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短歌➕エッセイ ミルフィーユ 邂逅編 2

 (莉絵、実家の小さい庭にコスモス咲いてたね 懐かしくも切ない 涙)


こんな日が 来るとは思わず お互いが

秋櫻見つめ 昔を想う

こんなひが くるとはおもわず おたがいが

コスモス見つめ むかしをおもう



母グレースは 色白でスラリと背が高い(中学時代のあだ名は ガイジン らしい)

我が母ながら 惚れ惚れと 着物姿に見入っていた かっぱえびせん食べながら
(かっぱえびせん、美味しいですよねぇ~? 止まらない美味しさ そうなの
 もう どうにも止まらない 🎵 by  リンダ 誰にも止められない 笑)

「ミルフィーユ わたし 成敗して来ます ミルフィーユをいきなり叩いた 婆様を」

母は 子供に対しても一人称だった 常に わたし ハイ わ た し

お母さんとは言わない 決して 一度も

母グレースは ホットケーキ食べながら 強い子のミロを飲んでいた姉の

ソフィアリエンヌに 「着いて来て」と ひとこと 

母グレースは 足早に歩く  ソフィアリエンヌは 静かに着いてゆく

グレースとソフィアリエンヌ 歳の離れた姉妹のように そっくりだった
(ソフィアリエンヌは中学校の時 学校1の美少女として有名だった)

書道教室の玄関前  グレースは着物の襟を正す   か ん ぺ き

「瑞でございます ご挨拶とお礼に 伺いました」と グレース

待つこと数分 書道教室の 先生こと 婆様が出て来た

「あら 瑞さんの奥様 茉莉ちゃん 突然居なくなって 心配してたのよ」

グレース 手の甲で 婆様の頬を 有無を言わさず 平手打ち ビシッ

「瑞さん いきなりなんですか? 失礼じゃない!」よろける婆様

「うちの娘 ミルフィーユも 突然 手を叩かれたと泣いて帰って来ましたので

 お礼に 参りました いかがですか?いきなりぶたれて」毅然とするグレース

「茉莉ちゃん 筆の持ち方が少し違っていたので 正しました」ハァ?

謝りもせず 聞き苦しい言い訳をする 婆様

グレース 今度は 婆様の胸を ど突く バッグで ドシっ!
(故夏目雅子さんの 鬼龍院正子の生涯の 名シーンのよう)
(なめたら いかんぜよ!)

流石は 我が母グレース 自分自身 夫 娘達の誇りを汚されたら

なめたらいかんぜよ!!が 発動します! ど迫力なんだから ^_^

「うちの娘 馬でも動物でもないです 小さい女の子です!理由も告げず

 いきなり定規で叩くとは センセ 教え方 ご存知ないようですので

 ミルフィーユもここにいる ソフィアリエンヌも 今日にて辞めさせます

 ついては 先に納めました お月謝 すぐ返していただきます」

 グレースの毅然とした態度に たじろぐ婆様 オロオロ 右往左往

 奥の座敷にある金庫から 一万円札 一枚取り出す

 お札を 裸のまま渡す 婆様

 「センセ お金は 封筒に入れて お渡しするものですよ 御作法もご存じない

  お方に 書を習うほど うちの娘達 お利口ではございませんので失礼します」

  グレース VS 婆様   グレース圧勝(BGM 威風堂々 🎵)

  「ソフィアリエンヌ クロワッサン買って帰りましょう!」

 そうなんです 母グレースは 大のクロワッサン好き で 凝り性なの

 いつもは パシリチャンピオンのミルフィーユにお使いさせるけど 今日は免除
(丹前 婆様に体罰されて 悲しみのあまり かっぱえびせん一気喰い中)
 そこのアナタ 笑っていいんですよ 私 失笑より爆笑がいいの

 しろくまパンに行き「こんにちは クロワッサン あるだけ全部下さい」

 母グレースの迫力と 娘を守る行動に 圧倒的されっぱなしのソフィアリエンヌ

 グレースの熱き血潮は 確実に ソフィアリエンヌに 引き継がれてゆく



 莉絵からのメールを 淡々と見ていた 茉莉

 躊躇することなく すぐ返信した

 【莉絵さん おめでとうメールありがとうございました 嬉しいです】

どちらが電話したのか 覚えていない

莉絵と話すことが またあるなんて 思っても居なかった 茉莉

互いの近況を話す 12年の空白が 瞬間に消えてゆく

「どうして おめでとうのメールくれたの?」

「私の誕生日に 茉莉さんから おめでとうってメールきたから この日を

 待ってメールしたの 私も茉莉さんの誕生日にメールしようと決めていたから」


 莉絵の誕生日に メールしただろうか?

 それすら 思い出せないほど 混乱が続いていた日々だった  

 絶望と不安と緊張の長い長い 時間だった

 誰が 莉絵と茉莉の仲を割いたなんて もうどうでもいい

 それから毎日 LINEをするようになった

 おはようから おやすみまで

 莉絵も孤独を抱えながら 生きていた

 茉莉も孤独を抱えながら 生きていた


 ある日 莉絵が

 私 誰のことも 悪く言いたくないし 悪く思いたくないよ と言った

 これこそ莉絵の 性格をあらわす言葉だ

 絶望のどん底から 這い上がりつつあった茉莉

 ずっと 死にたいと想うほど 鬱鬱した日々を 送らざる得ない状況にいた茉莉

 父が 母が 親友が 空から見ていたのだろうか

 それは 妹思いの 優しい莉絵が 勇気を出してメールをしたから

 12年という 長く 溟い 混沌とした 日々を過ごした 茉莉

 ありがとう 莉絵

 あのメールで 一瞬に 普通の姉妹に戻ったね

 莉絵にとっても 茉莉にとっても 長い長い 時間だった

 莉絵は素敵な お姉ちゃま のままだった   (了)


本日も最後までお読みいただき ありがとうございました

実話です 莉絵と約12年 音信不通だったのは

莉絵が 誰のことも 悪く言いたくないし 思いたくないと 多分

渾身のちからを込めて 言ったのだと思う

夏に復活した二人 電話で声は聞いた 私の近況写真を数枚送った

莉絵が 茉莉さん 生きていてくれて ありがとうと 言った

ここまで 回復してくれて ありがとう とも言われた

やっぱり莉絵だ

amiちゃん 莉絵とも 邂逅したよ

恩讐の彼方に


温かい気持ちになるね? 莉絵さん ありがとうメールを 姉妹復活 めでたい!


#義絶 #邂逅 #恩讐の彼方に #復活 #実話
#帰郷 #なめたらいかんぜよ




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