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カオル #14

カオルは ぼんやりと柚季の様子を見ていた。

行きがかりとはいえ、約束は約束だ。

そう思ってここまで来たけれど、

約束を果たす自信がない。

かと言って いまさら逃げ出すわけにもいくまい。

「あのさ、本当に俺でいいの?後悔しない?」

カオルが確かめるように言うと、柚季は洗面所の方から

「なあに」と顔を出した。

カオルはもう一度 同じことを聞いた。

「だからね、金髪ちゃんは、本当に俺でいいの?」

ひとしきり部屋をながめていた柚季は、

もどりしなに うなずきながら

「もちろんよ。」

と言い、またカオルのとなりに座った。

「この前も言ったけど、

私、この人って思う人に会えたら、

たとえ一回こっきりでも、公開しないって決めてるの。」

「本当に一回でけで、あきらめられるのかい?」

カオルにくりかえし言われて、柚季は うつむいた。

「晃二にも言われた。

でも大丈夫。決めたことだから。」

晃二・・・。

柚季の口から晃二の名前が出て、

カオルは別のことが気になりだした。

「晃二とは、あれから何度も会ってるの?」

あれからとは、柚季が突然家に来た時のことだ。

柚季は軽く首をかしげた。

「どうかな。学校行った時だけだから・・・。

でも、私、前よりまじめに学校行ってるんだから。

前は週に一回行けばいい方だったけど、

今は三~四回 行ってるよ。

土日は休みだから、五日行ったら、全部じゃん。」

学校に行っていることを強調する柚季。

だが、カオルの聞きたい かんじんのことが

答えになっていない。

「いや、だからその、晃二とは学校で

よく話すのかな?」

柚季はちらっとカオルを見た。

「お兄さんとしては 気になるの?」

質問してるのは こっちだろう。

ありがとうございました"(-""-)"

カオル#15へ続く

カオル#14

新作駒草ーコマクサー」
かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね

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カオル#15こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/na0d8e870a717

カオル#1最初から
https://note.com/mizukiasuka/n/nb8d33d9d576f


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