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カオル #21

その時 通りかかったのが杉原雄三、

晃二の父だった。

すぐに警察と救急車が来て、

あたりは騒然として大騒ぎになった。

カオルも事情聴取を受けるため、

警察に連れられていった。

「あの時、杉原さんがとても気づかってくれて

俺は関係ないって証言してくれて。」

カオルは18歳だった。

本来なら親が引き取りに来る年齢だった。

しかし、カオルは頑として家のことは言わなかった。

杉原は心配して翌日も警察に赴き、

カオルの様子を聞くと、身元引受人になってくれた。

「そして、もうこんな生活やめろって言ってくれて

この家に連れて来てくれたんだ。」

それが あの時だったのだ。

あの雨の日、カオルがはじめてこの家に来た日。

「晃二、受験期だったし難しい年頃だから、

俺がどうしてこの家に来たかは黙っていようって。

杉原さんが言うから、今まで黙ってたんだ。

でも、杉原さんも 俺がゲイだって知らないかもしれない。

俺、何度も誘惑したのに、一度も

のってきたこと なかったから。」

晃二は ふいにカオルが女装していたことを思い出した。

「あれは 杉原さんの気持ちが動かないかと思って。

でも 全然だめだった。

それに俺、女になりたいわけじゃないし

長くは続かなかったよ。」

カオルは父が好きだったんだ。

晃二は もしや、と思っていたことが

現実になって柚季のことなど吹き飛んでいた。

「だから、金髪ちゃんから逃げたんだ。

俺はユキを傷つけたと思う。

だから、金髪ちゃんも傷つけたくなかった。

それにはこうするしか。

方法がなかったんだ。」

「晃二はバイだよね。」

カオルに言われて、

晃二は何のことかと思った。

ありがとうございました(ToT)

カオル#22へ続く

カオル#21

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かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね

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https://note.com/mizukiasuka/n/nb8d33d9d576f

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