食中毒になった時の話

もうだいぶ昔の話だから赤裸々に話そうと思う。
10年くらい前当時付き合っていた女の子と旅行に行った。伊勢だ。僕はこう見えて神社仏閣が好きなのだ。
一度は行ってみたい伊勢神宮に行った。

伊勢神宮はそれは厳かな雰囲気でパワースポットとはこういうことかと信心深くない僕ですらなんというか歴史の重みやスピリチュアルな空気を感じ取ることができた。森がでかい。とにかくでかい。

伊勢神宮近くで食べた牛串もそれはそれは美味しく、神の味がしたものだ。

1日目はそんな伊勢を満喫し美味しいご飯をたべ旅館で眠りについた。

翌日はスナメリに会うべく鳥羽水族館に赴いた。スナメリだったかシロイルカだったかは覚えていないが鳥羽水族館は遠かった。車で1時間くらいかかったであろうか。

生まれて初めてみたスナメリだかシロイルカだかわからない生き物は思ったよりも可愛くなかったことは覚えている。想像と違う!と言いたかった。

そしてそれはイルカショーを見ている時だった。

ん、お腹が痛いぞ

唐突にやってきたそれは天を裂くような腹痛。たまらずトイレに駆け込むもただ痛いだけ。なにかがおかしい。しかしまだ動ける身体でなんとか水族館を一通り見て周ったが、彼女をほぼひとりで水族館を回らせることになってしまった。やや不機嫌になっていた。それはそうだろうが、まあしょうがないと水族館をあとにした。

まだ余裕があったというか、食中毒になったことに気がついてなかったのでドライブと洒落込みさらに海に向かい進んで行ったのが運の尽き。腹を下しているだけに。

動けないほどの腹痛がついにやってきてこれはさすがに戻らないとまずい!と感じて事情を話し、帰路に着くが、10分なんとか車を走らせては公衆便所に駆け込む地獄のドライブと化してしまったのだ。

しかも伊勢駅に近づくにつれ大渋滞。これは終わった…そう。もう身体が終わったのだ。
もう動けない、絶対に体を垂直にすることが出来ないと悟った僕は同乗する彼女に運転を変わってもらい後部座席で横になった。

ペーのパードライバーの彼女はそうとう緊張しただろう。隣に誰も居ない状態であと5km運転せねばならないのだ。本当に悪いことをした。

しかし悪いのは本当に僕なのだろうか?ほぼ同じものを食べ当たったのは僕だけ。唯一違うものを食べたといえばそう、神の味の牛串である。

炎天下の屋台で食べた牛串。お前のせいである。

ほぼ腹痛で記憶がないが最後の駐車は僕が決めた気がしている。命からがら部屋に戻りトイレに篭り、祈るような気持ちで眠り次の日を迎えた。なんとここまで漏らすことはしなかった。神とのプライドバトルに勝ったのだ。

そんな勝利を祝ってか、腹もそれほど痛くない。

まだ心なしか腹痛を感じるが、昨日の地獄のような腹痛ではない!動ける!
動けることに喜びを感じ3日目を無事迎えることが出来たのであった。3日目に何をしたかは全く覚えていない。1日目に行ったお茶屋が素晴らしかったのでもう一回行ったことは覚えている。

みんな、夏場の屋台の食べ物にはじゅうぶん気をつけよう。

ps.帰りのどっかでお土産で買ったオレンジジュースを紛失しました

もらったサポートでご飯をたべます。