菜四季も自分の本心に向き合うことになった。
だから二人が自分の本心に向き合って出した答えが美しいんですよね。
アイドルらしい笑顔ではないかもしれないですが、とびきり輝いて見える。

似た者同士

で、今回良かった話ですが、やっぱり米女メイと若菜四季を「似た者同士」にしていたことですね。
口調が荒っぽく「スクールアイドルが大好きだけど、その事を他人に知られたくない」という米女メイと、感情の抑揚があまり感じられない喋り方で他人にさほど興味はなさそうな若菜四季。
一見すると全く性格が噛み合わなそうな二人ですが、「本当にやりたいことがあるのに、適当な理由を作り上げて無理矢理抑え込む」と言う意味では同じでした。
「一人の方が気楽だから」と思い込み、「自分を抑え込むぐらいなら孤独が良い」と言い聞かせ、一人と一人は互いを意識して惹かれ合いながら過ごす中学生時代。
本当は皆の輪の中に入って楽しみたいのに。
そう出来ない自分の本当の気持ちを偽り、これでいいんだと納得させていた若菜四季と米女メイでしたが、澁谷かのんの言葉や嵐千砂都の姿を見て少しづつ変わっていきます。
「私がやりたいことは? 本当に『出来ない』『向いてない』で逃げていていいの? 運動が苦手って言ってる桜小路きな子も頑張っているのに?」
そんな二人が自分達の中にある本当の気持ちを見つけ合い、確かめ合い、「やってみたい。向いてるかどうかじゃなくて、やりたいからやるんだ」と入部を決意するシーンは凄く良かったと思うんですよ。
今までは「一人と一人」「隣にいるけど孤独」だったけど、これからは「かけがえのない貴方と一緒に」。
あの手を繋ぐシーンは、そんな「隣に立って、一緒に輝きたい人の感触」を確かめるシーンとして本当に良かった。妙に気合が入ってましたが、ここで気合を入れないとどこで気合を入れるんだ!というぐらい、二人にとっては大事な描写なので、ここでキメてくれたのは最高でした。

結びに

そういえば今回のエピソードは、一話から三話までで一期生の課題として立ち上がっていた「後輩にどういう姿を見せていくのか」ということの一つの答えでもあったんですよね。
澁谷かのん達にはお手本にする先輩達がいません。スクールアイドルとしてお手本にできるような先輩もいません。だから自分達で一つ一つ答えを見つけて、後輩達に見せていくしかない。
嵐千砂都の行動はまさにそういうものでした。その姿を見たからこそ、四季も心が動かされたところもあるんだと思います。
さて四話が終わって二期生で加入していないのはCEOこと鬼塚夏美だけになりました。これまでのエピソードでもちょこちょこと描かれてきた彼女がどうやってスクールアイドルになるのか楽しみですね。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。