あいかつ

『アイカツ!』の見放題が始まったので見てほしいエピソードを選んでみた

3月13日よりバンダイチャンネルにて『アイカツ!』一年目の見放題が始まっております。

最新作『アイカツオンパレード!』もいよいよ最終回を残すのみとなり、6月に新作の正式発表が控えている今、シリーズの原点とも言える星宮いちご達の『アイカツ!』の最初の一年をもう一度見られる!というのはありがたい限りですね。

「全部見ろ。そのままバンダイチャンネルの会員になって、二年目とあかりジェネレーションと『劇場版アイカツ!』も見ろ。全178話+90分もあるけど、体感五分だから楽勝だと思います」と言いたくなる気持ちもあるんですが、お空の上でガチャピンと戯れたりするのとかで忙しいことだと思います。
なので、全50話の中から「これだけ見れば最低限メインストーリーは分かるだろう」という16話をピックアップしておきました。
とりあえずこの16話を見るところから『アイカツ!』を始めれば良いんじゃないでしょうか。

なお楽曲についてはAmazon Primeなりspotifyなどで聞いてください。この辺なら全部入ってることは確認しております(オススメはシンセとギターがえぐい「硝子ドール」とかその辺)。

1話「私がアイドルになっても?」

全てはここから始まった。アイカツ!シリーズの最初の第一話ですね。
物語が始まった当初はアイドルになるなんて考えていなかった星宮いちごが、親友や弟と行った神崎美月のライブでアイドルの凄さを知り、その道へ入っていくまでが丁寧に描かれています。
「おしゃもじをマイクに持ち替えて」など、後の物語でも登場するような印象深いセリフも多くて、改めて見返すと色々こみ上げてくるものがありますね。

3話「あなたをもっと知りたくて」

神崎美月に憧れてアイドル学校へと入学した星宮いちごが、親友とともに神崎美月の一日マネージャーをすることで「トップアイドルの世界」を体験するお話……なんですが、どちらかと言えば重要なのは「神崎美月の呼び方」でしょうか。
アイカツ!では意識的にキャラクターの呼び方を変えていまして、神崎美月のファンだった頃のいちごはやっぱりまだ「ファン」として神崎美月に接してしまう。
そこが変化していくところにアイドルとしての自覚と成長があって面白いんですよね。

9話「Move on now!」

プレミアムレアドレスを獲得しに行く話ですね。
デザイナーとアイドルは共に成長していくもの。だからこそデザイナーはアイドルに対して「自分が必死で作ったものを託すに相応しい存在かどうか」を求め、アイドルはそれに応えることでプレミアムレアドレスを託される。
この信頼関係を構築するところに一話を使ってるんですが、一話使うことでプレミアムレアドレスの価値はずっと高めていますし、のちのシリーズにおいても価値を高く保っていられるわけで、作品理解のためにも見ておいた方が良いかなと思います。

なお崖登りもあります。

16話「ドッキドキ!! スペシャルライブ PART1」&17話「ドッキドキ!! スペシャルライブ PART2」

「神崎美月のファン」から「アイドル」へと変わった星宮いちごが、神崎美月のライブに出るために頑張るお話。
基本的には一話完結の『アイカツ!』では珍しい前後篇なのですが、星宮いちごの頑張る姿と、神崎美月の圧倒的な実力っぷりに惚れ惚れしますね。「アイドル・星宮いちごに与えられた最初の試練」めいた面白さもあるのでじっくり見た方が良いと思います。基本的に真面目な回です!

22話「アイドルオーラとカレンダーガール」

アイドルオーラをめぐるお話。
アイドルはやっぱり一般人とは違うんですが、その「違い」をオーラに見立てた上で星宮いちごが「自分らしさ」を追い求めるお話に仕上げるのは凄いと思うんですよ。
そしてそこに理屈と筋を通したうえで、ライブパートで「これが星宮いちごのアイドルオーラ!」とちゃんと見せてくるところも凄く上手い。本編チームとCGチームが力を合わせて生まれる映像の面白さという意味でも凄く好きな回です。

31話「母の日はアイドル!」

伝説のアイドル・マスカレードについての言及が始まった回であり、星宮いちごと星宮りんごの親子の絆を感じさせる回。
全体の構成の中では箸休め的な回なんですけど、星宮いちごの物語として見るのなら「こういう母親とこういう環境があったからこういう子に育ったんだな」というところにグッと来る回であり、一年目の終盤にある展開に繋がるので押さえておきたいですね。

33話「チャンス&トライ☆」

ここからはユニット編。神崎美月が「トライスター」というユニットを組むことになり、そのメンバーを選ぶためのオーディションを描いた回です。
重要なのはやっぱり「枠が二席しかない」という点。つまり一緒にやってきた仲間でも違う道に分かれてしまう可能性が示唆されてまして……。
まあこの辺は見ていただければ分かると思うんですけどね。
それはそれとして神崎美月のストロングスタイルっぷりでシリアスな笑いを提供してくるところが『アイカツ!』だなぁって感じます。

35話「涙の星」

そしてお別れの時。
星宮いちご。霧矢あおい。紫吹蘭。
いつも一緒にやってきた三人の道が分かれてしまう。互いに連絡を取ることも許されない環境の中で、三人が仲間と分かれて自分の道をあるき始める事を考えるエピソードは「三人いつも一緒だった」という光景を見ているだけに切なくなります。
少なくとも栄光への道を歩んでいるのに。
やっぱり仲間と一緒だったからこそ、というのは切ないですね。

37話「太陽に向かって」

ソレイユ結成回。
いつも一緒だったからこそ「違うユニットだから」が声のかけづらさを作ってしまう。それを乗り越えて結成されるのがソレイユで……というのがもう最高ですね。やっぱりこの三人はいつも一緒だからこそ!
ライブでぶち上がれる名曲「ダイヤモンドハッピー」のライブはここで登場。CGライブも実験的な事をやり始める余裕が出てきていたのかキレッキレ。
『アイカツ!』の一つ目のクライマックスみたいなものなので、ちゃんと見てください。

39話「それゆけ、ソレイユ!」

『アイカツ!』の良いところに「今の自分達の現状」を理解した上で、「今まで出来てきた当たり前のこと」の有り難みを知る……的な話があると思うのですが、39話は「チケットを自分達でどうにかして売り切る」という形で「自分達とトライスターの違い」や「ライブが出来るということの意味」を描いているのが良いんですよ。
当たり前のことだけど、それは当たり前のことじゃない。だからこそ見に来てくれた人達に応えることが大事なんだ!という。
ぶっ飛んだところも多いですが、地に足のついたところの多さも『アイカツ!』の良さ!

42話「船上のフィナーレ☆」

STAR☆ANISのライブツアーの最後に挿入された客船回。アイドルとファンとの交流を描いた回なんですけど、普段はここまで近くの距離で触れ合うことはないからこその「アイドルとしての立ち振舞いの大事さ」と、「ファンの期待にどう応えるのか」というのが改めて描かれていて、アイカツ!の世界の良さがギュッと詰まってるんですよ、この回。
この一話前の41話とどちらを入れるか迷ったんですが、「ファンあってのアイドル。だからこそ、夢を壊さない」というところのプロ意識が垣間見えるこっちにしました。41話も傑作なので見てください。

47話「レジェンドアイドル・マスカレード」

この回は星宮いちごというよりは神崎美月回ですね。
これまでの無理が祟って熱を出して倒れてしまった神崎美月。そこには彼女が「トップアイドルとしてのプライド」があるわけですが、とはいえ彼女がいなければ成立しないステージがあるのも確かで……という危機的状況に対して、復活を遂げる伝説のアイドル・マスカレード!というのがね。もう最高ですよ。

これまで頑張ってきた神崎美月へのご褒美がこれというのが凄くよかった。そして次回への引きも。最高。

48話「Wake up my music♪」

『アイカツ!』世界のアイドル達の強さがよく分かる回。
アイドルでなくなってもアイドルのようなことは出来る。だからこそ「あえてアイドル」というところに意味が出てくる。
トップアイドル・マスカレードがある意味アイドルの究極系にたどり着き、自分の形でアイドル活動をやっていた展開。何度見てもぐっと来ますね。

49話「輝きが向かう場所」

スターライト学園の頂点であるスターライトクイーンになるということは、名実ともにトップアイドルになるということ。
それが目前に迫りながらも、親友も仲間達も慌てることなく「自分の道」のために自分達のアイドル活動に励んでいる。そうした中で星宮いちごが「自分のやりたいこと」を考える……というのがこの49話なんですけど、「自分が頂点に立ったとしてもこれまでと何も変わらない。あくまで通過点にすぎない」という展開がまず凄いと思うんですよ。
自分がアイドルのトップになったとしても「何も変わらない」。重要なのはその先にあるというのがもう格好良すぎて。
そのうえで「神崎美月に追いつきたい」という一心で頑張ってきた星宮いちごがようやく「自分の道」について考え始める!というのが、この一年間の宿題を思い出させられたみたいで。大好きです。

50話「思い出は未来のなかに」

最後の最後まで完璧なものを見させられましたね。
いちごが最後に残していったもの。それが回収されるのが二年目なので、二年目もちゃんと見ましょう。

最後に

何だかんだで『アイカツ!』って見始めると結構サクッと見れる作品だと思うので、この辺りのエピソードをまずは見てから前後の話とか気になったアイドルの当番回とか見ればいいと思います。
ただ全話通して見た方が面白いのは確かなので、出来れば通して見てほしいですね。
そもそも『アイカツ!』一年目って全178話の中の50話分だけなのでそこまで多くないですしね(キッズアニメのオタクはすぐにこれを言う)

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。