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何度でも見たい「夢のお祭り」があった『ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -GAZE-』

「夢を見よう」
これは『ウマ娘プリティーダービー』の2.5周年で実装されたシナリオ「プロジェクトL'Arc」のテーマです。
「凱旋門賞制覇」に向かって走っていくウマ娘達の思いを語ること、そして過去現在の全ての日本のウマ娘達の悲願を成就させようとする者達を語ろうとする物語を言い表した、これ以上ない言葉だと思います。
そんな「夢を見よう」がすっかりと体に馴染み、今年の秋はどんなヒーロー達が生まれるのだろうと気持ちが走る9月17日。
行って参りましたよ、『ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -GAZE-』!
一日目の16日は別件で見ることが叶わなかったんですが、二日目はチケットも無事にご用意されたので名古屋まで頑張って行ってきました!
席も「夢見る準備はよろしくて?」と言われているかのような良い席だったんですが、もう最高に楽しかったですね。来てよかったし、「夢のような」じゃなくて「夢の時間」でした。

夢のようなお祭り

今回のテーマは「お祭り」でしょう。
ゴールドシップ、ナカヤマフェスタ、エルコンドルパサーなどの凱旋門賞出走馬が数多く参加し、座長の役回りをキタサンブラックとサトノダイヤモンド、サトノクラウンのアニメ三期でメインキャラクター達が努めていることから「凱旋門賞」「アニメ三期」を意識する場面は多かったのですが、今回のライブ全体としては「その二つを神輿としたお祭り」という印象が強かったように思います。
『ウマ娘』のライブ公演ならではの「歌唱者の組み合わせによる文脈の面白さ(「オグリキャップ、カレンチャン、スマートファルコンならアイドルウマ娘だな!」とか)」や、「楽曲のテーマ性を歌うウマ娘の経歴で強める(「UNLIMITED IMPACT」を限界に挑んだウマ娘だけで歌うとか)」みたいな要素が面白く、まさしく夢を見ているかのような幸せな時間でした。
個人的には凱旋門賞楽曲の「L'Arc de gloire」にキタサンブラックが参加しているのには「来年自身が挑めなかったあの舞台へ、世界最強イクイノックスが挑むと言うサインでいいんですか」みたいな顔で見たり、アイドルコーデのカレンチャンに「ロードカナロア君、見てるか……」みたいな気持ちになったりさせられたりしていたのですが、やっぱり今回のようなライブだとギャルウマ娘が本当に強かったですね。全員揃ってるというのもありますけど、ぱかアゲMIXでほどほどにクールダウンさせて、後半の加速に繋げてくるのはセットリストの良さが光ってましたね。久しぶりにキタサンブラック役矢野妃菜喜のダンスも見れましたし、タップダンスシチーも素晴らしかったです。
こうした「ウマ娘一人一人の良さをガツンと押し出した構成、演出」ってアリーナツアーとなった5thライブの特徴だと思うんですよ。4thライブぐらいまでは「大勢いる中でそのキャラクターを発見する面白さ」だと思っていて、構成や演出も「全体としての見栄え」がまず置かれている印象だったんですが、5thライブはそうではなく「ここではこのウマ娘のここを好きになってもらう」「次はこの組み合わせの面白さを見てほしい」がハッキリしていて、全体として見た時にメリハリがついている。
その辺が「次は何を見せてくれるのだろう」という期待感を、そして夢が覚めない状態を作り出せてた理由なんじゃないでしょうか。

奇跡のwinning the soul

特に印象深いものは……と言われると、やっぱり「winning the soul」ですね。
皐月賞と日本ダービーを制したネオユニヴァースとトウカイテイオーに皐月賞と菊花賞を獲ったゴールドシップがクラシック三冠楽曲として位置づけられている「winning the soul」を歌う!というハイコンテクストな組み合わせだったんですが、機材トラブルでトウカイテイオーのマイクだけ死んでいて声が拾えていない。
そこでパフォーマンスを止めずにマイクを指で叩いて不調を伝えるトウカイテイオー役のMachicoの振る舞いにはプロ意識の高さを感じられる良いパフォーマンスでしたね。
また「winning the soul」自体もトウカイテイオーの箇所だけ観客が自然発生的に歌い出すことで演者と観客が一体となるステージになっていて、怪我の功名というかトラブルがポジティブなものに変わっていく展開っぷりに「現地にいる事の意味」が感じられてもう最高でしたが、アンコールで再演された際にテイオーコールが巻き起こったのはもう凄かった。
2023年にトウカイテイオーに「テイオー!テイオー!」とコールをする機会が訪れるとは思わないじゃないですか。形は違えど、その走りっぷりを見せられて称賛の気持ちで「テイオー!テイオー!」とコール出来たのはちょっと貴重すぎる体験でしたね。
機材トラブルなんかない方が良いんですけど、そのおかげで見れたものが大きいのでやっぱり「winning the soul」は今回一番かなと思います。

初出走組

初出走組ですが、まずはシリウスシンボリの話からしましょうか。私が今回のライブに行かざるを得なくなったのは、シリウスシンボリが出走することになったからなので。
シリウスシンボリに関しては、頭から爪先までシリウスシンボリそのものだったことが何より嬉しかったですね。もう全身でシリウスシンボリを演じていて、シリウスシンボリがそこにいるかのような存在感。「このライブに来ている人はシリウスシンボリが見たいんだ」という意識でステージに立っているとしか思えませんでした。
コール&レスポンスでも仔犬であることを忘れて人間の言葉で返事した者達に「ワン!」と答えるように促してくるし、本当に仔犬をやっててよかった。
ファイルーズあいのファンをやっている身としては、やっぱり「ファイルーズあいはここまでやる役者なんだ」ということが認識されたことがとにかく嬉しい。
ファイルーズあいの初ライブ出演は確か『キラッとプリチャン』のはずなんですけど、あの時も自分に出来る限界まで自身が演じていたキャラに寄せていたし、去年のライブでも忙しいはずなのに仕上げてきていて凄かったんですよ!ファンサービスもしてくれるし!
そんなファイルーズあいが多くの人に「ここまでやる人」として認識されたのは嬉しかったですね。「勝てる子だ」と思ってた競走馬がG1に勝った時ぐらい嬉しかったです。

ナカヤマフェスタも良かったですね。
下地紫野がどういう感じで出てくるのか読み切れてなかったんですが、本当にずっと「ナカヤマフェスタ」としてステージに立っていて、あまりにもナカヤマフェスタすぎて「ナカヤマ!?」と声煮出してしまうほど衝撃でした。ナカヤマフェスタは基本的に媚びないキャラだと思ってるんですけど、だからこそ下地さんのキリッとした表情が緩んだ瞬間にナカヤマフェスタっぽさがあって最高でした。

ネオユニヴァースは本当に器用としか言いようがない。
元々何を言っているのか分かりづらいキャラクターではあるんですけど、それをMCでも決めてくるので、「ネオユニヴァースはこんな感じなのか……」と一気に現実味を帯びてくる。凄い。また「通じるまで若干ラグがあるな?」と思ったらもうちょっと噛み砕いた言い回しに切り替えてくるし、白石晴香さんの中でのネオユニヴァースの調整の上手さが光っていたと思います。
言うまでもないですが、最高のパフォーマンスでした。

ノースフライト参戦決定

そしてノースフライトの参戦決定の話ですけど、現地でまさか「嘘ォ!?」と声に出てしまうような競走馬が来るとは思ってませんでしたね……。
サクラバクシンオーといえばノースフライトではあるんですが、サクラバクシンオー自体が『ウマ娘』の中では独自路線を歩んで久しいウマ娘なのでノースフライトがここで投入されて、サクラバクシンオーの走りっぷりが強化される展開は流石に予想してなかったです。三期に合わせてドゥラメンテとかリアルスティールかなと思ってたぐらいなので。
また声優も指出毬亜なのは「何処かで来そう」とは思うものの、まさかノースフライトで来るとは……。
ファイルーズあいを見に来て、指出毬亜にも差される展開は別作品でも2回ぐらいやられてるんですけど、まさか『ウマ娘』でもやられるとはね!
こういう「過去が差してくる展開」は声優オタク的には全然いいんですけど、やっぱり衝撃的だし、面白いことなので良かったです。
まあそこそこ真面目にやってる人間的には「マイルの女王が弱い訳がないし、そこに指出毬亜の声がついてるなら最強では?」みたいな打算もあるし、「指出毬亜がライブに参加した時はめっちゃいい写真がいっぱい見れるぞ!」みたいな計算もありますが……。

結びに

そんなわけで。
「ネオユニヴァースの出走決定で『名古屋遠征決定!』と友達を煽ってたら、シリウスシンボリ出走決定で自分も行くことになった」という経緯で参加することになったライブでしたが、実際に参加してみると芝1200mぐらいに一瞬で終わってしまうライブで行ったことを全然後悔しない最高のライブでした。見たいものも大体見れたのも個人的には嬉しかったです。
でも今回はまだアリーナツアーの二回目。次の公演が来年2月に待ってるんですよ。
冒頭で2.5周年で実装された「プロジェクトL'Arc」は「夢を見よう」をテーマにした物語だと述べましたけど、「プロジェクトL'Arc」が伝えたい事はもう一つあって。
それは「何度でも夢を見よう」ということ。
夢は何度だって見ていい。夢を見た回数だけ喜びもあるはずだから。
なので次の公演に「夢」を見てもいいんですよ。夢を見て、それが叶う瞬間まで長くとも短い日々を過ごしましょう。
というわけで、私は大阪公演にゴールドシップが出ることを夢に見ながら今回の話を締めくくりたいと思います。
絶対に大阪には来いよ……ゴルシ……。お前は阪神競馬場が得意だろ……。
あと京都競馬場は得意だからメジロドーベルも来てね。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。