毎週欠かさず『アイドルマスターミリオンライブ!』を見てきて

毎週日曜は『アイドルマスターミリオンライブ』を見ている。
今期放送アニメでリアルタイムで視聴しているのはこれと『ウマ娘プリティーダービー』ぐらい。「日曜朝10時」と言う時間帯が私としてはベストマッチで、『王様戦隊キングオージャー』からの『アイドルマスターミリオンライブ』という流れは『機界戦隊ゼンカイジャー』からの『ワッチャプリマジ!』と同じなので、特に苦労することなく視聴できている。ありがたい。
内容面についても楽しませてもらっている。
一話については既に書いたとおりであるが、二話以降についての話をするとやはりオーディションの様子が印象深い。
一話で「アイドルになりたい」と本気で願った春日未来と最上静香は765プロダクションのオーディションへと挑むのだが、オーディションでの二人のパフォーマンスがしっかりと下手なのだ。
既に合格している伊吹翼は今後の課題は感じられたものの「流石合格者だな」と思える安定した歌声やダンスを見せていたが、春日未来も最上静香もびっくりするぐらい下手だ。ちゃんとした指導者に教わったわけではないので、下手であることは当たり前なのだが、それでも下手なのだ。本当に。
ただ聞けないわけじゃない。下手なんだけど、聞いていて不快なわけじゃないのだ。つまり「キャラの下手くそさを演技で見せられる役者は演技上手」という話なのだが、それをしっかりと表現する作品であることに感心してしまった。
その後の上手く出来なくて、どんどんと表情を曇らせていく静香の背中を押す未来と翼、二人に背中を押されて歌い始める静香の姿は胸を打つし、そこで「自分がこの企画でやりたいこと」の具体的なイメージ「ミリオンスターズ」を見出す点も素晴らしかった。
「ここに辿りつく話かぁ」と期待させる二話だったと思うのだが、他のメンバー達の紹介を行った三話を経ての四話はこの作品が「アイドルマスター」であることを印象付ける一話で、「これ見せられたらそりゃ劇場先行版視聴組も絶賛するわ」と納得させられるほど良かった。
私は「アイドルマスター」という作品の面白さは「アイドルだけでも、プロデューサーだけでも輝くことは出来ない」という点にあると思っている。
アイドルとプロデューサーの双方が支えあうからこそ「アイドルの輝き」が生まれる。それこそが「アイドルマスター」と言う作品の最も重要な部分だと思うのだ。
逆に言えば「アイドルだけ頑張ってもダメ」だし、「プロデューサーだけ頑張ってもダメ」なのだが、春日未来発案で「原っぱライブ」が企画されるものの、プロデューサーが検討している間にアイドル達の間でどんどん企画が大きくなっていき、収拾がつかなくなっていく……という四話の流れはまさに「片方だけが頑張っている状態」だ。
アイドル達の暴走気味な頑張りに対して、プロデューサーが部分的にも把握しておらず、無秩序な状態になったから収拾がつかなくなってしまうのだ。
結果として伝言ゲームのせいで原っぱライブの企画は、ロコのモニュメントのように肥大化していき、一度は崩壊しかけるような状態になってしまうのだが、この状況を「プロデューサーがアイドル達と話し合い、お互いの根底にある気持ちを確認しあう事で両輪がそろう」という展開にして突破しているのはとてもアイドルマスターらしい。
またこの四話の展開でどちらかといえばアイドル中心の、「アイドル9:プロデューサー1」の進行してきた三話までに対し、「アイドル7:プロデューサー3」ぐらいまで持ってきていて、その「プロデューサーが表に出すぎない」というバランス感覚も個人的にはよかったと思っている。
そうした点を抜きにしても、四話は「『ライブ企画』という大きな箱にアイドル達が参加して様々な意見を出し合う」という構造そのものがこの作品が提示するライブシアター構想に近いものに見え、「ここで舞台となるものを題材にしたエピソードを一本作れていること」が面白く感じられた。
また登場するアイドルも、みんながみんなやりたいことがあるのではなく、桃子のような現実的な意見を述べるアイドルもいて、「色んな人がいる」という部分がより理解できたため、ここまでのエピソードであえて一本を選ぶならこれを選びたいぐらいには気に入っている。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。