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Amazon Prime Videoの「アップロード」は良い実験的作品 啓蒙の役割も持っている

アップロード〜デジタルなあの世へようこそ〜とは、Amazon Prime Videoで視聴することができるAmazon Original 作品である。近未来が舞台となり、人間の意識を仮想世界にアップロードすることが技術的に可能になった設定で人間ドラマや事件が描かれている。

このドラマの面白い点は、意識をアップロードすることが可能になったときに起こりうる問題や感情の葛藤などが作り込まれているところである。ノリはコミカルではあるが、妙にリアルなテクノロジーが物語の展開に説得力を加えている。

この作品は2020年にシーズン1が配信され、2022年にシーズン2が配信された。大きな話題にはならないものの、レビュー数値はシーズン1、シーズン2ともに★4.5の高評価を叩き出している。

これを誰が見て喜んでいるかというと、テクノロジー好きのSFオタクとかベンチャー界隈の人間、そして死が怖い(タナトフォビア)人間だと思う。
もちろん私も例外ではない。

物語は純粋におもしろく、「アップロードが可能な世の中になったら何がどうなるのだろう」と想像を巡らすための良い材料になる。注目したいのは、このような作品(死を回避してデジタルなあの世に意識をアップロードすることができる世界の話)が世の中にウケているという事実である。
LIFE SPANでデイビット・シンクレアが「長寿命を実現したとしても人間は住む場所には困らない」と熱弁したように、アップロードもまた「死を回避して意識を生き永らえさせても世の中どうにかなる」というメッセージが含められているように思える。
言うなれば、啓蒙的な役割も果たしている。私はそこに注目したい。

このドラマで描かれているような「意識のアップロード」はベンチャー企業などが研究開発を進めている。東京大学の教授がメンバーとしても参画している株式会社マインドインアデバイスはまさに、人間の意識を機械にアップロードするサービスの実現に向けて取り組んでいる。



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