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ことば

今年のエンタメ個人的優勝は…
やはりパブリックシアターで観劇した、こまつ座さんの「雨」
圧巻の芝居でした。
役者は言葉。
役の言葉。
言葉はアイデンティティーであると痛感する時間だった。
普段、発話・会話はあまりに無意識にしているが故に忘れる。
時々、「言葉というものに漫然と向き合っててはいかん」等と
考える事はあるものの、やはり日常においては忘れる。
冗談で口にすることは多少あるかもしれないが…
何かを言いたくてもなかなか言語に尽くせない時「…語彙!」
と言いつつ放棄するのが好きではない。
そこを表現するのが芸術でありまさに表現の世界だと思うからだ。
こと、役者は言語化する、伝える事に怠惰ではいけない。
まぁ個人的なルールみたいなものだ。
普段は大事なのだ。
演劇部はこういう所が面倒くさいぞ。

「雨」は本当に見応えがあり、井上ひさし作品らしく、
悪い奴だなぁダメな人間だ…ほらこんな顛末だ、と見せながら
憎みきれず、どこかユーモラスでありながら、ひどく人間らしい。
余韻に気持ちよく浸りつつ一人電車に乗って帰った時の感覚を
未だによく覚えている。やはり芝居は生だ。生を演劇という。