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三年間の集大成、そしてキャストの力を感じるライブ『Welcome to プリ☆チャンランド!』

8月22日に『キラッとプリ☆チャン』の二回目の単独ライブイベント「Welcome to プリ☆チャンランド!」が開催されました。
昨年開催された一回目の単独ライブイベントは緊急事態宣言が終わった直後の開催だったので無観客のオンラインライブでしたし、本編も放送休止が終わった直後ですから、三年目の楽曲はほぼほぼ登場してないような状態での開催でしたが、今回は初の有観客かつ三年目の楽曲も解禁ということで、とても楽しいイベントでしたね。

プリ☆チャンランドへようこそ

『キラッとプリ☆チャン』完結後としても初のライブとなる今回ですが、「テーマパーク<<プリ☆チャンランド>>にやってきた」という気持ちにさせるようなライブだったかと思います。
昼公演ではゴーゴーマスコッツが「プリ☆チャンランドのテーマソング」のような楽曲「キラッとプリ☆チャンランド」でお出迎え、夜公演ではナイトパレードの始まりを告げるかのように「A・B・C・Dいいね☆ダンス」を歌って、一曲目から盛り上がりましたね。続くメルティックスターもミラクルキラッツもゴーゴーマスコッツに負けじと盛り上げてくれていました。

全体的なセットリストとしては昼公演は「アトラクション的」で、夜公演は「パレード的」だったと思います。昼公演の方が色んなものが見れて、夜公演の方が一つの流れの中に色んなものが組み込まれている……というか。
ライブを一つの流れとして見ると、夜公演の方が見ごたえがあると思いますし、映像ソフト化された時に残るのはこちらだと思いますが、昼公演のわちゃわちゃした感じも甲乙つけがたく、どちらが良かったかは好みに依るところが大きいですね。私は夜の方が好きでした。

パフォーマンスはもう安心感しかないですね。
今回はファイルーズあいさんも徳井青空さんも欠席なので、二人が演じるキャラクターのマイソング及びユニットソングが無しではありますが、その分ユニットを組んでいるキャラクターの歌をフルで聞けたので不満なところはなかったです。「シアワ星かわいい賛歌」とか「プラネタリウムの殻」とか、フルで聞ける機会って本当に少ないですからね。

「ツヨキ!ツインテールズ」前の赤城あんなと萌黄えもの痴話喧嘩(アドリブ)はもう定番ですね。
昼公演で「黄色いバナナが喋った」と言われた萌黄えもが、夜公演では「赤ピーマン」と赤城あんなに言い返していたり、口喧嘩で赤城あんなに勝って勝ち誇る萌黄えもが見れたりと、長年一緒にやってきた久保田未夢と芹澤優の阿吽の呼吸を見れるのが本当に面白い。夜公演では緑川さら周りで揉めてたのも最高でした。

昼公演は割とアクシデントが多かったんですが(緑川さらがツインテールズにステージを譲って捌ける時に転倒して怪我をするとか、「ツヨキ!ツインテールズ」の最後で二人がぶつかってしまう……とか)、そういうところも見ていて面白かったです。

MVP

今回一番良かったのはだいあ役の佐々木李子ですね。
ライブへの初出演以来、「歌唱力と表現力が凄い」「超絶歌唱力という設定を歌で理解させてくれる」と評価し続けてきましたが、今回はWだいあでのパフォーマンスもあって、そのパフォーマンスが一番凄かった。
Wだいあは「虹ノ咲だいあ」とそのマスコットの「だいあ」の二人組ユニットで、どちらも佐々木李子が演じているんですが、Wだいあのパフォーマンスの時って「佐々木李子が二人を歌い分ける」じゃなくて「佐々木李子はどちらか片方だけを演じている」という形で登場するんですね。
なので佐々木李子が演じていない方はそのパートだけ歌を流しているのですが、「隣に『演じていない方のだいあ』がいるかのような演技をする佐々木李子」で「二人のだいあが歌っている」を表現してきたんですよ。
これは演劇的アプローチ、つまり観客の想像力に委ねたやり方ではあるんですが、これが出来るのは凄いし、なんというか「役者・佐々木李子」を見せつけられましたね。
前段階として「だいあ」「黒だいあ」の両方の歌がある辺りの構成も生かされていて、素晴らしかったです。

今回初出演のおしゃまトリックスも良かったですね。
本編においては「ダンスも苦手」でしたが、その辺を拾ったダンスパフォーマンスになっていて、動きがワンテンポずれていたり、振りが小さかったりと下手そうな感じの演技が出ていましたね。

林鼓子の成長

個人的に感慨深かったのは、桃山みらい役林鼓子さんの成長っぷりでした。
『キラッとプリ☆チャン』の主役に抜擢された頃はまだ高校一年生で、プリティーシリーズの歴代座長の中でも最年少。初めて『キラッとプリ☆チャン』の座長としてステージに立ったのが2018年のオータムライブのことで、当時は「先輩達に支えられて、どうにか立っている」という印象が強かったんですが、あれから三年という年月が経った今は本当に立派な座長になっていてびっくりしますね。
どちらかといえば林鼓子のサポートに入りがちだった久保田未夢が、今回とか結構遊んでいても問題ないし、ちゃんと本筋に戻ってきてライブを綺麗に締めるようになった。「キラッツキラッツ!」という雑な奴で、あしらったりするのは今回も見れましたね。

「『キラッとプリ☆チャン』一座の座長・林鼓子」の一つの集大成のようなライブだったと思います。
最後に深々とお辞儀してから退場していく林鼓子さんに、座長としての成長を強く感じました。

結びに

『キラッとプリ☆チャン』と過ごした三年間に一区切りをつけてもいい。
今回のライブは、素直にそう思えるような素晴らしいライブだったかと思います。
他作品との合同ライブだとどうしても聞けないような楽曲が聴けたりしましたしね。主題歌関係がほぼ「キラッとスタート!」だけでしたが、その分本編の楽曲がギュッと詰め込まれていたし、色んなアプローチが見れて楽しかったです。

ただまだ見てない物も多いんですよね。
例えばメルティックスターとメルパンのライブとかもまだですし、おしゃまトリックス・ひも見てませんからね。
『キラッとプリ☆チャン』でまた新曲が生まれる日を、そしてどこかでアニメの後の物語が紡がれることを願っております。



プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。