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てぃくる 545 儚い天下

 私の世は そろそろ尽きる

 抜きん出る者が 私以外誰もいなかったから
 ここは 私の天下になった

 今は 確かに我が世の春だが
 足元にはもう 私がいない

 足元にはもう
 私がいない


 ハルジオンは、春が過ぎたら退場ではあるんですが。
 こうして対比してみると、趨勢の変化というのは本当に恐ろしいもんだなあと思います。

 ハルジオン本来の葉は、茂りまくったヒルガオに完全に覆い尽くされ、どこにあるのかすらわかりません。緑の小姓たちを従えているように見えるハルジオン大公は、もはや立っているのも危うい有様。間もなく政権交代し、そこはヒルガオの天下になるでしょう。

 でもね。ヒルガオを凌駕する化け物が入ってくれば、すぐさま戦国時代の到来です。乱入者の筆頭は、ヤブガラシだろうなあ。


梅雨雲の陰でうごめく蔓緑

(2019-05-28)

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