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『デモンエクスマキナ』ファーストインプレッション

『デモンエクスマキナ』が発売されてから五日が過ぎた。
初日からプレイしているユーザーはメインストーリーを終えてさらなる強さを求めて巨大イモータルや解放猟団を回路もろとも焼き、そうでない人達は評判を聞きつけて「買うor買わない」の審議にかけている頃だろう。
かくいう私も初日からプレイしているユーザーであるが、メインストーリー進行中に突然「解放猟団も巨大イモータルも全て酸と炎と電気で痛めつける」の方針へと目覚め、現在はマルチバトルで炎と酸と電気を撒き散らしている。
「姑息な手を使うな」と罵られようともどこ吹く風。ほしいもののために私は綺麗事よりも効率を取るのである(実際これで嵌め殺しにするのが一番手っ取り早い)。

さて。そんな『デモンエクスマキナ』のファーストインプレッションを書いておく

ロボットアクション

情報が初めて出た時から『デモンエクスマキナ』は「ジェネリックアーマードコア」と呼ばれ続けていた。
フロムソフトウェアが現状最後の『アーマードコア』を出してから六年が経った。その六年間でフロム・ソフトウェアは『隻狼』という傑作をリリースしているものの、アーマード・コアシリーズについては何の反応もない。定期的に社長はインタビュアーから突かれているも、社長もその辺は上手い人なので見事に躱す。そしてアーマードコア新作の話題は期待とともに沈む。そして定期的に「で、結局アーマードコアの新作は出るの?」という話が浮上してくる。
この六年間は概ねそのループで、前に進んでいるのか進んでいるのか全くわからない状態だった。

そんな中発表された『デモンエクスマキナ』はアーマードコアに関わっていた佃Pの新作。映像を見てもアーマードコアにしか見えない。
そうなってしまったら。もう「アーマードコア的なもの」を求めないのは無理な話なのだが、実際に発売されたものを触ってみると『アーマードコア4』の系譜だなーと感じる。
空中戦に趣きを起き、こまめなブーストを効かせてミサイルを回避し、攻撃を叩き込む。
楽しい。高速戦闘を中心に据えたゲームとしてほしいものがほぼ全て揃っている。レスポンスも良く、操作も最初こそ若干煩雑に思えるが慣れてくればそうでもない、程よい感じに仕上がっている。

個人的には「ゲージ管理が簡単」ということが嬉しいものだった。
本作ではブースト周りとエネルギー武器に使用するゲージが完全に分離されており、「どれだけブーストを使ってもエネルギー武器が使えない」という事態が発生しない。その分エネルギー武器専用ゲージの回復は大人しいのだが、マップ上に赤く表示された地点に行けば回復にかかる時間は軽減されるので「ゲージ回復のために一時的に離脱する」という判断が出来るのも良いところだ。
また弾薬やHPについても同様のことが言えて、弾薬は雑魚敵から、HPはマップ上にあるコンテナを破壊すれば回復出来るので「深追いをしない」ということが意外に重要になってくる。
「新規IPだからこそ丁寧にやりたい」という意思を強く感じるが、対アーセナルの戦いになると若干難易度が上がりすぎるのはどうかと思った。
相手もとにかく避けるのに硬いので辛い……。
とはいえ、難易度調整は程よい感じなので若干の微調整で済みそうだと思うのだが。

アセンブリの楽しさ

アーマードコアシリーズの楽しさの一つに「自分好みのロボットを作り上げられる」というのがあると思うが、『デモンエクスマキナ』もその点はほぼ同じ。
大きく違うのはアーマードコアではロックオン周りを担当していた「FCS」が頭部に、ジェネレーターやブースターがボディパーツに統合された事辺りか。結果としてアーマードコアほどのアセンブリの自由さは無くなっているけれど、代わりにどのパーツも一長一短あるので「自分のプレイに最適化していく」という遊びはシンプルになった分面白くなったかな、と思う。
とはいえ現状「ボディはメモリ重視」という感じだし、バランスも滅茶苦茶取れているとは言い難いが。新規IPなのに産廃パーツが少ないだけマシといったところか。

武器については現状アサルトライフルとシルバーレイブンが強め。
他も弱くはないけど、「それやるならアサルトライフルとシルバーレイブン担いでいくわ」というケースが結構多い。ただ残弾数が割と厳しめなのでアーセナル相手なら何だかんだで近接武器は一本あると便利ではある。

ただマルチでは今のところこちらの火力が高くなりすぎることもあって、電気と炎と酸でバステを叩き込みつつ……という展開になりがち。
スタミナ使い切らせる→落ちる→ショルダーウェポンの火力で焼くのパターンはかなり多い。まあメインストーリーでやってる分にはショルダーウェポンはそこまで使わないんで、こういうところで生きるなら許容範囲かなーと。

その他

人体改造についてだけど、アレは擬似的な難易度調整として機能しているので個人的には肯定したい。改造していくとだんだん没個性化していく辺りの残酷さ加減が最高すぎるけど、金さえ払えば体をもとに戻せる辺りの倫理的な酷さがたまらない。

メインストーリーについては今のところ「アーマードコアの社会構造でエヴァQをやっている」という印象が強い。
キャラは全員立ってるし、前に進んでいる手応えはあるので個人的には満足。ただ全員キャラクターを立たせようとする反面、若干冗長になってる部分があるので、そこは調整が必要かなと。

最後に

買いかどうかでいえば「アーマードコア的なもの」を求めるなら満足できる。ロボットアクション好きにもオススメだが、操作周りを覚えるのに若干時間がかかるのでそこを許容できない人はオススメ出来ない、といったところ。
あと話もキャラも少しダサい。そこは人を選ぶので、合わない人は体験版をやってからのほうが良いかも。今配信されているのは製品版にも引き継げるから無駄がないし。

個人的にはかなり評価しているし、売れてるみたいなので続編がでたら多分買います。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。