名画『モナ・リザ』に“神の子羊”と“天使の翼”を見た経緯と考察 #21
#21 おとぎ話(その5)-大島みち子さんについて-
この神様は、絵画、楽曲、レコードジャケット、バンド名、小説、映画、インフラストラクチャーといったあらゆるものにその力を行使しています。その力はあまりに強大で、私の想像をはるかに超えています。これほどの力を持つ者が、なぜこのようなことをしているのか? そのようなことをしてまで、私たちに伝えたいこととは一体何なのでしょうか?
この点に関して、大島みち子さんについて触れておきたいことがあります。
映画『愛と死を見つめて』において、大島みち子さんは、「小島道子」という名前で登場します。そう、彼女の名前に「道」という字があてられています。『モナ・リザ』においてイエス・キリストに相当する顔の右半分、そして道子という名前、これらを踏まえると、映画における小島道子という人物は、イエス・キリストを象徴する存在として、描かれていたのではないでしょうか。
実は、気になっていることが一つあります。それは、大島みち子さんの病気に関することです。書籍に記載してあったことなのですが、軟骨肉腫が顔に生じることは稀だそうです。当時の阪大病院でも、顔に生じた症例は大島みち子さんが初めてだったそうです。また病気とは関係ないのですが、実は、大島みち子さんの病室には絵が飾られていました。その絵とは、モナ・リザではなく、河野實さんが描いて大島みち子さんに送った「吉永小百合」さんの絵だったのです。
これらの事実を知ったとき、私はとても驚き、そして怖くなりました。大島みち子さんが軟骨肉腫を患うこと、河野實さんとの出会い、手紙のやりとり、その手紙が書籍化され、映画化され、そしてその配役までもが、神様によって決定されていたことなのではないかと思えたからです。
仮にもしそうだとすれば、一人の若き女性の青春とその命までも犠牲にしてまで、神様は何を伝えようとしたのか。勿論、『愛と死をみつめて』を見れば、ミコとマコが築いた愛の深さ、尊さ、そして儚さを感じ取ることはできます。しかし、なぜ敢えてそれを示す必要があったのか。
『愛と死をみつめて』が出版され、映画が公開された頃の日本は、高度経済成長期の真っただ中にあって、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となっていました。1964年には東京オリンピックが開催され、1970年には大阪万国博覧会が開催されました。大量のお金が流通する時代に突入したのです。
そして、それから60年ほど経った現在の日本では、2021年に2度目の東京オリンピックが開催され、2025年には2度目の大阪万国博覧会が開催される予定です。
しかしながら、GDPで比較した現在(2024年)の日本国の経済力は、世界で第4位となっています。そして、日本国債の発行残高は1000兆円に達しており、この数字は、対GDP比で考えた場合、世界ワースト1位だそうです。このままでいくと、最悪の場合、「円」の価値が大暴落してハイパーインフレーションやデノミネーションが起きる可能性があるとさえ言われています。お金の力がどんどん弱まってきている。そういう時代に入りつつあるのではないでしょうかと
もしかしたら神様は、あの映画を通じて、お金が過度に尊重されて愛がおろそかにされる時代がやってくるという警鐘を鳴らそうとしていたのかもしれません。お金よりも愛の尊さを再認識して大事にする新しい次の時代がやってくることを示すために。
ですが、その新しい時代に進むためには、貨幣経済に慣らされた今の私たちが真の愛を得てこれを流通させるためには、河野實さんと大島みち子さんが経験されたような深い悲しみと苦しみに耐え抜かねばならないかもしれません。彼らだけがそういう思いをしなければならない理由などどこにも存在しないのですから。
大島みち子さんが1963年に亡くなられてから、60年以上が経ちました。先日私は、兵庫県西脇市にある大島みち子さんのお墓にお墓参りに行って手を合わせてきました。西脇市は、自然豊かで明るくてとても素晴らしい所でした。できればここに住んでみたいと思ったくらいです。これからもできる限り足を運びたいと思っています。
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