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私にとっての”楽園”とは何か

2020年の9月に完成させたアートワーク『EDEN』について議事録も含め書き記しておこうかと思いまして。
私が手刺繍で縫い作る作品って大半が己の内部に溜まってグルグルしてる言語化できない思いやヘドロ的なものが可視化されたものなので、時間が経ってやっと少し言葉に出来る部分があったりします。

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作品名は『EDEN』とまぁありきたりなやつです。クリエイターというのは大体楽園モチーフと宗教モチーフ通りがちなんです。私も例にもれず笑

この『EDEN』はサブタイトルが『BURN OUT EDEN』、ざっくりですが『燃え尽きた楽園』みたいなイメージです。(※英語分からないので何となくイメージが伝わればいいや、と名付けてます)
私にとっての楽園とは何か?
そこは今も楽園なのか?
そもそも私にとっての楽園とは何?
ということを考えていた時期に作った作品です。

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実際に下絵を描き出したのが2019年9月、この時期は2社目のどブラック勤務から逃げて3社目の会社で働き出して数か月、というタイミングです。
8歳からファッション業界を目指してその業界に入り、お仕事をしてきたのですが色々思うところが出てきていた時期でもありました。

3社ともターゲット層も値段帯も違うアパレルの会社に勤めていたのですが2社目・3社目とも「売れてるブランド」「どうにか取り込みたいブランド」「ファッション分野以外の取引先強化」で出てくるワードやブランドが大体同じで、ターゲット違うし競合会社じゃないのに行き着く先は皆一緒とはこれ如何に、と感じていました。

まぁみんな大体繊研新聞読んでそこに載っている情報でモノ話すからOEM会社の行き着く情報先・狙うパイが一緒になってくるのはしゃーないのかなと思いつつ、そのパイは確実に減っていくのにどうしたらいいんだろう?とも感じていました。
大体これが2018年〜2020年くらいの話。

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思い返せば1社目で働いていた時はこのような葛藤をあまり感じず、楽しく働けていました。
単に新人だから深い部分まで見れていなくて何もかもが新鮮だったから、というのもありますが。
服作りに関しても1着1着に愛情を込めてサイズや生地、お客様が喜んでくれるかを考えて作れていたように思います。
それが2013年〜2015年くらいの話。
では他社勤務でも、今からでも1社目でやったようにじっくり愛情込めて作れば良いのでは?という話なのですが今ではその働き方は(所謂大多数のOEM会社では)無理なのだろうと感じています。

なぜ1社目で出来ていたやり方が今はできないのか、なぜ今はファッションビルで洋服を見ても私は胸がときめかないのか考えて、細かい要因は色々あれど結局は「時代が進んでしまったから」なのだろうなと思うに至っています。

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ファッションの世界というのは私にとっての"楽園"でした。
ずっとその世界が好きでそこで息をしていたくて、楽園の中で働いているのが楽しくて幸せでときめいていて。
ただいつの間にかその楽園は少しずつ姿を変えていたようで。
悲しいな〜とは思いつつ、そもそも私が初めて楽園を見つけたのは20年前。
そこに飛び込んで楽しくてしょうがなかった時ですら7〜8年前の話なのでそりゃあ色々変わるよな!とあっさり納得しました。
納得はしたけど私の愛していた"楽園"はほぼ無くなってしまったらしい、さぁどうしよう?と考えていたタイミングでこのコロナ騒動です。

私の小さい"楽園"どころか世界全体すら変わってしまう、全員が今まで楽園だと感じていた世界はこれで一旦全て変わってしまうしもう元の楽園には戻らない。何となくそう感じました。
この先どうなってしまうのだろう?とかなり不安な気持ちだったり、いっそ全部壊れてしまえば皆同じスタートで一から作り直せるな、とか考えたり…。
楽園が壊れてしまうのが怖い気持ちと全部壊れてしまえ、という気持ちが交互に押し寄せる中で出来上がった作品が件の『EDEN』です。

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壊れた楽園がどう再起して新しい姿を見せていけるのかまだ分からないな、と思ったりします。
世界情勢など見てると特に。さらに壊しに来る人出てくるなんて思わないじゃん!!びっくりよ!!

新しい姿を「見せてくれる」ではなく「見せていける」と表現したように、私はそろそろ楽園を享受して楽しむ側から楽園を作って行く側になりたいなと思うようになりました。
それをどう表現していいかはまだ分からないけれど、最初はTattooのモチーフに込められた祈りに乗せていければと。
皆が皆新しい楽園を作って、人の数だけ素敵な"楽園=EDEN" が増えれば良いと思っています。

私が必死こいて楽園の土地耕してる姿を見て、こんな時代でも悪いことばっかりじゃないのかもな、と思って貰えれば成功なのかな〜なんてデカい口叩いて終わりにします👼🏻








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