『メギド72』のオリエンス下方修正騒動について

先日から『メギド72』界隈で話題になっていた「オリエンスの覚醒スキルの下方修正と、それに関する運営の対応」についてなんですが、聞かれることがちょこちょこ増えてきたので書き出しておきます。

これまでの簡単なあらすじ

1. 10月に実装された新システムとそれを使用できるキャラクターの下方修正が決定
2. 景品表示法に定められた「優良誤認」に該当する可能性があるにも関わらず、その点についての対応が一切なし
3. ユーザー間で議論が起きる
4. プロデューサーがプロデューサーレターにて直々に説明するも「優良誤認では?」への解答なしで議論が過熱化
5. 結局「影響が出る」と書かれたキャラクターが登場したガチャを回した分の石が返還されることが決定
6. なおこれはサービス開始二周年記念の一週間前の出来事です

もう少し詳しいあらすじ

10月末に「オリエンス」というキャラクターが『メギド72』に実装されました。
このオリエンスは同時に実装された「バレットアーツ」という新しいシステムに対応した能力を持っていました。
バレットアーツとは簡単に言えば、「戦闘中に『バレット』と呼ばれるアイテムを精製し、それが使用された時にバレットごとに設定されている追加効果を得る」というシステムです。
オリエンスはそんなバレットアーツを最大限に活用する攻撃役として位置づけられており、バレットアーツが絡むスキルをいくつも兼ね揃えていました。
その中でも一際目を引くのは「バレットを最大で10個消費し、バレットの消費数分、ランダムな敵単体にかばう効果を無視する攻撃力2倍のダメージ」というスキルです。
先程バレットは「使用した際に追加効果を得られる」と述べましたが、オリエンスのこのスキルは「消費したバレットの追加効果が全ての攻撃に乗る」という仕様になっており、「仕込む方法を確立すれば超火力を叩き出せる」ということから実装直後からユーザーの間では「ヤバい」と話題になっていました。

オリエンス実装から一ヶ月ぐらいが経過した頃。
具体的には今週の話なんですが、突如「オリエンスのこの仕様は不具合だったので修正します」という発表がなされました。
何でも「1回のバレットによる攻撃に1個分のバレット効果がのり、バレットの所持数に応じた単体の1回攻撃が対象をランダムに最大10個分行われる」という設計だったところ、実際には「消費した最大10発のバレットの効果が10発全てに含まれた状態で攻撃が行われる」という挙動になっていたそうで。

オリエンスを使って遊んでたユーザーの一人としては「修正後は現在の性能はどう足掻いても発揮できない性能になる」という事実はなかなかショックだったんですが、まあ修正される事自体は受け止めていました。

問題は「どう足掻いても下方修正で優良誤認に該当するけど、返金する覚悟があるからやったんですよね?」というところ。
運営自ら「自分達のミスでこうなった」ということを認めて「修正する。元の性能は出せない」と言っている以上、サイゲームスが『グランブルーファンタジー』でコルワやハレゼナを下方修正した前例を見ても妥当だと思っていたので、てっきりそういう覚悟をしてやったのだと思っていました。

ですが28日に更新されたプロデューサーレターにはその辺りについて触れたテキストは見当たりませんでした。

「お詫びの量については、予想される反響の大きさをとるか、これまでの不具合としてのものを意識するかに迷いました。ここについては、お詫びの価値で納得してもらうのではなく、今後のことも考え通常の範囲を選択しました。」の一文からも分かりますが、「これがどういうことなのか」をプロデューサークラスですら全く理解できていないようなのがもうどうしようもない……。

結局このプロデューサーレターが出ても騒動は静まる気配を見せず、むしろ新しい燃料の投下に等しかったためにどんどん広がっていきました。
最終的にはその日のうちに「該当ガチャを回した人の石は全て払い戻す(無償石返還)」「それとは別に30連してもなお少し余る程度の石を配布する」「オリエンスは次のガチャから排出停止」という措置が発表されましたが、それでも「最低限の対応」であって、綺麗に収束したとはとてもとても……(少なくとも二年間で築き上げてきた信頼は、地の底にまで落ちたと言っていい)。

最後に

今回の『メギド72』の対応が何が悪かったのか。
個人的な意見ですが、「初期対応が最悪すぎた」ではないかと思います。
「オリエンスの現行の挙動は想定していないものなので後日修正を入れる。それに伴い、オリエンスは今の性能を出せなくなる」ということを発表した時点で「オリエンスの排出停止」「返金も含めた今後の対応」まで出せていれば大事にはならなかった。
今回ここまで事を大きくなったのは「『メギド72』の運営が問題を軽んじたから」だと思います。
二周年目前で色々と忙しかった事は十分に理解しますが、忙しい時に発生したからこそまずは冷静になる必要があったんじゃないでしょうか。

今後の繁栄を期待しております。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。