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てぃくる 719 朱の衣

「どれほどわたくしに朱い衣を着せても、心を燃すことはできませぬ」
「うぬぬ……」

(球根ベゴニア)


 袖を取ろうとすれば袖が朽ち。
 帯を解こうとすれば帯が朽ちる。

 すでに燃え落ちた心は、緋の衣をも端から灰に変えてゆく。
 何一つ残らなくなるまで。ゆっくりと。

☆ ☆


 ……というわけで。
 すっかり猛暑で焼けて、灰状態のわたし。けふんけふん。

(2020-09-11)

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