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カプチーノ


何度か同じ場所に通う機会があった。
たいがい、出かける時は目的地に早着する。
早着してから時間を潰す。
カフェさえあればこっちのものだ。
見当たらない場所だったりすると途方に暮れる。
今回は目的の場所付近にドトールがあり、
一時間はそこで本を読みながらカプチーノを飲んだ。
6回ほど似たような時間に立ち寄ったが、
毎回そこでコーヒーを飲んでいる爺さんがいた。
特に何が特徴的な…という事もなかったのだが、
なんだか毎回スッと認識してしまった。
あの存在感は何だろうか。
常連らしく店員さんと朗らかに会話もしていた。

それにしても結構な割合でみんな何かを開いている。
ノートパソコンかタブレット。何してんだろう。

6回そこを利用していた間、
最初の3回は「同志少女よ敵を撃て」を読んでいた。
それを読了してしまい、後の3回は
俳優の山崎努さんの著書を読んだ。
「柔らかな犀の角」だ。
軽妙かつ深く、飄々として鋭い。
そして繊細だ。
役者をしている姿しか知らないと、なかなか新鮮。