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6日間で『ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE』を見終えたので全部書く

昨日『ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE』(全26話)の視聴を完了しました。
『ガンダムビルドファイターズ』も『ガンダムビルドファイターズトライ』も『ガンダムビルドダイバーズ』も見ていたのに『ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE』だけは一話を配信開始直後に確認したっきり、全く見てなかったのですが、最終話の熱が冷めないうちに見終える事ができて本当に良かったです。

見始めた理由

「そもそもなぜ見始めたのか」と言いますと、25話を見終わった人達の熱狂っぷりを見たからです。
放送終了後24時間ぐらいなら「そういうこともあるか」と流して終わっていたと思うのですが、その熱狂っぷりが24時間以上経っても続いていた。
それを見た時に「いい加減腹を括って見る時が来たのかもしれない」と思ったことが見始めたきっかけでした。

ただ見始めた当初は6日間で見るつもりは全然なかったのです。
一日二話づつぐらい見て、二週間で完走するぐらいの予定で考えていたのですが、作品そのものが面白くて続きに興味が沸かせる構成だったことと、「(木曜の)最終話までに見て」とプッシュしてきたフォロワーの存在により、予定を大きく変更して結局6日ほどで全26話を見終えることができました。
やはり持つべきものは(好みを把握している)フォロワーと、「はよ見ろ」と背中に木星エンジンをつけてくれるフォロワーですね!
普段は勧める側なので「はよ見ろ」と背中を押され、見守られながら視聴するのも楽しかったです。

訳あり達が再起する物語

『ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE』の何が面白かったかというと、その物語でした。一週間で見終えてしまうぐらい、物語の力がとにかく強い作品で、見始めたら本当に一瞬で終わってしまいましたね。

『ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE』は「訳ありな者達が再起していく物語」です。
本作で主役を務めるヒロト、カザミ、パルヴィーズ、メイの四人は全員訳ありです。
四人ともその素性や経歴に傷を持っており、普通ならばチームを結成することはおろか、話すことすらなかっただろう四人が、ひょんなことから「エルドラ」という場所でのストーリーミッションに挑むためにチームを組むことになり、エルドラでの戦いを通じて自分の心の傷や過去、経歴を受け入れて再起していく展開が面白かったのです。

ヒーロー願望が強いばかりに一人で暴走しがちで周囲から軽蔑され、自身を強く見せることに執着してしたカザミ、飛行能力を持つヴァルキランダーを操りながらも空を飛ぶことが出来なかったパルヴィーズ、出自から人の心をがわからないメイ、そして「前作『ビルドダイバーズ』のもう一つの可能性」と言える過去を持つヒロト……。
成り行きで結成したに過ぎないチームでのミッションの中で、彼らが足掻きながら、少しづつでも再起し、絆を繋いでいく姿は心を熱くしてくれました。
そして、そんなバラバラの四人だからこそ生まれた「リライジングガンダム」の登場にはもう「ここまで見てきた意味があった」と思うぐらい感動しました。
プロポーションはいびつでですが、これが誕生した経緯を見てきただけに最高に格好よかったです。

「ここ以外あり得ない」で大ネタを決めていく構成の巧みさ

『ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE』でもう一つ面白かったのが構成の巧みさです。
本作では「ヒロトの過去」のように「物語全体の印象を左右する謎」がいくつも散りばめられているのですが、これらが全部「ここ以外で明かすことはあり得ない。仮に別の場所で明かしていたら、全体の印象が大きく異なってしまう」というタイミングで明かされ、それにより物語を更なる地平へと推し進めていくんですよ!

例えばヒロト達の戦いの主な舞台である「エルドラ」ですが、このエルドラがどういう場所かというのが明かされ始めるのは10話を超えてからとなっています(確定するのは12話とかですね)。
ネタそのものはありふれたもので特筆すべきものは特にないですし、明かされるまでに積み上げてきた「エルドラの人達との会話との微妙な噛み合わなさ」などの違和感を考えると「驚き」というよりは「そういう設定に基づいた描写」と納得してしまうような謎ではあるのですが、10話以上積み重ねないと現状の面白さって「ありえない」と思うのです。
カザミやパルヴィーズはここまでエピソードを積み重ね、精神的な成長を遂げていないと、この謎を受け止めた上で「じゃあ自分はどうするか」とならずにそのまま逃げて終わりだったのではないでしょうか?

ヒロトの過去にしてもそうで、内容そのものはおそらく大体の人の予想がついた通りであると思います(さすがにGBNを離れるきっかけとなった出来事については驚きでしたが)。
ただあそこまで引っ張らないとヒロトが過去を受け止めることが出来ないし、今を肯定する事もできない。そうなってしまうとその直後の戦いで、やってしまったことを悔やむ男と、自らの手を汚そうとする男を止められなかったと思うのです。

このように『ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE』は「ここで明かすから意味がある。逆に言えばここ以外で明かすと構成が全て崩れる」という構成になっています。なので「箸休め」のようなエピソードは一つもありませんが、代わりに「これまでの展開が繋がってくる面白さ」は突出して高いですし、一度見始めてしまえば全話見るのも苦じゃありません。
むしろ一つ大きな謎が明かされた後の14話以降はずっと「こう繋がってくるか」の連続ですし、23話以降は「前作の後の世界だからこそ出来ること」が盛り込まれた「シリーズの強み」が全面に押し出されており、見始めたら一瞬で終わると思います。
そういう意味では、WEB配信を主体としたことは強みになっているようにも思います。
1話から最新話まで、いつでも見られる状態なので、「気になったのでとりあえず一話を見てみるか」が出来る状態だからこそ「一つ一つのエピソードの繋がり」を意識しながら見る事ができる。
そして「一話から見てもらえる」ということも前提に出来るので、今回のような「大きな謎を一番やりたいタイミングまで伏せておく」が出来たんじゃないでしょうか。

そういうシナリオに答えるように演出もキレッキレだったのも本当に良かったです。
リライジングガンダム登場に合わせてOPが流れ出す演出も最高なのに、ラスボスが涙を流すシーンで一瞬曲を止めて、一言セリフを出した後でOPの「何のために泣いたんだ?何のために捨てたんだ?」の部分を合わせてくるところとか良すぎますね。

最後に

というわけで最終回直前から『ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE』を一週間で見ることに成功し、「大傑作を見れてよかった」という感動に包まれているわけですが、キャラクター的にはカザミが凄く良かったですね。
序盤こそ「実力が伴わないビッグマウス」という印象だったのですが、もう一つの特徴でもある「面倒見の良さ」はそのままに本当に「なりたい自分」になってしまったところの成長っぷりは今作でも随一だと思います。あとパル君はかわいかった。ずっとかわいかった。

さて『ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE』の配信も終わりましたが、ありがたいことに11月30日まで配信は行われるそうなので、是非ごらんください。

そして気がつけばガンプラがここに。
面白い作品だとこれがあるから困る!

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。