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【ねこ】まぐろ旅行記 或いは ①

京急電鉄「みさきまぐろきっぷ」なるものをご存知であろうか。

・主要駅から京急三崎口駅までの往復運賃(途中下車可、ただし逆戻りは不可)
・指定区間内での京急バスの運賃
・指定店舗の中から二店での飲食や体験の代金

などの全てを3枚組1つの切符で賄うことができてしまう大変な優れものである。先日この切符を利用して小旅行を敢行してきたためその記録を書いていきたいと思う。
(なおこの文章はあくまで不肖学生の1人旅の垂れ流しであり、有益な情報は今後何1つ含まれません!精々まぐろきっぷでの旅の雰囲気をご紹介できる程度かと思われますので詳細につきましては以下のページをどうぞ)

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さて、某日朝10時過ぎ。
品川駅にて旅の要「みさきまぐろきっぷ」を手にした私はそのまま京急本線の快特に乗車。途中乗り換えをはさみつつ一時間強ほど揺られていると、終点三崎口駅にほど近くなったあたりから車窓から海を望めるようになってきた。家々の狭間からちらちらと見え隠れする鮮やかな青色で否応なしにテンションが上がる。浮かれ観光客丸出しで動画も取ってしまった。

ちら見えする海

そして三崎口駅に到着!この時点で時刻は12時半だったのでさっそく昼食を求めて京急バスに乗車。

よく見ると三崎“マグ”ロ駅

漁船がたくさん浮かぶ港の周囲をぐるりとまわるように走るバスでたどり着いたのは京急バス日ノ出駅。ひとしきり港を眺め、きっぷの存在を知ったときから目星をつけておいたお店まで歩こうと地図アプリを立ち上げたがバス停から徒歩1分もかからない抜群のアクセスの良さですぐに辿り着いてしまった。

暖簾かわいい

いざ暖簾をくぐると、店内は私と同じような旅行客からお仕事中であろう人まで沢山のお客さんで賑わっていた。気さくな印象のご主人にカウンターに促され、わくわくしながら待つこと数分。
店員さんの「お待たせしました~」の声に液晶から目線を上げると、

説明不要

やった~~~~~~~~~~~~~~!!!!☺☺☺☺☺☺☺

こちらこそが今回の旅の最たる目的、
「まぐろ4種のとろとろ丼」。
もうこんなのひと目見ただけでその新鮮さも美味しさも丸分かりである。ずっぶずぶの素人目でも分かる。絶対に絶対に絶対に美味しい。

実食してみるとやはり当然美味しい。

くさみなどは全く無く、想像上の「美味しいまぐろ」の味をすっぱりそのまま、更に何倍も格上げして感じさせられた。特に卵黄とユッケの相性が最高。味蕾が過ぎた多幸感に浸されているのが分かる。メインの丼ぶりもさることながら付け合せのまぐろの角煮やお吸い物のまぐろのつみれもまた良くて、脇役と言うには勿体無いほど。
本当に美味しかった。

至福の時を過ごしたあとはお店周辺の路地をうろうろ。よく晴れていて少し暖かい日だったので潮風の匂いと日差しがとても心地よかった。趣のある木造建築が点在する町は食後の無作為な散策にはおあつらえ向きだ。
しばらく歩くと唐突に長い階段が見えてきた。普段であれば確実に迂回の道を探す状況だが、旅先マジックの気まぐれで登ってみることにした。

ぜえはあ


体力皆無のインドア派にはかなり堪える急階段を越えると今度はがさごそと何かが走るような音を立てる木々の群れに差し掛かった。墓地が近いようで昼間ながらかなり不穏な雰囲気がする。怯えながらも好奇心に抗えず茂みの深い方を覗き込む。

きゃわ

リスがいた。何だ、リスか。

リス!?

比較的都会育ちの私は生まれてこの方初めて見るリスにビビリ倒した。2匹いたし。
動画と写真を友人に送信しつつそこを抜けると、素朴な出で立ちのお寺の本堂が見えてきた。周囲には花をつけた木やお地蔵様の像がある。建てられた看板を読むに源頼朝と縁のあるお寺であるそうで、本瑞寺というらしい。
静謐で穏やかな空間だった。

その後メジロが数匹飛んでいるのを見つけて逆光と格闘しつつ撮影を試みているとどこからともなく白いねこも現れた。

美人さん

リスにメジロに随分大盤振る舞いなお寺だ。こちらを一瞥してまたどこかへ行ってしまったねこに手を振って、お地蔵様にお賽銭と参拝を済ます。
するとなんと本堂の清掃をなさっていた方が声をかけて下さって、ご厚意で少しお寺を案内して頂いた。
その方としばらくお話し、そろそろお暇しようと急階段を下っていった。何気なく訪れた場所ではあったが想定以上の出来事に恵まれてすでに少々満足である。

また散策を続けて次は細い路地裏に入り込んでみた。沢山の貝殻、土の入ったプランター、ひっくり返されたビール瓶のケース。それぞれの家の前にそれぞれの品がときに雑多に、ときに整然と並べられている様を眺めつつ歩く。土の匂いが鼻を掠めた。

よい路地

あ、

ねこだ。

この町ねこ多いな、かわいいねえ
呑気にそんなことを思いながらふと左手に視線を移すと、

!?

もう1匹いた。しかもこの子はファンサービス手厚いことにこちら側に寄ってきてくれた。

良いんですか!?

ひとしきりもふもふを堪能させて貰って、名残惜しくも歩き出す。いやはや港町の路地裏のねこと戯れるなんて、内陸育ちの私にとっては憧れの経験そのものだ。2匹も同時に現れてくれたし今日は運が良いみたい。

…………

…………………ええ?

ずっといましたが?みたいな顔してる

体感だが先程の場所から数10mも歩いていないのにまたしてもねことエンカウントした。写真だとわかりにくいがハチワレの子の他に奥にキジトラの子がいる。
この子たちはどうやら仲が良いらしく、眺めていると2匹でとてもかわいい姿を見せてくれた。

かわいいねえ~~~~~😭

さて写真も撮ったしそろそろ行こうかな。


振り向くとそこには

おいちょっと待ってくれ

何なんだこの町。何なんだこの路地裏。
余りにも自分に都合が良すぎるシチュエーションすぎて恐怖すら覚えてきた。ここは本当に現実?
しかも遭遇した子はこの他にもいる。

目が綺麗ね
ひなたぼっこしてた

ここまでで紹介した子とはみんな範囲としては物凄く狭い中で出会ったので、恐らく町では他にもまだまだ沢山のねこが暮らしているのだろう。温かい人々と美味しい食べ物に恵まれて、漁船の揺れる港を眺めながら。
それは彼らにとっても幸せで素敵なことだろう。
よそ者ながらそうであることを願っている。


ねこ達と別れ、今度は京急バス三崎港駅付近まで歩いてきた。

家長むぎちゃんのぬいと共に

船着き場の近くに腰を下ろし、ぽけーっと海を眺める。何を隠そう基本的にノープラン人間であるところをばっちりと発揮していた私は昼食後の予定を一切決めておらず、この後の行き先に困ってしまったのだ。
せっかくバスに乗り放題なのだから、遠くまで足を伸ばそうかと思い立ち、まぐろきっぷのパンフレットを調べていると、「馬ノ背洞門」という場所が目に止まった。海からの侵食のみで形作られた、自然の造形美を誇る洞穴だ。
行ってみようかな?

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想像以上に冗長で壮大な紀行になってしまいそうなので今回はこの辺りで締めようと思います。ここまで読んで下さった方がもしいらっしゃれば本当にありがとうございます。続きが出たときはまたお付き合い頂けると嬉しいです!

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