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『アイドルマスターミリオンライブ!』は「ここ」から始めていく

「素晴らしい作品にしてくれてありがとう」
これはTVでの本放送に先駆けて行われた『アイドルマスターミリオンライブ!』第三幕の公開日にX(旧Twitter)で見かけた感想の一つだ。
私のX(旧Twitter)は様々な人間が思い思いのことを綴るので比較的混沌とした領域が展開されやすいのだが、その日は『アイドルマスターミリオンライブ!』を愛する者達が世界への感謝を告げる感想が多く見られた。
そんな感謝に溢れた感想を見て「長い間待ち続け、期待だけが膨らみ続けていたものが『期待以上』『感謝しか無い』に終わるって良いことだな!」と思ったものだが、それから数週間が過ぎてようやく見ることができた『アイドルマスターミリオンライブ!』の第一話は「なるほど。この出来なら納得だ」と思えるものだった。
白組制作なので全編3DCGだが、動きも自然に見えるし、画面の作りも良い。映画館で見ることを想定しているためか、全体的にリッチな映像。
「そりゃ発表からこんなにも時間がかかるわけだ」と思ってしまったほどだが、第一話を見た感想は「思い切りが良く振り切った一話」だった。
舞台袖から「ここから『アイドルマスターミリオンライブ!』と言う作品を始めるんだ!」と言う声が聞こえてきそうなほど、思い切って「第一話=始まり」に振り切っている。
「好きなことややりたいことは多いけど、一番好きで一番やりたいことはまだ見つかっていない」春日未来と、「一番好きで一番やりたいこともあるけど、未だ行動に移せていない」最上静香が偶然出会い、同じ景色を一緒に見て、「一番好きで、一番やりたいこと」をやるために第一歩を踏み出す。
『アイドルマスターミリオンライブ!』の第一話は、突き詰めて言えば本当にこれだけのことだ。何も難しいことはない。本当にこれだけの物語だ。
しかしこれだけのことをドラマチックで印象深いものにしているのは、ひとえに「春日未来と最上静香」に物語を振り切ったからだろう。
本作は2011年の『アイドルマスター』と2014年の『アイドルマスター輝きの向こう側へ!』から繋がる物語として制作されている。
そのことは『ミリオンライブ!』から765プロダクション所属として登場したアイドルの一部がステージに立つ側に回っていることからも見て取れるが、一話の時点でこの二作品の主役だったアイドル達は「春日未来と最上静香が観客席から見た最高の景色」に過ぎない。
ファンが喜ぶことだけを考えるのなら、あるいは『輝きの向こう側へ!』の続編として描くのであればもう少し「繋がり」のようなものを出していることだろう。
しかし『ミリオンライブ!』の一話には、そうした要素は見受けられない。765プロダクションのアイドル達はステージ上の存在で、春日未来達は会場にいる数多の観客の一人であり、あそこで春日未来達が見たのは「観客の視点での最高の景色」に過ぎないのだ。
「二人が観客席から見た最高の景色」に留めておいたことで何が生きるかというと、その後の二人のやりとりや「始めよう」とする意思の美しさだ。
二人ががその最高の景色から受け取ったものや心から湧き出てきたもの。
それらは一観客だからこそ感じることが出来たものであり、好きになることが出来た最高の景色だ。
その「あの景色が最高で一番好き」という思いがあればこそ「やってみたい」だし、「アイドルを始めてみたい」という意志を固めた二人を美しく見せていると思うのだ。
また伊吹翼を二人よりも少し先行する存在として出していたことなど、細かいところでのキャラクターの見せ方も興味深い
特に最上静香の「自分の座席を探す春日未来に声をかける」は「頭の中で考えていても何か自分の中で確かなものがあれば行動に移せるタイプなのかな」という事を感じさせてくれた。
こうした細かい描写の一つ一つが効いており積み上げていくような面白さがあったのだが、残り11話ほどでどこまで積み上げる事ができるのだろうか……って、公式サイトを見ているとキャラクターが多いな!驚いた。
12話でどこまで描けるのかと心配になってくるが、まあ春日未来と伊吹翼と最上静香の話だけは完遂してくれればアニメから見る勢としては満足できそうだ。
日曜10時だから『王様戦隊キングオージャー』からの流れで見るだけだし……(一時期はプリキュア+仮面ライダー+スーパー戦隊を見て、プリチャンorプリマジ+ミュークルドリーミーだった勢)。

女児人気ですが、出番次第ですけど、女児向けコンテンツを10年以上見てきた人間としては桜守歌織が一番人気が出ると思います(女児は最強存在とお姉さんキャラが好きなので)。

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。