『岸辺露伴、ルーヴルへ行く』へ行く。映像に満足する。

遅ればせながら『岸辺露伴、ルーヴルへ行く』を鑑賞した。
『スパイダーバース』や『ザ・フラッシュ』などが公開される中、なぜ今頃見たのかといえば、これはもうひとえにハイラルの勇者活動に熱心に取り組んでいたからだ。
「祠も130個ほど解放し終わったし、マスターソードも手に入れた。残す神殿はあと二つほどとなった今なら行ける!多分今見に行かなきゃ夏休み映画にスクリーンを明け渡し、変な時間に見ることになるので、今しかない!今だ!」と自分を奮い立たせ、心をゾナウギアによるトンデモ兵器建造から解き放ってどうにか映画館までたどり着き、「そういえばFF16もそろそろだ。間に合うのか」と言う現実と向き合いながらも、やっとのことで見ることが出来た『岸辺露伴、ルーヴルへ行く』だが、徹頭徹尾「あの『岸辺露伴は動かない』が映画になった」と言う代物だった。
それ以上でもそれ以下でもない。『岸辺露伴、ルーヴルへ行く』は『岸辺露伴は動かない』の映画以外の何物でもなかった。
付け加える事があるとすれば、昨年末公開された「ホットサマー・マーサ」「ジャンケン小僧」からつながる「三部作を締めくくる一本」という趣きであること。
「せっかく映画になるんだし」ということで同名原作以外の要素を盛ってくる可能性を考えていたのだが、実際には同名原作のみに絞られたストーリーラインになっており、そこに「ホットサマー・マーサ」「ジャンケン小僧」辺りで語られた「人知を超えた不条理さと不思議さ」を付け加えることで映画になった。見終わった直後もそれから少し経った今も「そんな感じの作品」と言う印象は全く変わっていない。そんな感じの作品なのだ。
なので正直語るべきこともそれほど多くはない。
あえて語るとするなら「撮影が良くて映像が美しい」だろうか。
元々『岸辺露伴』の頃から「あまりTVドラマでは見ないようなレイアウトやカメラワーク」を行っていたのだが、今回の映画でもその「あまりTVドラマでは見ないようなレイアウトやカメラワーク」が行われていたことで、二時間全く飽きる事がなかった。
特にルーヴル美術館に行ってからはなかなか見ることができないような映像になっており、天井絵の部分はここだけでも「見てよかった」と強く思えるような出来だった。映像作品は「『見てよかった!』と思える映像があるかどうか」で満足度が変わるけれど、『岸辺露伴、ルーヴルへ行く』はその点においては間違いなく満足度が高かった。
まあ二時間と言う本編時間は若干持て余している気がするのだが、それを差し引いてもルーヴル美術館内は一見の価値ありなので、そこだけでも見て欲しい。見ろ。

ところでこの映画を見る前に『東京リベンジャーズ』の予告が流れたのだが、血のハロウィン編で全てを終わらせるっぽく、「正しいとは思うが、随分思い切ったな……」という気持ちになってしまった。
まああそこから先をやろうと思うと最終的に「最後までやれ」と言う話になるので、血のハロウィン編で終わるのは正しいよ。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。