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『Fate/Grand Order』ORT総力戦は退屈と眠気と処理落ちと進行不能との戦いだった

『Fate/Grand Order』二部七章では「第一部終章の再演」として、ユーザーが所持するキャラクターを総動員して行われる「総力戦」が実装されました。
その総力戦の相手となるのは「ORT」。
書籍や関連作品にて設定とビジュアルはある程度説明されている、型月ファンにとってはある意味顔馴染みの強敵であり、それに対抗するための総力戦は色々期待させてくれるものでした。
しかしながら、私にとってORT総力戦は面白い部分が乏しいものでした。
かろうじて面白いと感じる「一度使用すると再使用できない」という部分も肌に僅かに触れる程度のフェザータッチをされているかのような刺激しかなく。
ただ「単調」で、そして「退屈」でした。

「戦闘するたびにORTのクラスが変更される」という出撃時に意識したい要素はありますが、実際の戦闘では行動に変化らしい変化が見られず、やることもやれることも何一つ変わらない。どの出撃でも同じ行動を繰り返すだけでORTのゲージとともにキャラクターが砕けて戦闘が終わってしまう。せめてこちらに付与される強化効果がクラスによって変われば印象として変わるはずなのに。
そうした単調な戦いでも数回で済むならまだ許容出来る範囲でしたが、ORTの生命力を表現したかったのかHPゲージが11本もある。HPゲージを破壊するたびに即死級の攻撃を放ってきて、次の戦闘へと強制的に移行させられるので、11回も同じことをやらなければならない。
そしてこのORTを倒すと、HPが120万✕5本のORT第二形態に移行するんですが、こちらもやることは大差はなく、やれることも変わりません。敵行動の変化も第一形態と大きく変わらないので第一形態と同じことを繰り返すのみ。報酬も特に無いので周回作業よりも得るものがない戦いでした。

ORTは設定上では最強クラスの存在だが、『Fate/Grand Order』においては大幅に弱体化している。
そのように説明されていますが、それを差し引いても「HPが多いだけで苦戦する要素はない敵」は冗長で単調で、作中で言われているような「大幅に弱体化してもなお強い存在」ですらなく印象が薄いですね。むしろ「やっと解放された」という気持ちの方が強かった。

にも関わらず、ORT戦は処理落ちすることが多かったり、進行不能に陥って再起動せざるを得ない状況になった点も気になりました。
私が主に使用している端末はiPhone13で、『ウマ娘プリティーダービー』でレース中の3D表現を高品質化しても全く処理落ちしていないんですが、『Fate/Grand Order』のORT戦、特に第二形態では軽度ですが処理落ちすることが多くてびっくりしました。
一応公式サイトで推奨動作端末については確認できるんですが、iPhone13ですら処理落ちするレベルの戦闘を最低ラインであるiPhone6Sで動かすとか無理なのでは。そもそも戦闘に入る前の段階、ORT総力戦発生時に変更させるマップ画面でカシャカシャ動くORTに耐えられない気がしますね。
AndroidだとPixel7とかでも長めのロードが入るという話も聞きますし、ちょっと古めの端末だと熱くなりすぎるというのも見ましたね。

また私がプレイしていて体験したのは、ORTによる攻撃で全滅してマップ画面に遷移する際、画面が暗転したまま操作を受け付けない状態、つまり進行不能になる現象なんですけど、普通にプレイしていて進行不能に遭遇してしまうレベルのものをリリースするのは凄い勇気だなと思いました。蛮勇ー。
再起動したら戻ったので幸いでした。

シナリオ自体は悪くなく、前編が殆ど何も話が動かないまま終わってしまったマイナス点を取り戻すぐらいの面白さはあったと思うんですが、シナリオ以外の点、特に本稿で述べたORT戦は褒められる点が本当になかった。
まあ開発が遅れて、テスターが触る期間が短くなり、にも関わらず1月31日リリースは必達目標だったのでこうなってしまった……と言ったところだと思うんですが、「メインコンテンツであるメインストーリーをこのレベルの品質で実装するのかぁ……」って考えると今後もやりかねないので怖いですね。

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。