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自室の本棚を語るだけ

・もうほんと何でもいいから文章が書きたい!のでタイトル通り自室の本棚の一角をご紹介。

【都会のトム&ソーヤ 1〜18巻+α】
 言わずと知れたはやみねかおるさんの名作。比較的長編の本を読み始めたきっかけがこのシリーズで、小学3か4年生あたりでとても熱中して読み耽っていた記憶がある。ゲームブックやガイドブックも含めて今日まで私の読書体験の原点として本棚に鎮座している。日常の中に冒険心を抱くこと、が主軸に置かれた作品だと解釈していて、私の持っている日常の中の気づきから文章を書きがちな癖はここがルーツなのかも知れない。
あとやたら偶然見つけた路地裏やら階段やらを進みたがるのは確実にこの作品の影響。


他のお気に入りのブースたち。

手前は伏見稲荷で購入した狐とカプセルトイの白澤

【ハチミツとクローバー イラストレーションズ】
 羽海野チカさん作の漫画、『ハチミツとクローバー』のイラスト集。自宅にたまたまあった作品を読んでどうしても手に入れたくなった結果取り寄せまでした一冊だ。作品では美大生の主人公と彼を取り巻く仲間たちの間で繰り広げられる青春と恋の物語、かと思えば物語上で大人として位置付けられる登場人物たちについてもそれぞれの苦悩や守りたいものが描かれたり。舞台装置としての登場人物が1人もいない作品で、1人1人がそれぞれの人生をきちんと生きていることが感じられるところが非常に緻密。

【PaPa told me シーズンセレクション】
 自宅にたまたまあった作品その2。作者は榛野なな恵さん。作家を父にもつ小学生、的場知世ちゃんの暮らす英国風の街を舞台に描かれる群像劇系の物語で、このシリーズでは各話完結で季節ごとのお話がまとめられている。中心人物が小学生でありながら各話ごとに取り扱うテーマはかなりシビア(シングルマザーとして生きる女性の葛藤と幸せ、両親が離婚した子どもの視点から見る家族の現在とこれから など)で、大人も子どもも誰しもが己の人生の中で壁にぶつかり苦しみながらときに諦め、ときに奮起しながら毎日を生きていく姿が繊細で丁寧な絵柄で記されている。自分と境遇の重なる登場人物も多くいるため何度も救われた作品。

【朝井リョウさんの本】
 最近初めて朝井さんの作品を読んだ。『世にも奇妙な君物語』では毎話予想だにしない急展開が楽しめるので短編集とは思えない満足感と良質な脳と精神の疲弊を体感できる。
『時をかけるゆとり』はエッセイ集で、朝井さんの大学時代や作家としてデビューする以前やその後のエピソードが掲載されている。どれも軽妙な読み心地でありながら時折混じる創作に対する強い熱意が見える点がお気に入り。

【森見登美彦さんの本】
 大好き!!本当に大好き!!個性溢れる登場人物たちが巻き起こす騒動で、現実と地続きな京都の地に夢幻のような世界観を塗り広げていく展開がたまらない。昨夏旅行で京都を訪れたことでより物語の解像度が上がって嬉しい。
1番好きなのは『四畳半神話体系』で、番外編『四畳半タイムマシンブルース』できちんと主人公の「私」の恋が落ち着くところに落ち着いていて安心した。また近代日本文学大好き人間であるので『新釈 走れメロス』は好きな作家が好きな作品を再解釈した物語なんて最高だ!と一気に読み切った。
『恋文の技術』は未読なので今やっている諸々が片付いたら読もうと思う。

【星野源さんの本】
 自分がエッセイが好きであることに気づいたタイミングでその手の本を読み漁るべく購入。学生時代の話、役者としての話、バンド活動の話などなどがたくさん詰まった4冊の中で1番印象に残っているのはやはり、くも膜下出血を経験した際の1話だった。仕事に忙殺される日々が続いたのちに倒れた当日の様子、目が覚めて襲われた強烈な頭痛、その苦しみ。決して飾らない素朴な言葉で語られるそれが却って生々しく、読んでいるだけで眉間に皺が寄りそうになる。それでも懸命な治療によって一命をとりとめ奇跡的な回復へと向かう姿に人の生命力の底力を感じた。このエピソードと合わせて星野さんの楽曲『地獄でなぜ悪い』を聴くのが個人的にとてもおすすめ。ポップな音楽に乗せられる切実で力強いメッセージ性をもつ歌詞が大好き。

清々しいほどの己が内臓の開陳

【哲学系の本】
 興味はあるけど読めていない本がたくさん。斜めになっている『哲学入門』は詐称だろ!と言いたくなるほど難しく、知人に押し付けられた本というのもあって寝かせている。未来の自分に期待。

【文学系の本】
 太宰治にまつわる本が多いが実は1番好きなのは梶井基次郎。何せ私をこの分野にひきずり込んだのは他ならぬ彼の著作、『桜の樹の下には』であったので。太宰の作品なら『葉桜と魔笛』がお気に入り。『文豪の素顔』は最近購入したもので、明治から昭和にかけての文豪に関する写真資料が豊富な一冊。が、島崎藤村の所業がえげつなさすぎてそこから進めていない。『文豪きょうは何の日?』では366日分の文豪エピソードが集められていて、これを書いている5/22は内田百聞が戦火で失った家から新居へ引っ越した日らしい。

【その他】
 岩波ブックレットから気になったタイトルのものをちまちま買い集めている。この中では『誰のための排除アート?』が興味深かった。
 『愛着障害』は自分の心に起きていることを理解するための知識を求めて購入した。かなり苦しんで読んだ記憶があるが、今まで不可解で恐ろしくもあった自分の心の動きを論理的に紐解いてくれる記述がたくさんあり、確かに私の血肉となった大切な本でもある。隣のカバーのかかった2冊も同じように手にした。
 大阪の旅行ガイドは友人との関西旅行の際にせっかくだからそれっぽいものを準備しようと2人で書店で選んだもの。今もたまに読み返して楽しい気分になっている。


・こんな感じ!漫画では他にも『動物のお医者さん』『鬼灯の冷徹』が好き。改めて自分のコレクションを思い返してみると新鮮な発見があって楽しいし、がしがし文字も打てて満足。

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