設定資料集に求めるもの、収録されて嬉しかったもの。

私が贔屓にしている作品の一つ『キラッとプリ☆チャン』の設定資料集が発売された。ので購入した。

『キラッとプリ☆チャン』は一年間放送される作品すら珍しくなっている中で、年末年始を除いて三年間も休むことなく放送された作品なので、その設定資料集も当然のごとく200P以上もあり、「そういえばシリーズ歴代最長話数の作品だったな」ということを感じさせる重さがある。全編フルカラーだし、アニメ雑誌やライブのキービジュアルに使用されたイラストも収録されていて、ファンにとしては大変うれしい。
値段は4000円と聞いた時はちょっと躊躇してしまったが、読んでみると「これで4000円は安い方」と思える。
設定資料集が好きな人間としても「買ってよかった」と思うのだが、そう思えるのは「ここが初出では?」みたいな情報が掲載されていたり、ページレイアウトで見た時に発見する箇所が多いものに溢れているからだ。

今回購入した『キラッとプリ☆チャン』の設定資料集も、メインキャラクター一人一人のキャラクターデザインが大きく取り上げられているのだが、三面図や表情設定決定稿なども注意書きも合わせて収録されている。
それどころかキャラクターがこれまで着用した私服(三年間ある上、四季に応じて変更されることが多いので、一年目から登場しているキャラは私服だけで12着ぐらいある)とか、一回限りしか使われてないようなトンチキな服とかがしっかりと掲載されているし、キャラクターデザイン原案が「決定稿以外も」収録されているので、「この中から選ばれたものとして」今のデザインを改めて眺めて楽しむことができるのは嬉しい誤算だった。
衣装集は「ゲームと連動している」というコンテンツであることも踏まえて、「アニメデザイン」だけでなく「ゲームでのデザイン原案」がある点も満足度を底上げしてくれている。こういうの、地味に欲しいものだから……。

個人的には読み物が充実している設定資料集も好きなのだが、『キラッとプリ☆チャン』では林鼓子のインタビューと博史監督&兵頭一歩シリーズ構成の対談インタビューが収録されている。
『プリティーリズム』や『プリパラ』と比べると読み物の充実具合では若干寂しく感じるのだが、そもそも林鼓子は『キラッとプリ☆チャン』が初主役なのでその辺りに少し触れながら「あの頃」を振り返っているのは当然面白いし、監督やシリーズ構成の対談インタビューは「どういう意識で作っていたか」とか「ルール設定をどうしていたか」といった話になるので滅法面白い。
様々な種類の読み物を増やすのか、それとも一本辺りの濃さを持つのか。
この辺りはページ数とともに永遠の課題だが、『キラッとプリ☆チャン』の方向性を考えると「濃さ」を取ったのは正解だろう。

全体的には設定資料集に期待する要素は大体入っていたので満足できる内容だった。
設定資料集とか出ない作品は本当に出ないので、雑誌などに掲載されたちょっとした資料を保存しておくこともあるのだが、この設定資料集ぐらいの内容があるのなら今持ってる資料は破棄してもいい。
それぐらい良かったので、『ワッチャプリマジ!』の方でもこれぐらいをお願いします。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。