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『ワッチャプリマジ!』甘瓜みるきの叫んだ「あざとくって何が悪い」

『ワッチャプリマジ!』も2クール目の締め括りの時期がやってきました。
2クール目はエキシビジョンのための合宿編でしたが、共同生活の中でキャラクター達のまた違った一面を見ることが出来ましたね。
例えば弥生ひながストイックすぎて生活力がなさすぎたり、心愛れもんが親しくなると結構煽ってくるタイプだったり、ひゅーいは人間の姿になっても大型犬すぎて距離感がバグってたり……。
思い出せることは色々ありますが、その締め括りに向けて物語を加速させるための一話だった20話「空前絶後の!みるきあざとい裁判だお!」は甘瓜みるきの好感度がとにかく上がる素晴らしい回でした。
エキシビジョンのセンターになるために、様々な作戦を仕掛けた甘瓜みるきがみゃむにバレて裁判にかけられる……というお話なのですが、「ありのままの自分で勝負しろ!」と糾弾された甘瓜みるきが叫んだ「あざとくって何が悪い!」が魂の叫び過ぎて、心を打たれました。

見た目で判断されてしまう

計算で「かわいい」を演出してきた甘瓜みるきですが、この見た目になる前の甘瓜みるきは地味な子でした。
今は桃色の髪で瞳も青色と印象的な外見をしていますが、それ以前の甘瓜みるきは黒髪黒瞳。「かわいい」に対する情熱や、プリマジへの強い憧れを持ちながらも、その地味な外見から周囲に注目されるようなことはありませんでした。
甘瓜みるきはそれが悔しかった。
皆同じように一生懸命育ってきて味は変わらないのに見た目の悪さから「訳あり」のラベルを貼られて安売りされる野菜のように、見た目で判断され、その魅力や自分の価値が軽く扱われてしまう事が甘瓜みるきには理不尽で、そして到底納得できない事だったのです。

「私がかわいいと思うものになる」

だから甘瓜みるきは自分が「かわいい」と思うものになることにしました。
髪を桃色に染め、メイクを覚え、「~お」という特徴的な語尾に変え、甘瓜みるきは自分の信じる『かわいい』へと変身することで、自分の『かわいい』の価値を世界に認めさせようとしたのです。
あざとい? 媚びている?
確かにそうでしょう。
甘瓜みるきは自分の『かわいい』を徹底的に演じていますね。他人に自分の信じる『かわいい』を「かわいい」と思ってもらうためなら何だってする。自分がライブするために計算高く立ち回ったこともありましたし、今回もエキシビジョンのセンターを勝ち取るために仲間を懐柔する作戦を取ろうとしました。
でも「あざとくって何が悪い」のか。
自分の信じるものの価値を認めてもらうために、他人に「私はこれが好きで、かわいいと思っているんだ」と訴えかけるために「かわいい」を演じ続けて何が悪いんでしょうか。「あざとい」と言われるぐらいの努力を積み重ねてきた甘瓜みるきに何の罪があるのでしょうか。
甘瓜みるきは自分が『かわいい』と信じるものを世界に認めさせるためにプリマジをやっています。自分が一番「かわいい」と思えるものになり、誰よりも高いステージで「かわいい」と言われること(=価値があると認めること)を目標にしてプリマジで戦っているのです。
言うなれば、甘瓜みるきは「第一印象でスポットライトを浴びることが出来なかった者達」の代弁者と言っていいでしょう。彼女は自分の信じる「かわいい」が世界に認められるために戦う勇者なのです。

この辺りの描写がされたことで、以前に「みるきには『かわいい』しかない」と言っていたことも本当にそうだったことが分かりましたね。
みるきは自分の信じる『かわいい』になるために努力を重ねている。
そんなみるきに「かわいい」以外があるはずない。『かわいい』をひたすらに追求しているわけですから、そこに『かわいい』以外が入る余地はないのです。

「あざとくて何が悪い」

また今回は「ありのままの自分」に対し、疑問点を投げかけている点も重要な点かなと思います。
「ありのままの自分」と言われた時、私は「等身大の自分」「自然体の自分」と言った意味合いだと直感的に思うのですが、その意味合いだと誰かに好かれたいためにオシャレをすることや、好きな人に好印象を抱いてもらうためにメイクすることはそれらの意味合いとは違いますよね。
もちろん自然体や等身大も大切だとは思います。ずっと背伸びした状態だと精神的にも疲れちゃいますし、そういう自分を大切にするのは間違ってるとは思いません。
しかしながら「『誰かに好感を持たれたい』と思う自分」も「ありのままの自分」ではないでしょうか。
甘瓜みるきの言う「ありのまま」というのは、つまるところそういうことなんだと思います。
確かに甘瓜みるきは「作り物」「偽物」のかわいさなのかも知れません。少なくとも「自然体で等身大の自分」かと言われると疑問符がつきます。
しかし「ありのままの自分」が求めた『かわいい』を体現していることは疑いの余地がありません。
しかし甘瓜みるきにとって、それは確かに「ありのままの自分」が夢見た姿である。
こういう「ありのままの自分」があっても良いんじゃないでしょうか。

結びに

合宿編が始まるまでは甘瓜みるきの好感度が上がると思ってませんでした。
少なくとも1クール目終了時点では「見ていて面白いキャラクター」ぐらいだったのですが、合宿編に入ってからは生活力の高さと面倒見の良さで一気に好感度が右肩上がり。
今回明かされた「何としてでも勝つ」にこだわる理由は、泥臭さと勝利への執念が強く感じられて、より一層好きになりましたね。そりゃはにたんもしょうもないことをしている時に厳しく当たるはずだ。
さて。
エキシビジョンのセンターは無事に甘瓜みるきが務める事が決まったとほぼ同時に、突如動き出したジェニファーなど見逃せないものも多くなってまいりました。
1クール目から置かれていた布石がいよいよ本格的に意味をなして来る気配がしてますが、どうなることでしょうか。
目下のところ「は次のエレメントコーデを誰が獲得するのか」でしょうか。
楽しみですね。

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。