プリキュアシリーズの大人向け施策についての雑感。

プリキュアシリーズがシリーズ20周年を記念した大人向け施策として、2007年と2008年に展開した『Yes!プリキュア5』『Yes!プリキュア 5GoGo!』の続編となる『キボウノチカラ~オトナプリキュア‘23~』と、2016年に展開した『魔法つかいプリキュア!』の続編『魔法つかいプリキュア!2(仮)』を10月より展開することを発表した。

個人的な感想としては「やっぱりやるんだ。そうですよね」が最初に出た。
それは予想外の一手でも面白い一手でもなく「無難な一手」を見せられた時のもので、「次の手と相手の出方次第で生きるも死ぬも変わるなぁ」としか言葉が出てこなかった。
シリーズとしては初めての試みなのに、なぜそんな平熱と変わらない温度の言葉しか出てこなかったのかというと、プリキュアシリーズ自体がここ数年売上的には「良好」とは言い難い結果が続いているからだ。
バンダイナムコホールディングスが公開している決算短信ではIP別の売上について記されているが、2017年から2019年までは75億→81億→103億と順調に成長していたが、2020年には84億と下落に転じて2021年は66億。2022年は58億と売上面では減少傾向が続いている。
そうした状況を見て見ぬふりするほど、プリキュア陣営も頭が回らないわけでも鈍感でもないので様々な手を講じているし、この数年の作品からはメインターゲットである未就学児以外のユーザーを作ろうとした痕跡を作品内外から感じるのだが、それらが効果を発揮しているかというと……。
以上のことを考えると、「かつてこの作品を見ていた貴方達のプリキュアです!」を明確に打ち出した「従来とは異なるユーザーをメインターゲットにした作品」が展開されるのは十分に想像の範疇だろう。
明確に対象年齢を「当時メインターゲットだった年齢の人達」に引き上げた『アイカツ!』が成功していた点も重要そうだ。
むしろその早さと2本同時発表の方がびっくりさせられる。
シリーズ20周年に合わせる形で展開してきた辺り、本当に勝負を仕掛けている。しかも二本同時に発表である。
どういう結果になるのかは現段階では読みきれないが、「このまま子供向け一本で勝負し続けるのは厳しい」という現状を受け止めた上での挑戦であることを素直に評価したい。
ホント、頑張ってほしい。
プリティーシリーズは筐体が絶賛稼働中で、アイカツ!シリーズも「これが終わりではない」宣言が出ているけど、サンリオアニメも休止期間だし、ガールズ✕戦士シリーズもひっそりと終了したので女児向けコンテンツの層が薄いので、もう一本の柱として機能すると良いですね。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。