だいあクリスマス

『キラッとプリ☆チャン』だいあの告白と友達と

先週開催されたライブイベント『プリパラ&キラッとプリ☆チャン Winter Live 2019』の開催と『キラッとプリ☆チャン』第三期の制作決定のニュースから一週間が経ちましたが、いかがお過ごしですか。
来年はプリティーシリーズ十周年もありますし、楽しみが一つ増えてハピなる!な気持ちで2020年を迎えられそうですが、年の瀬も迫った頃に超重要な話が登場するのもプリティーシリーズの楽しさ。
今週放送となった第89話「聖夜はみんなで! ジュエルかがやくクリスマス! だもん!」は、二年目の実質的な主人公である「虹ノ咲だいあ」の背負っていた物語の決着が描かれたとても素晴らしい話でしたね。
日曜の朝から号泣していたんですが、今回良かったのはやっぱり「虹ノ咲さんの嘘を告白した時の覚悟」と「それを受け止めた上でのみらい達の考え」だと思うのですよ。

嘘を告白した虹ノ咲さんの覚悟

二年目の『キラッとプリ☆チャン』は、ジュエルコレクションを目指してジュエルアイドルになるべく頑張る物語でした。
ジュエルアイドルになるためには、ジュエルオーディションに合格してジュエルコーデを手に入れなければなりません。このジュエルコーデを手に入れるためにプリチャンアイドル達は必死に頑張ってきました。本当に様々なドラマがあり、先週は赤城あんなと萌黄えもがジュエルコーデを獲得したわけですが、このジュエルオーディションにはもう一つ、別の目的がありました。

それは虹ノ咲だいあの友達を探すこと。

75話から77話で描かれたように、虹ノ咲だいあは本当の友達を求めていました。
彼女が友達がほしいと思うきっかけを作った絵本でお姫様がやっていたように服飾を学び、デザイナーズ10と呼ばれるトップデザイナー集団に所属して、それを友達作りに活かすことが出来ない引っ込み思案の虹ノ咲さんは考えました。「自分のコーデを喜んでくれるような子なら友だちになれるかも」と。
そんな考えの中で開催することに決めたのがジュエルオーディションでした。そしてそのジュエルオーディションがきっかけで、虹ノ咲だいあは桃山みらい達と仲良くなったのですが、一緒に過ごす時間が増えて、思い出がたくさん生まれていく中で「自分がジュエルオーディションの仕掛け人であること」「ジュエルコーデのデザイナーで、コーデを使ってみらい達と近づこうとしていたこと」という2つの嘘をついていた事に負い目を感じるようになっていきます。

そして今週の89話。
クリスマスイベントでジュエルコレクションを心の底から楽しみにしている桃山みらいを見ただいあは、そのいたたまれなさからジュエルオーディションそのものが虹ノ咲だいあの友達を探すためのオーディションであったことを告白し、そのまま寒い夜のキラ宿に飛び出していきました。

この時大事なのは「虹ノ咲さん自身もずっと負い目に感じていた」ということ、そして虹ノ咲さん自身も「これで縁を切られても仕方がない」と考えている事が描写されていることですね。
具体的にはこの89話の冒頭がそれに該当している描写になります。
コミカルに描かれているとは言え、「自分が嘘をついていたこと」がバレた虹ノ咲さんは桃山みらい達から拒絶する夢を見ているわけですが、これは心の底から「悪い」と思っていないと出てこないものでしょう。
またキラ宿に飛び出した虹ノ咲さんが寒いのにずっと外にいたのも、だいあに促されるまで家に帰ろうとしなかったのも負い目があるからでしょう。
「友達候補をオーディションで選んでいた」というのは全くもって事実なのですから、その残酷さを理解した虹ノ咲だいあが自罰的な行動に取るのも無理からぬことでしょう。

ただ『キラッとプリ☆チャン』が凄いと思ったのは虹ノ咲さんの行動を「理解できる」としてくれる黒川すずのようなキャラクターがいることでしょう。
誰もが「友達になりたい」と思って友達が作れるような人間ばかりじゃない。友達になるということは誰かと深く関わるということですし、拒絶される可能性もないとは言い切れません。
だから「友達候補を選ぶ」という行動を取ってしまった事そのものは「理解できる」。そういう「桃山みらいみたいになれない子」に理解の仕方を示しているのは凄く暖かいと思うんですよね。

またこの告白の決着も綺麗だと思うんですよ。
たまたまこういう形で友達になっただけで、どういう形であっても虹ノ咲さんとはきっと友達になっていただろうとするあの決着の仕方は本当に良かった。
加えて言うのなら、作中で赤城あんなも「きっかけはどうあれ、今友達でいたいかどうかですわ!」と述べていますが、みらい達にとってもう虹ノ咲さんは「友達」なので。だから本当のことを話してくれたことで、もっともっと好きになるとしたのも「友達として積み重ねてきた時間」を生かした決着の付け方で、とても美しいと思うんですよね。

佐々木李子の真に入った演技

個人的に今回「凄い」と思ったのは佐々木李子さんの演技でした。
だってライブ前の口上、完全に「だいあの真似をしている虹ノ咲さん」の演技だったじゃないですか。だいあも虹ノ咲さんも佐々木李子さんが演じている一人二役体制でしたが、ここに来て「一人の声優が演じているからこそ出来ること」をやり通して、「だいあではなく、虹ノ咲だいあがステージに立っている」ということを強調するステージを成立させるとかびっくりしましたね。

最初は「虹ノ咲さんのライブを見れるのか!」と思ったのです。
でもカットが切り替わったらCGモデルがだいあで、「えっ、なぜだいあ? ここは虹ノ咲さんのCGモデルを用意するところでしょう」と思ったのです。
しかし演技を聞いたら虹ノ咲さんだったのです。だいあの演技をしている虹ノ咲さんだったのです。
この瞬間もう「ずるいよこれ」状態でしたよ。だって「台詞一つで虹ノ咲さんのライブ」という事を理解させるんだもの。
これが成立したのはもう役者の演技力に全部委ねた演出の勝利でしょう。そしてその期待に答えきった佐々木李子さん、凄すぎる。

またジュエルチャンスがだいあと虹ノ咲だいあだったのはもう最高でしたね……。
しかも最後のジュエルコーデは友情のジュエルコーデというのがたまらなすぎる。虹ノ咲さん、本当に良かった……。

だいあとだいあ

最後に

今回の話は最終回というわけではなく「次の段階へと話を進めるための決着に過ぎない」というのが大事なところですね。
本当の事を打ち明けて虹ノ咲さんは友達になったけど、まだジュエルオーディションが終わっただけでジュエルコレクションはこれからですから。
ただ大きな話が終わってしまったのもまた事実。二年目の最後はどういう形で締めくくられるのか本当に楽しみです。

だいあが消滅する展開になったら一週間寝込みます。

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。