デッドエンドの季節

私は日常に写真を撮るという習慣がなかった。スマホという携帯できる便利で高画質のカメラ機能を常に持っていながら、はたまた、友人に写真好きが何人もいながら、私自身写真を撮るということにまったく熱心でなかった。
だから、友人と旅行に行っても、私は観光地の写真はおなざり程度に撮るだけで、写真を撮るのに忙しい友人を置いて、スタスタと先に進んでしまったり、飲食店に入っても、提供された料理に友人はまず、スマホを取り出してシャッターを何度も切っているのを横目に、私はすでに料理に口を付けていたりした。

事あるごとに写真を撮る友人に対して疎ましく思ったことはない。撮った写真を編集したり、思い出の写真を几帳面にアルバムにしまったり、写真を撮ることが趣味の人は世の中に大勢いて、楽しみ方はその人の自由なので、特に私が言うことも、思うこともない。

ただ、最近は私も出先で写真を撮ることが以前に比べて増えた気がする。それは、他者に情報を伝達する手段として、文字よりも多くの情報を、一瞬で伝えられる写真というものが有用だと思い始めたから。綺麗な景色を他人に伝えるのに、文字で説明するよりも、写真で伝えた方がはるかに心に訴える力を持っていると思っている。

しかし、習慣として、まだまだ写真を撮ることが身についていない私は、今日一日イベントに参加してきたというのに(一日中その会場にいたというのに)、写真をただの一枚も撮っていなかった。とんだヌケサクだ。

だから、この投稿にも載せるはずだった写真はない。

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