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誰よりも「かわいい」と呼ばれたい努力少女を、誰よりもカッコイイと思った。

「一番カッコいいと思うキャラは誰か?」
今そう聞かれたら私は「甘瓜みるき」の名前を上げるだろう。
甘瓜みるきとは『ワッチャプリマジ!』に登場するメインキャラクターの一人だ。
そのキャラクター性を端的に表現すると、他人に「あざとい」と言われても、貪欲に自分が「かわいい」と言われることを追い求めるキャラクターなのだが、そんな「かわいい」を推しているキャラクターのどこがカッコいいかというと生き様である。
甘瓜みるきは「自分の『かわいい』になるために努力し、そう言われる事を貪欲に追い求める」という生き様がカッコイイのだ。

「あざとくって何が悪い」

なぜ甘瓜みるきは努力してまでも他人にかわいく見られたいのだろうか。
それは「自分が『かわいい』になることで価値ある存在だと認めさせるため」だ。ひいては「見た目だけで『価値がない』と判断し、その真価に見向きもしない人達」への挑戦とも言えるだろう。
実家が八百屋である甘瓜みるきは、見た目が少し悪いだけで安売りされてしまう野菜達を見てきた。
味も栄養も通常の野菜と何も変わらない。ただ「見た目が悪い」というだけで軽んじられ、安売りされてしまう野菜達に「黒髪で地味な少女」である甘瓜みるきは共感を覚えると共に憤りを覚えていた。
だから甘瓜みるきはかわいくなることを決めた。
髪を染め、メイクを覚え、徹底的に自分の「かわいい」と思うものになるために努力をした。その努力の果てに周囲から「かわいい」と言われるようになった。自分が「価値がある」と思ったものになることで、甘瓜みるきはその価値を皆に認めさせたのだ。
だから甘瓜みるきは「お前のかわいいは作り物だ。あざとい!」と糾弾された時に叫んだのだ。
「あざとくって何が悪い!」と。周囲に認められるために努力することの何が悪いんだ!と。

「かわいい」を貫くかっこよさ

そんなかわいくなる努力によって周囲を認めさせてきた甘瓜みるきにとって、光の精霊であるルークスの「黒髪に戻そうか。黒髪でも皆は認めてくれるよ」という提案は今までの努力を否定するようなものだった。
普段の甘瓜みるきならまともに取り合うことは無かっただろう。きっと「冗談じゃねーお。みるきはそんなのに付き合っている暇はないお」とでも言って、軽くあしらったのではないだろうか。
しかしながら現在の『ワッチャプリマジ!』の世界は危機的状況に置かれている。「世界が滅びるかもしれない」というぐらいに事態は切迫していて、この状況を打開するためにはまず精霊に認められる必要がある。
そういう状況下であるがために、甘瓜みるきは「ルークスの提案を飲んで、黒髪に戻すかどうか」ということについて真剣に悩むことになる。
世界の危機と自分の危機を天秤にかけ、悩みに悩んだ甘瓜みるきが出した答えは「自分の『かわいい』と思う姿を貫き、その上でルークスに自分を認めさせる」だった。

この甘瓜みるきの結論の何が良いかって「貴方の言いなりにはならない」「私は私のかわいいを貫く」「その上で貴方に認めさせる」という話になっていることだ。
ルークスの言う通り黒髪に戻したとしても甘瓜みるきを認めてくれる人達は多いだろう。「かわいい」と言ってくれる人もたくさんいるはずだ。
しかしそれはかわいくなるために努力を重ねてきた甘瓜みるき自身の生き方を否定することに他ならない。
他人に自分の『かわいい』と感じたものを認めてもらうために努力してきたのに、ルークスに認めてもらうためにその『かわいい』を放棄するのは「生き方を曲げている」のだ。
だから私は甘瓜みるきが「貴方の言いなりにはならない」とルークスに言い放った瞬間、彼女の「本気」に心を打たれたのだ。
それは甘瓜みるきはどんなことがあっても自分の「かわいい」を貫くと宣言しているも同然だからだ。世界の危機だからといって、自分を絶対に曲げない!と誓った言葉だからだ。
そしてその後「認めさせる」と宣言したのも素晴らしかった。
「私はお前が曲げさせようとした生き様で、お前を認めさせる」と本気で口にした甘瓜みるきは、あの瞬間誰よりもカッコいい人間だったと思うのだ。

結びに

甘瓜みるきは自分のためにこそ咲き、自分のためにこそかわいくある。
それを本気で信じるために、誰よりも本気で努力する甘瓜みるきは誰よりもかわいい。その生き様は誰よりもカッコいい。

『ワッチャプリマジ!』は一話でも触れられたように「本気で生きている奴はカッコいい」という生き様を描いているが、甘瓜みるきの「努力して自分の理想のかわいいになる」「それを他人に認めさせる」という生き様を本気でカッコよく見せてくるスタッフに恐れ入った。甘瓜みるきに完敗である。
ホント、誰よりもかわいくて、誰よりもカッコイイよ、みるき。



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