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みずき工房が掲げる家づくり

「ちいさい・ちょうどいい・ほんものの家」を掲げるみずき工房。

住む人のことを一番に考えた家づくりを、自分の信念に背くことなく突き詰めたところ、行き着いたのが伝統構法であり、自然素材を使うこと。

なぜ、そこにこだわるのか、普段は多くを語らない水木棟梁にお話を伺いました。そこには、現代の住宅業界への疑問と、それに対する挑戦が見えてきます。みずき工房が挑戦する家づくり、6つのこだわりポイントを紹介します。

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1. 自然素材にこだわります

みずき工房では、木や竹、土などの自然素材にこだわった家づくりを行っています。

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その理由を「新建材が生まれつき受け付けないんですよ」と語る水木棟梁。そのルーツを尋ねると、学校の帰り道に目に止まったゴミを拾って帰らないではいられないような高校生だったというエピソードを語ってくれました。「地球に優しい」を、誰かに言われなくても勝手に体が動いて実践していた、そんな一面があったようです。

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現代の一般的な家づくりでは、ボードにビニールクロスを貼るということが当たり前ですが、そのような現場では、プラスチックや接着剤などの化学物質を多用することになります。修行時代の工務店でそうした現場も見てきた水木棟梁は、それらが解体された時にゴミとなることが問題である上、さらに材料自体が体に毒なのではないか? そのような材料を使うのはおかしいのではないか? と疑問に感じていたそうです。

そのため、「みずき工房」として独立してからは、昔から使われてきた家づくりの材料(木や土)を用いることにこだわっています。そして、それを本物の家づくりと考えます。完成した家では、いわゆる新築の臭いといわれる化学物質の臭いを感じません。構造見学会や完成見学会で、ぜひ、体感してみてください。


2. 骨組みは命。安全安心な家づくり

みずき工房では、宮大工として修行時代に培った伝統構法にこだわります。金物を使って固定するのではなく、柱や梁の仕口や継手を手刻みで凸凹に加工し、しっかりと組みあげます。また、柱と柱の間に貫という水平に渡す木材を通し、建物の骨格をつくっています。この工法は、地震による大きな力が加わった時、変形や歪みが生じて傾くことはあっても、倒れにくく、中の人の命を守ると考えられています。

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一方、一般的な在来工法では、接合部を金物で固定し、筋交いという木材を斜めに渡し、変形させない構造を用います。一定以上の力が加わると、折れたり、ボルトが緩んで危険な状態になる可能性が否めません。実際に現場を見た時に感じた「危険なものを提供したくない」、そんな心の声に正直になった時、水木棟梁の選択は伝統構法でした。人の手でつくる以上、在来工法に比べると工期はかかります。しかし、建ててから長く住み続けられるのはどちらの建物でしょうか。水木棟梁は、自ら手がけた新築の住宅について「100年はもつし、3代は住みつなぐことができる」と自信を持って語ります。

動画制作:Ko-ki(AlmondS)

3. 宮大工の技を学び、磨いています

寺社仏閣を手掛ける建築会社で修行した水木棟梁。見て学ぶという世界での修行時代は、現場が終わってからが実践で、実践させてもらえる所へ夜な夜な手伝いに行き、寝る間を惜しんで研鑽を重ねたそうです。独立してからも、その経験を活かし、状況に合わせて仕口や接手を独自にアレンジするなど、新しいアイデアを取り入れ、宮大工として磨いてきた技術を、見えないところにもしっかりと注ぎ込みます。効率化を求める今の時代、家づくりも早さを求められますが、スピードよりも、人の手で、しっかりつくることを大切にしています

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一棟の住宅を建てる時には、技術を持つ大工が集まり、手刻みや棟上げは、水木棟梁を中心に、チームとして働きます。集まる大工の中には、若手もいることから、一棟の家づくりは、将来を担う次世代の貴重な経験の場であり、継承の場ともなっています

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そんな大工の皆さんが大事にしているのは、鑿(のみ)や鉋(かんな)といった大工道具。仕事道具を何よりも大切にしていて、休憩時間となると、使った刃物を真っ先に研いでメンテナンスします。自分たちの仕事ができるのは、道具をつくる職人がいてこそということをよく知っていて、道具への愛とこだわりは並々ならないものがあります。手刻みにこだわること、それは、道具の職人の仕事にもつながっているのです。

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4. 棟梁をアップデートしたい

「古来、日本に建築家はいなかった」と語る水木棟梁。大工棟梁が設計から現場監督まで、工程のすべてを束ねて仕切る、そういう文化だったと言葉が続きます。みずき工房では、そのような大工棟梁が全体を見て責任を持つ家づくりを進めています。

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一般的には、設計は設計者、木取りや刻みはプレカット工場、工程管理は管理の責任者など、分業化されていることが殆どです。どの仕事も重要で、本来、対等な立場であるはずですが、大工は下請けとして下に見られがちなことも。そんな棟梁の地位をアップデートしたいと水木棟梁は語ります。

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棟梁がすべてに責任を持つメリットとは何なのでしょうか。

みずき工房では、お施主さまと打ち合わせした後、水木棟梁が板図を描き、木を選び、墨付けを行っています。そのため、木を無駄なく適材適所に使うことができます。さらに、お施主さまにも職人にも無理のない範囲で新たな提案をすることができ、変更にも臨機応変に対応しやすくなります。お施主さまの好みや時代のニーズを読みながら、伝統構法でも野暮ったくならないデザインになるようにセンスを磨くことも心がけています。

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5. ちょうどいいを目指します

キャッチコピーに掲げている「ちょうどいい家」。水木棟梁は、それを「空気のような家」とも表現します。「空気ってないと生きられないですよね。でも、普段、我々は空気を意識しない。そんな風に、その人が無意識に素でいられる、そんな何も違和感を感じさせない心地良さを目指しています」(水木棟梁)

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設計:橋詰飛香(野の草設計室)


自然素材を使った家づくりのため、シックハウスの原因となる人工的な化学物質の臭いといった心配はありません。また、木のどの面を表に出すのか、接合する部分のつなぎ目なども深く考えられていて、空間には、聞かないと分からないこだわりが散りばめられています。しかし、「伝わらないくらいが良い」と、敢えて自慢しないところが水木棟梁らしさでしょうか。

「家は道具というか、箱。家よりも大切なことがあります」と語る水木棟梁。家づくりにおいて最も大切にしていることは、お施主さまの人生なのです。

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設計:橋詰飛香(野の草設計室)


6. 長もちする木の家だからこそ、長く付き合います

木の家の良さは、床や柱の木が飴色や銀鼠色になるなど、経年変化を楽しめることも魅力のひとつ。年月を経た古民家が醸し出す空間には、独特の味わいがあり、懐かしさや安心感を覚える人も多いのではないでしょうか。しかしながら、新建材の場合は完成した時がピークで、後は劣化していく一方です。

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木の家が長持ちすると言ってもメンテナンスフリーではなく、自然素材ならではのケアが必要。まさに、暮らしながら住まい手が育てる家なのです。みずき工房では、日々のことから定期的なものまで、メンテナンスのアドバイスにも対応しています。

近年、大型の台風や豪雨などが頻発していることから、普段は心配ない場所でも想定外の風雨に晒される可能性があります。そのような時にも棟梁や大工が実際に見て確認し、改善策を提案。建てた家にはずっと寄り添います。困った時に気軽に相談できる、まさに、ホームドクター。そこから得られる経験も大切にしていて、次の家づくりに活かします。

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6つのポイントをお伝えしました。それは、お施主さまにも伝わっていて、絶大な信頼を得ています。

今後、空間を体感していただきながら、棟梁やお施主さまと語る会なども企画していきますので、SNSをご覧ください。

(聞き手:酒井大輔、板垣義男、新居田真美)

みずき工房
愛媛県伊予市宮下558
TEL 089-992-9731




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