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『ミュークルドリーミー』が面白すぎて辛いという話

いきなりですが、『ミュークルドリーミー』が面白すぎます
ミラクルドリーミー王国で制作されたぬいぐるみ「みゅー」とパートナー(作中では「ドリームパートナー」と呼ばれる)になった人間「日向ゆめ」を中心にしたコメディ作品が、まさかこんなにも色々なものが詰め込まれ、その全てが面白い作品になるとは。一話を見た時には予想もしてませんでした。
そしてその面白さに、私がこんなに夢中になるなんて!

今日は物語も終盤に差し掛かっている(と思われる)『ミュークルドリーミー』の現在の面白さについて、簡単にですが書いておきたいと思います。

中学生の恋愛模様が面白すぎて辛い

『ミュークルドリーミー』は恋愛模様がまず面白すぎるんですよね。主に主人公の「日向ゆめ」とその幼馴染の「南川朝陽」の恋愛模様の話なんですけども。

中学生となって周囲が色気づき始めたことや、日向ゆめが文武両道で校内の人気者である杉山先輩を「憧れの相手」としたことで、自分が日向ゆめに恋心を抱いていることを自覚した南川朝陽の「ただの幼馴染」という人間関係から変えようと頑張ってみたり、でも日向ゆめのことを最優先に考えてしまうばかり上手くいかなかったりするのがいじらしい。
好きな女の子に振り向いてもらうために、精一杯頑張っている男の子の姿を見ていると思わず「頑張れ!」と応援の言葉を言いたくなりますね。
また朝陽だけが揺れ動いているわけではなく、日向ゆめの方も朝陽が別の女の子から告白されたりする光景を見ていたりして揺さぶられているのも良いんですよ。
一話の最後で小学生から中学生になって、周囲が色気づき、「小さい頃からよく知っている幼馴染」が他人からは「恋愛してもいい異性」として見られている!ということにショックを受ける展開はシビれました。
「ショックを受けてる」ということはまだ恋愛対象になる目があるということですから、あそこの揺さぶりは本当に最高でした。

個人的には「朝陽がドリームパートナーであることを知らない日向ゆめ達」と「日向ゆめ達がドリームパートナーであることをしらない南川朝陽」を同時に展開して「互いに秘密を隠そうとするあまり、すれ違って会話する機会すら生まれない」という関係性の変化をもたらした辺りとかも大好きでしたね。
それ以降もゆめと朝陽の恋愛模様は進んだり進まなかったりしてますし、訳合ってゆめが杉山先輩とデートすることになった回とか見どころが多すぎるんですが、こういう「恋愛模様」を一年を通して描いているのは昨今では希少なのでものすごく楽しませてもらってます。

杉山先輩の闇が深すぎて辛い

先程「ゆめの憧れの先輩」として述べた杉山先輩ですが、こちらは現在展開されているエピソードで大変面白い事態になっております。
「『主人公が他人の夢に入る』が必要となっている本作において主人公達が夢に入る事ができない」など、序盤から「何かある」と匂わされてきた杉山先輩でしたが、第37話でようやく明かされた杉山先輩の秘密とは「次元が違うレベルで優秀な弟がいるため、どれだけ頑張っても満たされない」というものでした。

どれだけ頑張っても弟の方が自分より遥かに優れた結果を出す。
どれだけ周囲が「優秀」と認めてくれていても、弟がもっと優秀であることを自分はよく知っている。
家族に当たり散らそうにも家族が自分のことを認めてくれていることは分かっているし、コンプレックスの原因とも言える超優秀な弟は自分のことを「兄」として慕ってくれている。

「この状況に身を置かれて闇を抱えない方がおかしい」と思います。
「あいつが悪い」と開き直る事もできないし、誰かに愚痴を吐く事もできない状況の中で努力を続け、弟より遥かに劣る結果を出して「お前は優秀だ」と褒められる。おまけに察しが良い幼馴染からは同情も含んだ心配をされている。
杉山先輩の現在置かれている状況って、端的に言って「地獄」なんじゃないでしょうか。杉山先輩の元々の性格自体他人を責めるより自分を責める性格なので闇が深すぎる……。

その闇により杉山先輩は完全な闇落ちをしてしまったのですが、「彼の闇はどのように解消されるのか」はこれからの見どころになってくるんじゃないかなと思います。
鍵を握るのは杉山先輩のドリームパートナーになったゆに達、でしょうか。

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このシーンが「在りし日の思い出」になるとは……(先週の話です)。

まいらちゃんがかわいすぎて辛い

『ミュークルドリーミー』は脇役に至るまで魅力的なキャラクターが大変多く、一話限りのキャラクターでありながら大きな衝撃を与えていった「プチトマトマン」なども良い思い出なのですが、一番最初に秘密を共有する仲間になった「月島まいら」がかわいくてつらいです!

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「ティーンに人気のファッション誌で読者モデルをやっている」「実はお笑い好きで、夢もお笑い芸人」というキャラクターなのですが、友達思いで読者モデルやお笑い芸人にも真面目に取り組んでいるので、好感度が下がらない。
「プライベートであってもファンの応援にも真摯に応える」という姿勢や、休日回などで見られる私服のかわいさも素晴らしくて、日向ゆめのデートファッションをプロデュースする回などは「読者モデルであり、ゆめの友達でもある月島まいら」というキャラクターの立ち位置を生かしていて素晴らしかったです。「マイラブ」とやる時にオーラも出ますしね。パートナーのぺこっちとの息の合い具合が凄く好きです。

それ以外のキャラクターも魅力的なので、ぜひ一度見てほしいですね。
ことこ先輩とか考え方がエンジニアで笑ってしまう。

最後に

『ミュークルドリーミー』の唯一の欠点は「配信周りが弱い」ということ。
一応最新話だけは「あにてれ」などで毎週金曜日に更新されるので、ないわけではないのですが、全話見るためのハードルが高いんですよね……。
ただ今の「どうなっていくのだろう」についていくだけなら現在配信されている話を見ておけば行けると思うので、気になる方はひとまず36話の『年末年始はみんなでハッピー!」を見てから37話を御覧ください。

二年目も決まってるんですが、それはそれとして一年目はどうなるのでしょう。桜井弘明監督らしく、この楽しい気持ちが続く終わり方に期待してます!

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。