『ウマ娘プリティーダービー』面白かった育成のシナリオについて書く ~憧れのメイショウドトウ、情熱のセイウンスカイ
『ウマ娘プリティーダービー』もハーフアニバーサリーを迎えましたね。
サービス開始からハーフアニバーサリーまで、かなりの数のウマ娘が育成キャラクターとして実装されてきましたが、今のところどれも違った個性があって本当に楽しい。
賛否両論ありますが、チャンピオンズミーティングのおかげで「こういう育成も出来るかも」と挑戦する気にもなるので、ついついやりすぎてしまうんですが、そんな『ウマ娘』の魅力の1つとして「育成シナリオの面白さ」があることを忘れてはいけません。
私も過去に面白かったものについて書きましたが、今回はそれ以降で「面白かった育成シナリオ」について書いておきたいと思います。
「憧れと並び立つこと、追い抜くこと」メイショウドトウ
メイショウドトウの育成シナリオは、今回引くことが出来たものの中では特に好きな育成シナリオでした。
「テイエムオペラオー」という世紀末覇王の輝きの強さ、その輝きに憧れて必死についていこうとするメイショウドトウの健気さ、終盤で描かれるスペシャルウィーク達最強世代への挑戦など好きなポイントはいくつもあるのですが、やっぱり一番好きなのは「メイショウドトウがテイエムオペラオーに『ライバルとして並び立ったこと』を労われる」という展開ですね。胸が熱くなりました。
テイエムオペラオーとアドマイヤベガ。
この二強の後をついていくメイショウドトウとその他のウマ娘達。
この構図になるのかと思いきやアドマイヤベガの長期離脱によりテイエムオペラオーの一強に。テイエムオペラオーと言えども狙い撃ちにされることは必死。とはいえ、アドマイヤベガの離脱理由が離脱理由なだけにこの状況をどうすることも出来ません。テイエムオペラオー自身も「座して待つのみ」という姿勢。
この状況に追い込まれたメイショウドトウは「テイエムオペラオーの後を追いかける」から「テイエムオペラオーと並び立つ存在になる」へと決意。トレーナーと共に努力を重ね、本当にテイエムオペラオーと並び立つのですが、テイエムオペラオーがそのことを労ってくれるんですよ。「待っていたのはメイショウドトウ、君なんだ」って。
「メイショウドトウは自分のライバルとなるに相応しい存在」「きっと彼女はここまで走り抜くことが出来る」と信じているからこそ「座して待つ」という選択をしていたテイエムオペラオーの格の高さも凄いし、そのオペラオーに「ライバル」と労われるところまでメイショウドトウを育てられた事も嬉しいし、何よりメイショウドトウの思いが届いたみたいで最高に嬉しい展開でした。
あとちょっと『アイカツ!』のあかり世代っぽいんですよね。
大空あかりも星宮いちごに憧れていました。そして「待っててあげるから」の言葉を信じて、必死に頑張った結果、彼女は星宮いちごと並び立つ存在になることができました。あかり世代のこの辺の物語に涙した人間として、「START DASH SENSATION!」の最初の一音を聞いただけで、『アイカツ!』の全てを思い出して膝から崩れ落ちるタイプのヒトとしては、最後のドトウの輝きは大好きです。
またその後の最強世代への挑戦は『ウマ娘』にしか描けないシナリオで、こちらも素晴らしく、非常に良いアフターエピソードだったかなと思います。
「策士の中で燃えるもの」セイウンスカイ
普段は呑気でマイペースな雰囲気のセイウンスカイですが、そのシナリオはセイウンスカイの「熱さ」に焦点を絞られていた点が印象的でした。
スペシャルウィークやグラスワンダー、エルコンドルパサーと同期であるセイウンスカイですが、彼女はマイペースそうに見えて実は全て計算づくの策士。策を練り上げて、自分のペースに持ち込むことで勝負を有利に運び、勝ち切るタイプのウマ娘だったんですが、緻密な作戦を組み上げ、1つ間違えたら敗北待ったなしの中で勝ちを拾うような戦いをしているのに同期であるスペシャルウィーク達はその才能を発揮してしまう。つまり「セイウンスカイが勝てば勝つほど、ライバル達はそこから学んでより強くなってしまう」。
「持って生まれた才能」を突きつけられたセイウンスカイは一時は真面目に戦うことを辞めてしまうのですが、トレーナーや同期で境遇は似ているキングヘイローとのやりとりを経て情熱が復活し、再び走り始めるのですが、何が良いかって「セイウンスカイの中に情熱がまだ残っている」という話になってることですね!
スペシャルウィーク達の才能の前に、セイウンスカイは一度は逃げ出すのです。「今は勝ってても次は無理かもしれない」「だったら最初から勝負しなければ良い。勝負しなければ負けることはないんだ」って。
でもそうやって勝負から逃げても自分の気持ちからは逃げられないんですよ。自分の心の中の「勝負がしたい」「勝負して、そして勝ちたい」という気持ちからはヒトもウマ娘も逃げ切ることは出来ない。
その心と向き合うことで情熱が復活するんですが、ここにスキル獲得を絡ませているのも魅力的なところ。精神面での成長がスキル獲得に繋がっているのはゲームだからこその展開で大好きです。
なお異常なまでに存在感があるセイウンスカイの祖父も面白いです。
台風みたいなヒトですが、セイウンスカイのことを誰よりも信じていて面白い。
結びに
アオハル杯が実装されてしまったので、育成シナリオの話はあんまり進んでないんですが、今のところどれも面白く読ませてもらってます。
基本的には軽く読んでいる最中に疑問に思った箇所を書き出し、後で「ここはどうなってるんだろう」と現実の競走馬を参考にしながら掘り下げていくスタイルなんですが、これをやってると『ウマ娘』のシナリオの上手さがよくわかりますね。
解釈の面白さとそれを物語に落とし込む技術も凄いんですが、キャラクターへと回帰させていくのが滅茶苦茶面白いんですよ。競走馬や騎手、当時の状況を「ウマ娘の物語」に落とし、トレーナーの目線で二人三脚で追いかけることで「ウマ娘自身の魅力」になっている。
まだ分析し終わってないものもありますので、また読み込んだら書きたいと思います。とりあえずスマートファルコンとエイシンフラッシュかな……。
プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。