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配信ライブを見ていて気づいたこと

今年上半期はライブがほぼほぼ全滅でした。
行く予定だった3月の『ゾンビランドサガ』が中止から始まり、ライブや演劇が壊滅状態となってしまい途方にくれていたわけですが、下半期は逆にライブやイベントや演劇を月に一本、下手すると一週間に一本ペースで見ており、「何事もなかった去年よりも見ている」という奇妙な状態になってしまいました。
「なぜこうなったか」というと、下半期からは「配信ライブ」がイベント関係の中心になっていたからですが、何本も見ていてユーザーから見た「メリット」と「デメリット」が整理できてきたので今年のイベント事情としてまとめておきます。

メリット1:チケット代が安い

分かりやすいメリットで言えば「チケット代が安い」がありますね。
今までならライブビューイングでライブを見ようと思っても、そこそこいい金額を支払って見ていたと思いますが、配信ライブだとその半額ぐらいで見れてしまう。
具体例をあげると、私が去年参加した『プリパラ&キラッとプリ☆チャン Winter Live 2019』が一公演8300円で、無観客配信ライブとして今年7月に開催された『Hello! プリ☆チャンワールド』は一公演3500円なので本当に半額以下。出演者数とかライブ演出とか諸々が絡んでくるとはいえ、普段チケット代に支払っているお金を考えると、この値段でライブを見れるのは破格と言っていいんじゃないでしょうか?

また物理的な場所を使うわけではないので、「チケットの争奪戦」とは無縁だったり、開演直前までチケットを購入できたりするのも良かったですね。「試しに見た昼公演がよかったので夜公演も見よう」が出来たせいで、見る本数も何だかんだで増えてしまいました……。

メリット2:時間の都合をつけやすい

また「時間の都合をつけやすい」というのも、ユーザー側のメリットとして分かりやすいかなと思います。
だって「会場までの移動時間」とか発生しませんからね。
現地で見るにしろライブビューイングで見るにしろ「自宅から会場までの移動時間」が発生するのに、配信ライブなら極論ギリギリまで仕事をしていてもライブに参加できる。
私の場合は地方在住なので、ライブを現地で見ようと思ったら「半日かけて移動してライブ見る」みたいなことをやっていたんですが、配信ライブだとその辺がないので楽に参加できてましたね。まあ絶対に現地で行きたいライブの場合は、配信があっても現地に行くんですけど。

なお「移動時間が解消される」ということから「ライブから別のライブへの梯子」みたいなことをやってましたが、普通に疲れました(当たり前)。

メリット3:アーカイブがある場合もある

これはライブによって「やる/やらない」があるものなので一概には言えないのですが、「ライブ終了後にアーカイブ配信される」という場合が多いですね。
アーカイブありだと時間の都合がどうしてもつかなくて、リアルタイムでの参加は叶わなくても内容だけは確認することが出来ますし、リアルタイムで見ていても「あそこをもう一度確認したい」ということが出来たりする。
またアーカイブありの場合はライブ終了後もチケットが買えたりするので、ライブを見ていた人から「あのライブ、凄く良かったよ」と言われても見れるんですよね。チケットを買えば。
おかげでチェーンソーを振り回す平沢進とか見れました。

メリット4:配信ならではの演出もある

こちらは無観客ライブの方で多く見られましたが、「配信限定でしか出来ない演出」が多かったですね。
例えば「観客席の方に立ち入って歌う」とか「ドローンカメラを採用することで、通常ではありえないようなダイナミックなカメラワークで出演者を見ることが出来る」とか。
そうしたことが出来ない状況であっても、カメラに向かってのアピールやパフォーマンスを行っていたりと「出演者とファンを繋ぐのはカメラだけ」という状況を生かした演出の数々は見ていて面白かったです。リアルタイムでCGと合成することで現実にはありえないような映像を作り出すのもこのパターンですね。
何にしてもこの短期間の間に「この状況下だから出来る演出」がいくつも生まれていたのは凄いことだなと思います。

また舞台演劇の方も少し見させてもらいましたが、「カメラを自由に切り替えることが出来る」が結構普通になっていて、上述したアーカイブ配信と組み合わせて「このシーンの時、どうしてるのだろう」と再確認できたのは演目への理解を深める際に役に立ちました。

ただメリットも多いのですが、デメリットも相応にあった感じがしますね。
私は以下の二点が気になりました。

デメリット1:距離を感じやすい

一番大きいのは「距離を感じやすい」ということでしょうか。
出演者が観客の反応を拾うべく、チャットに投稿されたコメントを読み上げてくれたりするのですが、「コメントを読み上げる→それに対して反応する」の二段階を踏む必要があるのでタイムラグが発生してしまう。
それによって実際にライブに参加しているはずなのに、「画面の向こう側の出来事」という印象を感じてしまうことが少しありました。
『キラッとプリ☆チャン』みたいに「コンテンツそのものが配信をテーマにしている」とかだとそこも含めた没入感を感じましたが、そういうものばかりではないのでどうなるのか難しいところ。

デメリット2:非日常感が薄い

また日常と地続きな環境で見ることが多かったので「ライブに行く」という感覚に切り替わらなかったですね。非日常感、あんまりなかったです。
「ライブ会場に行く」とか「映画館に行く」ってやはり大事と言いますか、「明確な目的のために特定の場所に行く」ということで日常から非日常にスイッチが切り替わるところがあるので、そういうものが「存在しない」だけで日常の延長線感が凄かったです。
カラオケとかで見るとまた違うのかも知れませんが、今はそれも厳しいですからね……。

最後に

これを執筆している頃(2020年12月末)だと、以前のように会場で声を出して出演者を応援できるような状態に戻るのはまだまだ先になりそうな空気が漂っております。
二週間前は観客を入れてライブする予定だったのに、急遽配信限定に切り替えるケースとかも出てきていますしね。「かつてのようなライブの熱狂はまだまだ戻ってきそうにない」というのはある程度意識しておいた方がいいように思います。
この記事で取り上げた「配信が主体となったライブ公演」はその受け皿となることを期待していたので意識的に見るようにしてたんですが、正直「一長一短だなぁ」と感じています。
とはいえ、そうした配信ライブだからこそ生まれるものもなくもないですし、ある程度やってきて課題も出てきた感があるのでまだまだこれからかなと。
「いきなりだけど明日から解禁!」とかあり得ないわけですから、今後も続けていけば上で述べた部分も変わっていくのかも知れません。
「ライブは一体感!」とは『アイカツ!』の言葉ですが、どんな様式のライブがやってきても、出演者もファンもスタッフも一体となって盛り上がれる世界になるといいですね。

おまけ:今年見たライブで面白かったもの

面白かったやつ。ソフト化されるものもあるので、一応有料扱いにしておく。

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